何ヶ月か経って、私たちはまた普通に遊ぶようになった。





「仲の良い男友達」



こんな感じで二人の仲は戻っていった。。。気がした。








それでも心の中ではYuUを好きな気持ちを押し殺していた。








これ以上、近づいてはいけない。


これ以上・・・。









いつかまた、隣に居れる日が来るとしたら。


それまではこの距離を保っていたい。





もし、そんな日が来なくても・・・。


















アタシは意外と我慢できない女だ。


結局、また前の関係に戻りつつもある。




そう、浮気相手。









軽い女。




はたから見ればそうだろうねきっと。






でも、アタシは本気なんだよ。YuUがどう思っていようと、アタシは本気なんだよ。































ある日バイト先で、嫌な情報が耳に入ってきた。







「アイツ彼女がこっち来るらしいよ」


休憩中に社員さんが言った。













最初はただ遊びに来るとか、そんなんだろうと思ってた。







甘かった。。














社員さんは続けて、



「一緒に住むんだってさぁ~、同棲かぁ~いいよなぁ~・・・・・・」








あとに何か喋っていたケド、覚えていない。というか、聞こえなかった。

















・・・私の中に抑えていた何かが爆発して、外にでてきちゃいそうだった。







そんな話聞きたくなかった。



あの時、やめてればよかった。そしたらもっと楽だったのかもしれない。






ほんと、懲りない女。



バカな女。



もう会いたくない。会えない。顔見れない。





そんなコト毎日考えてた。

















それでもYuUとは、休みが合う日はたくさん遊んだ。



YuUはいつものYuUだ。優しくて、我が儘なアタシを可愛がってくれる。
















でも、来るんでしょ?


アタシとなんて遊んでていいの?














もう・・・わけわかんない。















来たら・・・・・・・・本当にやめるね。







もう、ばいばいだよ。











「さよなら。」




って、言えるかな。。






YuUにすべて話した。



私は何だか、とてもすっきりとしていた。



もうバイト以外で会うこともないだろう。。

バイトで会っても私は大丈夫。


強くなったから。きっと。






そして、最後に今まで一番聞きたかったコトを聞いた。







もう恥なんてない。さらけ出して聞いた。


「アタシじゃだめ?」



















「・・・ごめん。」













あ・・・やっぱ強くなってなかったよ。



アタシ勘違いだった。強くなってた気がしたのに。



あんなに泣いたのに、まだ涙が出てくるよ。




終わりにしようと思ってたのに、何でこんなこと聞いてんだろう。









バカな奴。。
















苦しかった。








とても苦しかった。





だけど、なんでだろう。

次の日の朝はなんだか清々しかった。



やっぱり友達がいたからかな。

学校に大好きな友達がいて、久々に心から楽しく過ごした。




YuUとバイトがかぶる日があったけど

案外、平気なもんだ。




変に思われるかもしれないけど、普通に話せて笑うこともできた。



心に少し隙間はある。それでも笑えたことが嬉しかった。




前の二人に戻れたようで。。







YuUに相談しようと決めてから何日か経ってしまった。


何やってんだアタシは・・・。




今日こそは!!と思い、バイトのあとにYuUの家へ向かう。





家に近づくにつれ、気持ちがどんどん下がっていく。


それと同時に、空からは大粒の雨が降ってきた。


気づけばどしゃ降りで、髪も服もびっしょりだった。




なんだかおかしくなって、歩きながら笑ってた。。











YuUの家に着きチャイムを鳴らすと、



奥からいつもの足音が聞こえてきた。





ずぶ濡れの私を見てびっくりして、すぐにふわふわのタオルを肩にかけてくれた。






YuUの服に包まれて、話を切り出そうとしたら



急に涙が溢れ出てきた。


どうしようもないくらい、本当に止まらなかった。





そんな私を見て、YuUは優しく抱きしめてくれた。。



何があったかは聞かずに、私が喋りだすのを待っていてくれた。




そんなYuUの優しさが、今の自分にとってスゴク痛かった。












私が話し終え顔を見ると、YuUも泣いていた。






ごめんね。


そう言って、ずっと下を向いていた。








あれ??何?


ごめんって何??


それだけ?話、終わり?






なんだか頭の中がぐちゃぐちゃになってしまった。


もしかして話さない方が良かったのかなぁ・・・。













少しして、二人とも落ち着きだしたとき、YuUが話し始めた。












そして、こう言った。






「ごめん。




もしできていたら・・・




おろしてほしい・・・。」







なんか、一瞬どうでもよくなった。








妊娠かぁ・・・二文字なのになんか重いなぁ。。




















私はこんな出来事は初めてで、どうしていいか分からず、

検査も何もしていなかった。


まず検査してから話せば良かったと思う。




「ごめんね」なんて聞きたくなかった。









それから何日か経って、市販の検査薬で検査した。




・・・陽性。


「陽性ってなんだ?」って気持ちと一緒に、「どうしよう」が私の頭の中を駆け巡る。






すぐに産婦人科へ行き、ちゃんとした検査を受けた。









もう、どうにかなっちゃいそうだった。









結果が出るまで不安でしょうがない。

看護婦さんがなだめてくれるが、涙は止まらないし、ずっと震えてる。









そして先生がやってきた。







「大丈夫。妊娠はしていませんでしたよ。」











・・・ホッとした。



よかったぁ。








なぜ陽性がでたのか聞くと、検査薬はホルモンに反応して結果がでるものだから、

精神的に思いが強すぎるとか、

一番分かりやすいたとえは、想像妊娠でも反応するとのこと。



私の場合は「妊娠してたらどうしよう」とか、そればかり考えていたためだと言われた。


病院に行ってよかった。






もう・・・いいか。


ゼロにしよう。決めた。









すぐにYuUに話しに行った。覚悟を胸に秘めながら。







もう終わりにしようと言うつもり。