世の中にはたくさんの「美談」があります。
その美談は良く映画やドラマになって人々に感動を与えます。

・わからず屋の上司を何とか説き伏せて事業を成功させた
・いがみ合っていた知人に、思いがけなく真心を見出し和解した
・大喧嘩して決定的に傷つけ合ったカップルがお互いの誤解を許し合って手を取り合う。

まあ、こんな美談が題材になるのです。
そして、ドラマはハッピーエンドになるものがほとんどなので、色んな苦境を乗り越えていがみ合っていた人達と思いやりや愛情を見せ合うのであった…。

あなたが大人の世界で生きている人ならば、こんな事ばかりではない事がわかると思います。(^-^;ゞ
確かに人間、たまに何かをきっかけに協力し合う事はあります。
でも、世の中にはどんなに話し合っても筋の通らない人がいるのです。

根本的に考え方の違う人達がいくら話し合っても平行線。
和解が成功する場合は、根底で同じ考えを抱いている場合などで、そんな場合はそもそも激しいいざこざなど起こさないし、決定的に傷つけあう事などないのです。
そして、決定的に傷つけ合えばもう元には戻らない事がほとんどなどです。

復縁希望者にはそれがわからない。
大人の世界を知らないのか、それとも無理矢理な「美談」を妄信したいのか、一発逆転を狙って復縁に挑みます。
心のどこかで
「あんなに酷い事を言ったけど、心の中では私を思っていてくれている」
「きっと反省してくれる。自分が間違ってる事に気付いてくれる」

大人の人間関係には超えてはいけない壁と言うのがあります。
言ってはいけない事、やってはいけない事。
これをやったら、もうお互いの中はダメになると覚悟して下さい。
これはもちろん自分が仕掛けた時も、そして相手が仕掛けてきた時も、です。

ただ、相手がついついその気もないのにその場の感情に任せて仕掛けて来てしまい、その事をあとで大いに反省してあなたに謝罪にきた場合だけは例外です。
しかしそのような事は皆無でしょう、と、言っているのです。

一度取り返しのつかない事をしてしまうと、仕掛けた方にも心にしこりが残ります。
全部忘れて「はい、仲直り。なかった事にしようね!」にはとてもなりません。
反省して謝ったらそれで良し、と言うのが許されたり通ったりするのは子供の世界だけ。
はっきり言えば、人の心をズタズタに傷つけておいて「ごめん」じゃ済まないと言う事です。

そこを「ごめん」で済ませたいのが復縁希望者。
謝るから私と別れるなんて言わないで!と言うのが本音です。
そして逆の立場なら「あなたの事許すから別れるなんて言わないで」と言うのが本音。
つまり、理屈抜きで別れたくないと言う事なんでしょう。
でも、理屈を抜きにする人って一番信用が置けないんですよね。(^-^;ゞ

ドラマや映画でこのような修復劇に感動する事にならされてしまっている我々は、ついつい自分達にもそんな感動的な結末がやってくる事をのぞんでしまいます。
そして、それを乗り越えた人達が絆を深め、さらに強く結びついて行く夢を見ます。
しかし、なかなかそんな事にならないのです。
ドラマや映画は、観る物を感動を大きくする為に、ハラハラさせる場面を過激に演出して、登場人物の心を傷つけ合わせます。
しかし、実際はそのように傷つけ合えば、関係は破綻するのです。

ドラマや映画の真似をしてはいけません。
ドラマの主人公のように感情的になって怒り狂ったり、相手を罵っていかにも自分が真剣であるかをアピールする事がどんなに危険な事か!
例えば、よくドラマにあるように平手打ちをかませば、相手の自尊心を傷つけ、怒りに火を付ける事だってあります。
なにかのドラマの主人公にかぶれてそんな事をする人が時々いるのです。
覚えがある人は是非、やめて下さい。
相手が冷静で覚めていれば、馬鹿だと思われるだけですから。

とにかく、一度壊れた世界を元に戻すのはものすごい至難の業。
壊す前に色んな事に気付きたいですね!