言葉の相談もそこそこに、

まだこれから息子が急に言葉を話し始めるかもしれないと

淡い期待を抱いていた頃。

両親と、姉家族と、私たち家族で旅行に行った。

姉家族には息子より1才下の女の子がいる。

当時、息子は2才1カ月、姪は1才0カ月。

合流してみると、姪はとてもしっかりしている。

よく喋るし、とにかく賢い。

とても不安になった。

でも、平気なフリをして、女の子可愛いねと抱っこしたりして遊んだ。

心の中は、すごく焦っていた。

旅館の部屋では子ども達が遊んでいる。

息子は中身の入ったペットボトルが大好きで、ペットボトルの飲み物を見るとズラっと並べたり持ち歩いたりしていた。

並べては嬉しそうに眺める。

これは今思えばこだわりなのかもしれない。 

姪っ子とペットボトルの取り合いになり、取られない様に握りしめてうずくまっていた。

取られても、取り返そうとするけど、叫んだり泣いたりの癇癪はない。

無言で抵抗するだけ。

一才の女の子と、体格は違えど、精神発達面ではすでに逆転していた。

それでも、男の子だし、理解はしてるし、と自分なりに納得すべく解釈していた。