第4話
「かえる雲、空のおさんぽ」
ある夏の日。
りかちゃんとユウくんは、
朝からそわそわ。
「今日の空、見た?
ぴょんぴょん雲、
また出てるよ!」
「ほんとだ!あのかえるの形、
まちがいない!」
ふたりはすぐに、
ピカピカの一輪車に
またがって、
ぴょーんと飛び出しました。
「まって~、ぴょんぴょん雲~!」
りかちゃんが笑いながら
こぎ出すと、
ユウくんも続いて
くるくる回る!
今日は、田んぼをぬけて、
川沿いの土手へ。
ぴょんぴょん雲は、
のんびり空をおさんぽ中。
ときどき、
くるんとまわってみたり、
風にふかれて
ふわっとひるがえったり。
「まるで、あの雲も
一輪車に乗ってるみたい!」
「空でくるくる
練習してるのかな?」
ふたりの想像は止まりません。
ぴょんぴょん雲が
ジャンプするたびに、
りかちゃんもユウくんも、
ぐいっとペダルを踏みます。
川のそばにくると、
ぴょんぴょん雲が、
ひときわ大きくジャンプ!
ぽっかりあいた水たまりに、
りかちゃんとユウくんの
一輪車が、ぴょん!
「わあっ!びっくりした~!」
でも、ふたりは転ばなかったよ。
だって、
もう上手にバランスが
とれるんだもん!
ぴょんぴょん雲は、
空の向こうへ
ふんわり消えていきました。
でもりかちゃんと
ユウくんはにっこり。
「また、あしたも
おさんぽできるかな?」
「うん!空のどこかにいるよ、
きっと。」
一輪車をくるくるまわして、
ふたりはゆっくり
家へ帰っていきました。
つづく……[m:2]
