今回も、放送をしながら送信施設を更新(移転)した実績はあるか調べてみます

 

 関東地方を放送対象地域としている、AMラジオ局3局について見てみます

 送信出力100kW(大規模)です

 

 

 

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TBSラジオ

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TBS戸田送信所(埼玉県戸田市氷川町3丁目3番51号)

周波数:954kHz

空中線電力(出力):100kW

 

ーー 沿革 ーー

1951年(昭和26年)

5月:「株式会社ラジオ東京」設立

11月:戸田送信所工事完了

12月:本放送開始(戸田送信所:周波数1130kc、出力50kW)

<<全国で6番目、東日本で初の民間中波ラジオ放送>>

 

1953年(昭和28年)

8月:周波数変更(950kc)

 

1960年(昭和35年)

11月:「株式会社東京放送」に商号変更、略称は「TBS」

 

1971年(昭和46年)

11月:ラジオの出力を100kWに増力

 

1972年(昭和47年)7月1日の改正計量法により表記が変更

 施行前:kc/s(キロサイクル毎秒)又はkc(キロサイクル)

 施行後:kHz(キロヘルツ)

周波数が950kHzと単位の表示が変更

 

1978年(昭和53年)

11月:10kHz間隔だったラジオの中波放送(AM放送)の周波数が、ITU(国際電気通信連合)の取り極めで、周波数が9kHzステップへ移行(11月23日午前5時をもって、周波数を954kHzに変更)

 

2009年(平成21年)

商号を株式会社東京放送ホールディングス(Tokyo Broadcasting System Holdings, Inc.)に変更

 

2015年(平成27年)

12月:墨田FM補完中継局(東京スカイツリー)からFM補完放送(ワイドFM:90.5MHz・出力7kW)を開始

 

2020年(令和2年)

商号を株式会社TBSホールディングス(TBS Holdings, Inc.)に変更

 

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移転実績の確認は出来ませんでした

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ℹ️ 参考情報

 

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聴取可能エリア

 

 

 同社が公表している聴取可能エリアは、関東地方の1都6県を完全にカバーしており、周辺県の50%(福島・長野50%、静岡70%、山梨100%、新潟5%各人口比)も良好〜実用上聴取可能な範囲としている。

 東京都島嶼部(大島地区除く)では、送信所からの距離の関係で、一部の限られた狭い地域を除き、電波が電離層に反射して届く夜間のみの受信に限られるが、2010年3月15日以降はradikoを利用することで、インターネット回線必須ではあるが、安定して聴取可能となっている。

 スピルオーバーによって、終日北は福島県郡山市、西は山梨県富士吉田市近辺、静岡県中部まで聴取可能で、海上伝搬という特性により佐渡島南岸や能登半島東岸も比較的良好に受信できる。夜間は日本国内・近隣諸国を含めて他に954kHzを使用している中波放送が無いため全国的に聴取可能である。

 但し、北海道室蘭市、滋賀県彦根市、徳島県徳島市、長崎県五島市、青森県青森市、鳥取県米子市、山口県萩市、愛媛県松山市、佐賀県佐賀市周辺では、NHKラジオ第1放送の周波数(945kHzまたは963kHz)が近いため、夜間でもやや聴取困難。

 

 

 

 

 

 

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文化放送

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文化放送川口送信所(埼玉県川口市赤井3丁目9番16号)

周波数:1134kHz

空中線電力(出力):100kW

 

 

クローバークローバークローバー

 

【参考情報】

 

 

文化放送「川口送信所」

ともともNHKの送信所でした

 

 

--NHK出版「20世紀放送史」より-- 

 

 

1924年(大正13年)

11月29日:社団法人東京放送局(JOAK:現NHK東京放送局)設立

 

1925年(大正14年)

3月1日:試験送信を開始

 【元々は3月1日に放送を開始する予定だったが、購入する予定だった、当時日本に1台しかないウェスタン・エレクトリック(WE)社製の放送用送信機が、前年12月に同じく設立準備中の社団法人大阪放送局(JOBK:現在のNHK大阪放送局、略称:BK)に買い取られてしまった。そこで東京放送局は、東京市電気局電気研究所が放送実施のために購入したゼネラル・エレクトリック社製の無線電信電話機を借り放送用に改造して使用することにしたが、2月26日の逓信省の検査で「放送設備が未完成のため3月1日の放送開始は時期尚早」と判断された。既に3月1日から放送を開始すると発表しており、また、大阪放送局よりも先に日本初のラジオ放送を行いたいということで、「試験送信」の名義で逓信省の許可を受け、何とか3月1日から放送を開始することができた。】

 

3月22日午前9時30分:

東京高等工芸学校(現:千葉大学工学部)校舎(東京府東京市芝区新芝町(現:東京都港区芝浦3丁目))内の仮放送局(仮送信所)にて、日本初のラジオ放送(仮放送)が開始

波長375m(周波数800kc)

空中線電力約220W(出力110w相当)

 

🗼

 

京田武男アナウンサーによる第一声は

 「アーアー、聞こえますか。……JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります。こんにち只今より放送を開始致します」

 

当時の受信機の性能に比して出力が弱かったため、東京市内でないとよく聞こえなかった

 

 

7月12日:東京府東京市芝区(現在の東京都港区)の愛宕山からの本放送が開始

周波数:800kc

空中線電力(出力):1kW

 

 

1928年(昭和3年)5月:移転先である「新郷送信所」(現:文化放送川口送信所)から第一放送を開始(埼玉県北足立郡赤井村新郷(川口市赤井):出力10kW)

 

1931年(昭和6年):第2放送を開始

 

1933年(昭和8年):第一放送を川口青木に、第二放送を鳩ヶ谷里に移転計画

 

1936年(昭和11年)4月:送信所建設起工

 

1937年(昭和12年)12月:第一放送は川口青木から、第二放送は鳩ヶ谷里から仮放送開始

 

1939年(昭和14年)5月:本放送を開始

 

 

クローバークローバークローバー

 

 

ーー 沿革 ーー

1951年(昭和26年)4月:「財団法人日本文化放送協会」創立

 

1952年(昭和27年)3月:本放送開始(川口送信所:周波数1310kc、出力10kW)

<<全国8番目、東京では2番目となる民放ラジオ局>>

 

1953年(昭和28年)8月:周波数変更(1130kc)

 

1954年(昭和29年)3月:ラジオの出力を50kWに増力

 

1956年(昭和31年)2月:「株式会社文化放送」設立(「財団法人日本文化放送協会」解散)

 

1971年(昭和46年)3月:ラジオの出力を100kWに増力

 

1972年(昭和47年)7月1日の改正計量法により表記が変更

 施行前:kc/s(キロサイクル毎秒)又はkc(キロサイクル)

 施行後:kHz(キロヘルツ)

周波数が1130kHzと単位の表示が変更

 

1978年(昭和53年)

7月:送信施設工事着工

11月:10kHz間隔だったラジオの中波放送(AM放送)の周波数が、ITU(国際電気通信連合)の取り極めで、周波数が9kHzステップへ移行(11月23日午前5時をもって、周波数を1134kHzに変更)

 

1979年(昭和54年)

4月:送信施設完成(同敷地内での移転)

 

2015年(平成27年)

12月:墨田FM補完中継局(東京スカイツリー)からFM補完放送(ワイドFM:91.6MHz・出力7kW)を開始

 

 

 

 

送信施設移転に関する資料

 

 

テレビジョン学会技術報告【文化放送川口送信所新施設の概要】

 

文化放送・技術部

 

 

 

 

【工事の概要】

 工事は局舎の新築、100KW機の新設、災害対策を柱に関連する諸設備の変更、現用中の100KW機及び、自家発電装置の移設等一連の工事で、作業の安全に所員の主力を投入した。特に100KW放送中のアンテナ直下強電界中での局舎構築は、国内でも初めての試みであり。高周波誘導による危険作業の保安、更に放送事故の誘発防止、機器装置移設期間中新旧両局舎間に分散した現用-予備体制の自動化臨時措置等、多面にわたる工事であつた。

 尚、本工事に先立ち53年4月から地盤ボーリング調査、重量車用の道路、橋の補強、更にラジアルアースの臨時処置等準備作業を行い、同年7月本工事着工、54年4月末完工した。

 

 

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 1979年(昭和54年)4月、ラジオの放送をしながら、送信出力100kW(大規模)での移転実績があったことが確認出来ました

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ニッポン放送

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ニッポン放送木更津送信所(千葉県木更津市椿318番地)

周波数:1242kHz

空中線電力(出力):100kW

 

ーー 沿革 ーー

1954年(昭和29年)

4月:「株式会社ニッポン放送」設立

7月:本放送開始(足立送信所:周波数1310kc、出力50kW

 

1971年(昭和46年)

6月:木更津送信所から放送を開始

(足立送信所(東京都足立区六月町921番地)より移転)

11月:周波数変更(1240kc)・ラジオの出力を100kWに増力

 

1972年(昭和47年)7月1日の改正計量法により表記が変更

 施行前:kc/s(キロサイクル毎秒)又はkc(キロサイクル)

 施行後:kHz(キロヘルツ)

周波数が1240kHzと単位の表示が変更

 

1978年(昭和53年)

11月:10kHz間隔だったラジオの中波放送(AM放送)の周波数が、ITU(国際電気通信連合)の取り極めで、周波数が9kHzステップへ移行(11月23日午前5時をもって、周波数を1242kHzに変更)

 

2015年(平成27年)

12月:墨田FM補完中継局(東京スカイツリー)からFM補完放送(ワイドFM:93.0 MHz・出力7kW)を開始

 

 

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 1971年(昭和46年)6月、ラジオの放送をしながら、送信出力50kW(大規模)での移転実績があったことが確認出来ました

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調査結果

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 文化放送において、送信出力100kW(大規模)で、ラジオの放送をしながら同じ敷地内での移転実績はありました

 資料からは、大変危険な作業であり、放送を続けながらの移転は非常に困難であることはわかりましたが、当時の技術力で移転が可能であれば、現在の技術力なら不可能とは言えませんよね

 

 

 

流れ星

 

 

 

 次回ですが、送信出力100kW(大規模)でも、送信施設の移転が可能だとわかったことから、日本民間放送連盟が作成した資料「ラジオの意義と課題」について再度内容を確認したいと思います

 

 

 

 

クローバークローバークローバー

 

 

【参考情報】

 

 

在京AMラジオ3局

 

 今後の予定として、広告収入の低迷による設備更新の費用負担や、ワイドFMとの二重投資などを解消するためAM(中波)を停波し、北海道・秋田を除く全国のAM放送を行う民放43社と合わせてFM放送への転換を計画していることを2021年6月15日に発表した。現行の制度ではAM局がFM局に転換することは難しいため、2022年度に法規制の改正を行い、2028年秋の免許更新時にFM放送へ一本化する計画である。なお、総務省は2024年2月にAMの停波実証実験を行う予定であるが、AM放送の送信所が埼玉県戸田市の親局しか無いことや東京都墨田区の東京スカイツリーから送信されるワイドFMの電波が届きにくい北関東3県(群馬県・栃木県・茨城県)の聴取者への影響が大きいことからTBSラジオを含む在京AMラジオ3局(TBSラジオ・文化放送・ニッポン放送)は停波実証実験に参加しない予定である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続きはまたバイバイ

 

 

 

 

メモメモメモメモメモ

 この記事は、SEIが自分なりに調べた内容と、勝手に解釈した内容で記載しております。

 内容に誤りや、誤認識等あると思いますので、あくまでも個人的な記事として見ていただくか、間違え等お教えいただければありがたいです。

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