戦没者慰霊祭や追悼式での式辞挨拶でよく耳にする言葉に「犠牲」が出てくるが、私はこの言葉には違和感と嫌悪感すら抱く。

「我が国の今日ある平和と繁栄は先の大戦で犠牲になった先人のおかげで・・・・」と、犠牲の上に(引き換えに)今日の平和と繁栄が得られたかの如く言われると腹が立つのである。あたかも犠牲があったから繁栄が得られたかのようだがそれは違う。幾多の犠牲者は戦争によって生じ、戦争(犠牲者)によって今日の平和と繁栄が築かれたのではない。戦争(犠牲者)が無かったなら、きっと今とは違った発展と豊かさを享受していたであろう。犠牲者を出さないこと、戦争を引き起こさないことこそが肝要であり、犠牲者が出たから平和と繁栄が出来た訳ではない。更なる繁栄と平和のために犠牲者(戦争)を出すのか?断じてそうあってはならない。