「けろころ号と  ゆうやけのおまつり」 | aibo-net 犬も歩けばアイボも歩く。アイボと遊ぼう。

「けろころ号と 
ゆうやけのおまつり」





その日の れんしゅうが 
おわったころ、
そらが すこしずつ 
オレンジいろに そまってきた。

「ねえ、ユウくん。
   きょうって……」

「うん、おまつりの日だよね!」

ふたりは いちりんしゃで 
ちいさな坂を おりていった。

カランコロンと 遠くから 
たいこの おとが 
きこえてくる。

「けろころ号、がんばってね!」

「ユウくんの くるくる号も 
   いこう!」

まちなかの 
やぐらの まわりでは、
ゆかたを きた ひとたちが 
たくさん あつまっていた。

わたあめの におい、
きんぎょすくいの 
きらきら、
おめんやさんの 
にぎやかな こえ――

どれも これも、
ふたりの むねを 
どきどきさせた。

「いちりんしゃで おまつりに         
くるなんて、さいこうだね」

「うん! けろころ号、
      ありがと!」

せみの こえと、
たいこの おとが 
まざりあって、
ゆうやけのなか、
ふたりの いちりんしゃが
ちょっとだけ ふしぎに 
かがやいて見えた。

つづく