終わりなき旅

「己を修めて、以って敬す」（論語）

リーダとはどんな人か？と問われたときに
孔子が答えた言葉です。

リーダーとは、自分自身を治めるよう
志すところから道がはじまるのです。

リーダーシップとは人を支配する
道具でもなければ人を従わせることが
できる力のことでもありません。

リーダシップとは、自分の手の届くところに
生きる人たちを支え、その人たちが本当に
望むものを実現させるために尽くす道です。

リーダーシップとは従わせる道だと誤解し
人だけではなく、自分自身を苦しめている
人がいます。

「なぜいうことを聞かないのか・・・」

という悩みは、誤ったパラダイムから
生まれます。

リーダーの道は自分自身をマスターしていく過程で
自分自身の至らぬところ、未熟なところを知った上で
それでもなお、自分自身と一緒にいてくれる人たちを
敬う心をもって歩まねばならないものです。

リーダーシップの道は
短距離走ではありません。

リーダーシップの道は
マラソンでもありません。

リーダーシップの道には
金メダルも世界記録も賞金もありません。

リーダーシップの道は峻険な山々を越えて
歩まなければならない終わりなき旅です。

平坦な道ではないからこそ、リーダーは
自分自身のの未熟さを省みるのです。

終わりなき旅だからこそ、背伸びや大股ではなく
一歩一歩踏みしめて歩むのです。

時に孤独を味わう旅だからこそ、
縁ある人々を大切にすることができるのです。

何も用意されていない旅だからこそ
本心から尽くすことができるのです。

そのような中でも、リーダーが苦しむことがあります。
空を見上げて涙することもあるかもしれません。

リーダーは
己が世間から理解されないことを苦しむのではなく
己が目の前の人を理解していないことに苦しみます。

リーダーは
自分の智恵が知られていないことに苦しむのではなく
自分の智恵が道から程遠いことに苦しみます。

そうした苦しみや孤独や逆境の数々に接したとしても
それでも歩み続けているリーダーに対して
世の中はこの上ない賞賛を与えてくれます。

リーダーシップとは、人生の喜びへと至る
最も遠回りのようでもあり、近道でもある
貢献と成長の物語なのです。