「冨」は私の愛猫である。


「愛猫」。愛する猫となるが、…猫?

確かに猫なんだけど、猫の括りからとうの昔にはみ出ている存在なので「愛猫」というワードもピッタリとはそぐわない。


夫、息子、恋人、ペット、どのポジションに当てはめるのが一番しっくり来るのかと常々考えている。

今の所「ベターハーフ」が近い気がしている。


ベターハーフとは伴侶に使われる事が多い言葉だが、由来は天国にいる時に1つだった魂が下界に降りた時に2つになった片割れだそうだ。


冨に対して私はそれほど特別な愛着を持っている。


だが、世間一般的に他人のペット話くらいどうでもいい話も無い事も重々承知している。


それでも夜な夜な目を瞑ると冨に対する感情が溢れ出て泣けてくる。


冨は今11歳になった。

毎日アホみたいに撫でくりまわしているせいか毛艶も良くて、見た目は若いが間違いなく11年生きている。


この先せめて10年は生きてほしいと願っているが、命の長さはどんなに願っていても決められない。


だから書こうと思った。

自分のために。


完全なる自己満足を誰かが見て共感してくれたら、これもまた幸せな事だ。