昨日何年ぶりかにミュンヘンの少林寺拳法の道場に行ってきました。夏の世界大会での通訳に向けてドイツ語での少林寺拳法用語の勉強も兼ねて行かなきゃなと思ったからです。

最後私が練習に顔を出したのは、たぶん5年前。それ以後色々あってぜんぜん行けてなくて。。。でも練習前メールを送ったら、「覚えてるよ!いつでもおいで」って言ってくれた。当時から親切にしてくれたイタリア人のレティチアは3段、そして旦那さんは4段の有段者で、ミュンヘン道場を当時から引っ張っていっている存在だった。

当日仕事をマッハで終わらせて練習場に向かった。

着いたら、レティチアが嬉しそうに駆け寄って来てくれた。知らない人がほとんどだったので戸惑っていたら、「今日はsensei(ドイツ語でもこう言います)が来てるよ」と。どこだろうとキョロキョロしていると、ひとりのおじいちゃんが私の目にとまった。周りはみんな道着のなか、ひとり私服でちょこんと椅子に座っているおじいちゃん。

すぐには気がつかなかった。昔は道着を着て黒帯を締めて声を張って指導してた先生(ドイツ人です)。ドイツの少林寺拳法連盟の会長でもあった先生。でもわたしの目の前にいるのは、すごく小さくなって痩せて、杖を片手にちいさく座っているおじいちゃんだった。一瞬ショックで言葉に詰まったけれど、話し始めたら昔の先生のままだった。

数年前からパーキンソン病を患ってしまい、もう支部長としての指導は出来ないけれど、今でもこうしてたまに練習を見に来ていることを話してくれた。話していて泣きそうになるのを必死でこらえた。ご病気でぼろぼろの身体なのに。ちいさくなってしまった先生を見るのがつらかった。時の流れを感じた。この5年間色々なことがあったのは、自分だけじゃない。周りもそうだったんだって思い知った。

でも先生は感慨深げに、みんなの練習風景を眺めてた。少林寺が本当に好きなんだなと感じた。今は代わりに支部長を務めるレティチアはじめ、みんな事ある毎に先生のところへ質問しにきていた。

ドイツに長く住んでいると、文化や習慣の違いにやりきれない思いになることが当然あります。でも、こうして日本人からみたら外国人のドイツ人の方が異文化である少林寺をここまで愛してくれているのを目の当たりにして、国際交流ということばの根っこはこういうところにあるんだと思わずにいられませんでした。

きっと少林寺拳法の創立者である方も今ごろ天国で喜ばれていますね。

来週また来ます!と言って帰ってきました。

おじいちゃん先生が繋いでくれた日本とドイツを結ぶひとつの架け橋。わたしもその橋を繋ぐ一端になれたらと思いました。出来ることを少しずつ頑張ります。

まずは引っ越しでホコリまみれになってしまった道着を洗濯しよう。。キョロキョロ滝汗(笑)