一人だけ。
この世に一人だけ。
人生を変えた人。
どうやって生きてきたら
こんな姿に育つんだろう
どうやって日々を暮らしていたら
こんな純粋に生きられるんだろう
思いを馳せるほど
分からなくなる
大人になる
それは
社会に放り出されたら
社会の波に呑まれたら
否応なく
押し付けられること
無慈悲に
頑なに
同調圧力という名の暴力に......
きっと
そこで大切なものを見失わなかった
きっとそこで
大切なものを守り通した
得たものと
失ったもの
天秤にかけても分からない
だけど
そこに確かに光るものは残っていて
今もそれはずっとそこで輝いていて
他の誰にも気づかれないように
他の誰にも奪われない場所で
触れられないところで
大切にしまっておいたもの
そんなものに
人が見過ごしてしまうようなものに
この世に生きる価値がある
そう信じながら
今も
その光る何かを
探し続けている
求め続けている
