債券市場

消えた長期金利 国債売買1日半成立せず (5/2)

国債の不人気ぶりが際だっている。大型連休の谷間となった1日は国債を売りたい人も買いたい人もお休みしてしまったのか、取引がほとんど成立しなかった。国債の売り買いで成り立つ長期金利は一日中、姿を消した。しかし、連休中とはいえ売り買いが全くないのは異例のこと。国債を誰も見向きしない商品にしてしまったのは誰か。2日午後になりようやく商いが成立したが、もし2日続けて長期金利が消えれば、金融界の歴史に残る事件になるところだった。(引用終了)

国債

国債、値つかず1日半 長期金利「ゼロ」市場機能マヒ(5/3)

そもそも長期金利を「ゼロ%程度」で安定させるという日銀のあいまいな政策で取引参加者が疑心暗鬼になっていることが問題の根っこにあり、大規模緩和という劇薬の副作用をくっきりと表している。(引用終了)

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日銀

前代未聞の珍事が起きるところでしたね。なんとか2日午後には値がついたそうですが、TVでは報道していませんね。珍事の犯人は誰かというと日銀です。

国債の全発行残高に占める日銀の保有分は4割にまで拡大し、新規発行については日銀がほぼすべてを買い入れており、債券市場は日銀の独壇場と化しています。つまり、日本国債を売りに出す機関投資家がいなくなってしまい、とうとう値がつかなくなってしまいました。

旧ブログ時代から「日本国債は日銀の金庫に入ったままで二度と表に顔を出すことはない」と述べてきました。その道中ですから、わたしとしては珍事でもなんでもありません。

9日には財務省が長期国債の入札を実施しますので、ある程度は取り引きが戻ってくるとは思いますが、メガバンクはすでに保有国債を大幅に減らしており、主要生保も今年度に国債の運用残高を約3兆円徐々に減らす計画です。

マイナス金利

大手金融機関、生保のトップはこの先どうなるかという事を10年以上前から知っているはずです。マイナス金利になって困るのは金融機関です。日銀や財務省に文句を言わないのは、常識で考えてもオカシナ話なわけですよ。体力のない中小の金融機関は運用益が先細りで今でも困っていますが、いつかは倒産危機、取り付け騒ぎが起きると思います。

今年は大丈夫だと思いますが、そんな報道が流れ出したり、日銀が金融緩和の出口戦略を口にし出したら要注意です。売りが殺到して国債価格は暴落し、利回りが急上昇します。住宅ローンの指標となる10年物国債の金利も当然上がります。

「わたし(僕)は日本国債なんか買ってないから関係ないし~」

定期預金でも普通預金でも構いませんが、「100万円」と通帳に印字されていても運用されていますので、取り付け騒ぎが起きたら全額下せるわけではありません。日本国債の担保は国民の金融資産なので運用されているのです。

「えぇ?!そんなの許可した覚えはないわよ~」

そういうものなんです。金融機関とは預金する、保険料を納めてくれる人だけでは利益は生まれません。貸付して金利をとる、国債・株等に運用して利益を得ないことには、人件費などの固定費が出てきませんし、満期金を預金者・契約者に払えません。製造業や小売業とは違うのです。

日銀も財務省も海外の中央銀行と足並みをそろえながら「金融革命」を行うつもりでしょうが、ある朝、目が覚めたら現在の金融システムが変わっていたということにはなりません。

住宅ローン

住宅ローン返済中のAさんは住宅が手狭になったので新しい住宅に買い替えようとしました。運よく買い手(Bさん)が現れたとします。でも、Aさんの旧住宅のローン返済は残っています。それを精算しないことにはBさんへの所有権移転は出来ません

所有権移転登記と共に「抵当権抹消登記」を申請するのが常識です。Bさんから売買代金をもらってから所有権移転登記、その後に抵当権抹消登記をするのは不可能ではありませんが、ほとんど聞いたことがありません。

なぜかというと、抵当権抹消をしないで所有権がBさんに移転しますと、一緒に抵当権もBさんの背中について行くのです。抵当権者は銀行、抵当権設定者は所有者です

Aさんが売買代金をもらってから行方知れずになり、ローンの残金を支払わなかったら、Bさんが買ったばかりの住宅は銀行のものになり競売にかけられることになるのです。

それを回避するために、抵当権抹消登記を受付番号①にして、所有権移転登記を受付番号②にして同時申請します。

所有権に関する事項は甲区、所有権以外の権利は乙区
登記

住宅ローンの場合、債務者と抵当権設定者(所有者)が同じなのが一般的ですが、必ずしもそうとは限らない場合があります。債務者とは借金の張本人のことです。

事業資金の場合が多いですが、第三者の財産に対して抵当権を設定することがあります。息子さんが債務者で親御さんの不動産を担保に入れる、会社が債務者で代表取締役の不動産を担保に入れるなどです。

さてさて、どうしてこのような例えを持ち出すのでしょうか?
皆さんで考えてみてね~(^-^;