小林麻央さんが亡くなった。

私も同じぐらいの歳の子を持つ母。

そして、小林麻央さんのことを知ってからか、知る前からか、しみけんさんの奥様のことも知り、本を読んで、自分も同じように病気になるのではないか、先が短いのではないか、自分のことのように恐れていた。

でもそれは幸せだからかな?出会えたことで、一生分の運を使い果たしたと思うほど大好きな旦那さんがいて、かわいいかわいい子供達が3人もいて、幸せで、幸せすぎて、この先何か大きな落とし穴があるんじゃないか、それで自分も病気になるんじゃないか無意味に心配していた。

麻央さんが亡くなってから、連日麻央さんや海老蔵さんについて報道がされている。亡くなって1週間経って、もうほとんど報道されなくなったけど。

その報道のされ方に何だか妙に疑問を感じた。

『若すぎる』『かわいそう』『小さなお子さんがいるのに』『強い』『優しい』『愛情に溢れている』『素晴らしい人』

その通りだと思う。

麻央さんはすごい。海老蔵さんもすごい。

その通り。

その通りなんだけど、それだけじゃないと思う。

テレビである人が、『麻央さんはすごい。うちの奥さんだったら、うちの奥さんも強いんだけど、麻央さんほど強くなれるのか?麻央さんが海老蔵さんを変えたように、うちの奥さんは自分のことを変えられるのか?自分は変われるのか?』

そんなことを言われた奥さんは良い気はしないと思う。

麻央さんだって、他の人より自分の方がすごいと、自分が褒められたり、絶賛されることを望んでいたわけではないと思う。それは麻央さんの願いとは全く逆なことだと思う。

この経験は、麻央さんや海老蔵さん、ご家族にとってものすごくつらい経験だったと思うけど、ものすごく意味のあることだったと思う。そういう宿命を背負って産まれてきて、そういう人生になったのだと。

今こういうことを言うべきではないかもしれないけど、それまでの海老蔵さんの心象はあまりよくなかった。ただ報道を信じるだけの私に実際の部分はわからないけど、多くの芸能人との交際報道があり、それによって傷ついた人もいると思うし、現に結婚してからも暴行騒動もあった。

もし麻央さんのことがなかったら、これほど海老蔵さんは変われていたのか?何の障害もなく、普通に暮らしていたら、海老蔵さんもここまでは変われてはいなかったと思うし、お互いにここまで深くお互いを愛したり、存在の大きさを実感はできなかったと思う。これは誰にでも言えることだと思う。

人は、普段当たり前に存在していると、そのありがたみを実感するのは難しい。

そういう点で自らの人生をかけて、海老蔵さんを成長させた麻央さんはすごいと思う。

でもすごいだけではなく、私達が学ばなければいけないことは、当たり前にある物や一緒にいてくれる人を当たり前だと思わずに、あってくれること、いてくれることにありがたいと感謝しなければならないことだと思う。

私は身近な人や身近じゃなくても、テレビを通じて見てるような人でも、死を目の当たりにするといつも思う。

近くにいてくれる人はいつ目の前からいなくなってしまうかわからないから、後悔しないように、本当に大事にしなくちゃいけない。自分だっていつこの世からいなくなるかわからない。

人だけじゃない。物だって、今はものすごく便利になった世の中だけど、それが当たり前とは思わず、消費してすぐ捨てるのではなく、大切にしないといけないと思う。

今日が最後の日だと思って、周りの人を大切に物を大切に、全てを大切にして生きないととつくづく思う。

だから、些細なことで怒らず、毎日子供達に優しく、笑顔で・・・と思うけど、毎日暮らしてるとそうもいかない・・・(。-_-。)

麻央さんだって、何もなく普通に暮らしていたら、神のように毎日穏やかには暮らしてはいられなかったと思う。子供達に怒ってしまったり、旦那さんに腹を立ててしまうこともあったと思う。

もちろん自分が麻央さんの立場だったらと考えると、怖いし、悔しいし、悲しいし、もうやりきれない。

でも、逆に考えると、麻央さんはものすごく幸せ者だとも思えると思う。自分の経験によって多くの人に大きな影響を与えられて、旦那さんをあんなにも愛せて、あんなにも愛されて、子供のこともすごく愛せて。短かったけれど、ものすごく濃い幸せな人生だったと思う。

これが事故で突然亡くなったんだったらどうだったろうか?もしかしたらケンカしたままの別れだったかもしれない。最後の言葉も不本意なものだったかもしれない。

もちろん、ガンの闘病はものすごくつらいものだったと思う。家族もものすごくつらかったと思う。でも、いつ何が起こるかわからないと、いつまで生きられるかわからないと思いながら、毎日精一杯悔いの残らないように過ごして、愛して、家族も同じように、毎日出来る限りのことをして尽くして、愛して過ごせた日々は大きかったと思うし、幸せだったと思う。

長く、熱くなってしまったが、私達が感じるべきことは、すごいかわいそう強いえらいなんて簡単な評価だけではなく、自分も同じように、今あるものが状況が当たり前だと思わず、周りの人に物に感謝して過ごすことだと思う。

間違っても、麻央さんはすごい。それに比べてうちの妻は・・・とか、海老蔵さんはすごい。それに比べてうちの旦那は・・・なんて言ってはいけないと思う。

報道は日々移り変わり、もう麻央さんのことも報道されなくなってきたけど、これからも海老蔵さんの家では毎日が続いていくのだ。これで終わりではない。ここから先がものすごく長いと思う。

でも、麻央さんが教えてくれたことを胸に、きっと良い家族を作っていけると思う。

私も、常に悔いの残らないように聖母のように過ごすのは難しいと思うけど、出来るだけ愛情深く、家族と周りの人と接していきたい。