あるところに兎とその飼い主がいた
飼い主には多くの友人がいた
飼い主も友人達も兎をとてもかわいがり
兎も飼い主と友人達を慕い信頼していた

ある冬のことである飼い主に恋人ができた
その恋人は兎がとても嫌いだった
飼い主は平気で兎を捨てた
兎よりも恋人を選んだのだ
それからというもの飼い主の友人達の態度も一変し、兎を嫌うようになった

兎は裏切られたのだ
兎は飼い主を恨みその恋人、友人達を恨み、いつしか人という存在を恨むようになった

その後
兎はその恨み、憎しみを胸に秘めながら1人死んでいった‥

少年は両手で器を作り水をうけた
水は少年の両手いっぱいに溜まった
少年はそれが嬉しくてたまらなかった
とても幸せだった

だか
その幸せは長くは続かなかった
水は少年の指と指の隙間からこぼれ落ちていった
そして少年が必死に守っていたわずかな水でさえこぼれ落ちていった
少年は悲しくなった
涙が止まらなかった
しかしそれと同時に少年は思った

水を受けなければこんなに悲しくなることなんてなかった

そう思った少年は涙を拭き両手をポケットの中にしまって去っていった

その後
少年の両手が水を受けることは二度となかった‥