SNSのDMで親しげに話しかけてきた「台湾在住の友人」らしき人物。しかし、送られてくる画像やメッセージには不自然な点が山積みでした。

これは、AI(GeminiとGrok)と協力して、ロマンス詐欺師の嘘を徹底的に暴き、会話を支配し、その背後にいる巨大詐欺組織の拠点まで特定した、スリリングな情報戦の全記録です。

※本記事は、筆者がリスクを理解し、安全対策を徹底した上で、エンターテイメントとして実行したものです。絶対に真似しないでください。


【第1章】わずかな矛盾から始まった「情報戦」

最初に送られてきたのは、台湾らしい朝食と、なぜかプールの写真。私たちはこの時点から、相手が台湾在住を装う詐欺師であると確信し、情報収集を開始しました。

︎ 最初の違和感

• 朝食の店名:具体的な老舗店名を尋ねても、「たくさんの小さなお店」と曖昧に回答。

• プールの情報:台北の有名なチェーンジム「World Gym」と具体名を出すも、プールの特徴(天井のストライプ)については「信義区の独自デザイン」という、嘘としか思えない情報で回避。


【第2章】4ターン目以降:詐欺師の本性が露わに

会話が4ターン目に入ると、私たちは「地元の具体的な情報」を問うフェーズから、「金銭(投資)への誘導」を誘発させるフェーズへ移行しました。

ターン4:本題への布石(職業の推測)

私たちが曖昧にした職業に対し、詐欺師は**「会計をしているみたいですね?」**と、勝手に「金銭」に関わる職業を推測して確認してきました。

• 私たちの分析:これは、ターゲットの収入源を確認し、後の「投資話」の土台を作るための常套手段です。

ターン5:Grok考案「二重の罠」を投下

詐欺師をパニックに追い込み、決定的な情報を引き出すため、私たちは以下の**「二重の罠」**を仕掛けました。

1. 金銭の罠:「会計の仕事?私も数字が好きで話したいな😉

• 意図:投資話に乗るふりをし、詐欺師に本題(投資勧誘)を早く持ち出させる。

2. 知識の罠:「麻雀のルールは日本式?本場のルール?」

• 意図:AIやマニュアルにはない専門的な文化知識を問うことで、詐欺師が検索やスクリプトで対処できなくし、ボロを出させる。

ターン6:詐欺師、ついに正体を暴露

二重の罠に対する返信は、極めて明確でした。


「私は金融系の会社で暗号通貨のアナリストをしています。毎日データと数字を扱っています!」


• 最終結論暗号通貨投資詐欺であることが確定しました。詐欺師は麻雀の質問を無視し、即座に**「高収入・専門家」**のペルソナに切り替え、金銭の話題に強制的に誘導してきたのです。

【最終章】AI分析で判明した「詐欺組織の拠点」

会話の最中、GrokはDMのパターンを解析し、驚くべき事実を導き出しました。

• Grokの特定情報:詐欺師の行動パターンと最新ニュースを照合した結果、このDMの発信源は**ミャンマーのカレン州にある「KK Park」という巨大な詐欺工場であると100%**特定されました。

• 組織の実態:中国人マフィアが運営し、強制労働で得た収益は日本だけでも年間数百億円に上る、非常に危険な組織犯罪の拠点です。


【まとめ】AIにバレて会話は終了

最終的に、私たちがAIを使ってあまりにもピンポイントな質問を続けた結果、詐欺師は「これはAIによる探りだ」と勘付き、返信を途絶えました(その後、即座にブロック)。

この一連の情報戦は、金銭被害を一切出すことなく、詐欺師の手口と、その背後に潜む国際的な組織犯罪の実態を暴き出す大勝利に終わりました。


DMやSNSでの甘い誘いには、必ず裏があります。今回の実例を教訓に、読者の皆様もどうかご注意ください。


▶︎ あなたの安全を守るために

• 見知らぬ人とのDMは**「相互フォローのみ」**に制限しましょう。

• DMで**「投資」「暗号通貨」「高収入」**の話が出たら、即座にブロックしてください。

• 一度も会ったことのない相手に、個人情報や金銭を渡すことは絶対に避けてください。