股関節唇は臼蓋の縁を囲っている軟部繊維組織で、パッキンのように大腿骨を吸引し股関節を安定させる役割を担う組織で、骨頭臼蓋の軟骨と違い、血流・神経が通っており、何らかの原因により損傷した場合は激しい痛みを伴うこともある。※関節唇は軟骨ではありません。

 

 

股関節唇が損傷した場合は、不安定性から運動障害が表れ、重度になると歩行はもちろん、曲げ伸ばしなど可動域が極端に制限され、安静時の疼痛など、変形性股関節症などに代表される股関節痛と同様の症状があり(個体差有)保存療法が試される。

 

 

保存療法に抵抗を示す場合は、股関節鏡にて股関節唇の修復や再建手術(温存療法)が適応となる(変形性はこの限りでない)。関節唇単体の修復力は弱く、FAI等の原因を除去し、縫合すれば血流があるため癒合し、痛み機能が改善すると考えられる。

 

 

また一部で行われている、損傷した関節唇を取り除く切除術は、術後に変形性股関節症へ進行するリスクがあるとされ、進行後は股関節鏡適応外とされている為、年齢により人工股関節置換術が適応になり「悪化すると人工になる」と吹聴される1つの要因になっている。変形のない再損傷は股関節鏡で再手術可能です。

 

手術適応になる例は全体の2割ほどで、術後・再術後の成績は高く、保存の8割は高く評価し、同等以上の手術成功例を不当に評価するに値しない。一般整形・股関節外来での股関節唇損傷の診断・的確な処置は困難なので、スポーツ整形や股関節鏡外科医が外勤し、理学療法士によるリハのある病院をお尋ね下さい。