「魔法少女まどか☆マギカ」と「けいおん」。
ともにビジネス面において抜きんでた作品ではあるが、両者のヒットの質に大きな違いがあることにお気づきだろうか。
とりあえず金になるということで、切符やら何やらと作品との関連性に乏しい商品を大量に生み出している「けいおん」。
ご存知のとおり、内容は皆無に等しく、部室で菓子食いながら雑談している萌えキャラを眺めるだけのアニメであり、何故ヒットしたかを別のカテゴリーで例えるならば、とある風俗店が他の店よりも見栄えがよく客受けしそうな女の子を集めたから、他の風俗店よりも大きな売り上げをあげましたという程度の話である。
つまるところ、「けいおん」は、「かなめも」、「そらのおとしもの」、「乃木坂晴香の秘密」といった同次元の競合作
よりも萌えたキャラがいたからというのがヒットの理由であり、幾ばくか儲けを出したからといって、数字上はともかく、文化的な見地からみれば、それほどふんぞり返って威張るほどのものではないことが理解できるだろうね。
翻って「まどか☆マギカ」は、まさに革命的な傑作であり、一見平凡な少女たちが魔法少女として生死を賭した
戦いに身を投じる全編ハードな展開は、従来の温く凡庸なアニメ群とはまったく異なる高みにまで達しており、
例えるなら、「ウォークマン」や「IPod」、「ファミリーコンピューター」といった文化を変えるほど発明品と同じ高みにいる作品といえばその凄さが分かるだろう。
今はネットが発達し、少数のオタがどこかしこに押しかけるだけでニュースになり、その情報がまたたくまに拡散し、皆が知ることになる時代であるため、「けいおん」のような、コア層に支えられているアニメなのに、社会現象ではないかと錯覚してしまうのも無理はないかもしれない。
しかし、映像ソフトの売り上げを見れば、「IS」といい勝負という時点で「けいおん」のファン層が実は狭いことが
理解できるだろう。
「まどか☆マギカ」と「けいおん」。
同じヒット作でも、その質には大きな違いがあることはきちんと認識すべきだろうね。