空から日本を見てみよう 空撮動画(釧路~知床半島)

前記事「釧路湿原を流れる釧路川」の写真をご紹介しました。

釧路川

実は、釧路湿原を流れる釧路川は、先進国にならって開発の名のもとに1980年代に「曲がった川」から「まっすぐな川」へと一部直線化されました。

その結果、河川や周辺湿地の動植物の減少を引き起こしましたが、2007年から約9億円をかけ、河口から32キロ上流にある1.6キロの直線区間を復元し、2.4キロの曲がった川に戻したのです。

環境省ホームページより
釧路湿原流域図
釧路川03

釧路川の直線化と蛇行復元(釧路国際ウェットランドセンター)
釧路路湿原国立公園の北端部・茅沼地域を流れる釧路川中流の一部は、1980年代に治水と土地利用を目的として直線化されました

直線化された釧路川と残された旧河道
釧路川04

しかし、1987年に釧路湿原が国立公園に指定され、人々の関心は自然の開発から保全へと向けられるようになりました。また、この頃から、川の直線化による土砂流入が原因とみられる、湿原中心部の乾燥化や植生の変化などの問題が目立つようになってきました

北海道開発局HPより
釧路川01

これらを受け、釧路湿原再生協議会では釧路湿原自然再生事業の一環として、2007年から釧路川の直線化部分約1.6kmを元の流路へ戻す工事を行い、2010年2月に旧河川へ通水、30年ぶりに蛇行が復活しました。(引用終了)

シマフクロウ
シマフクロウ

昨年8月末の「札幌にて(3)」で述べましたが、北海道を襲った豪雨で釧路は意外と大丈夫だった原因に釧路湿原がスポンジのように水を吸ってくれているのではないかと・・・その後の地元新聞でも同じ報道がありました。

湿原というのは農業も出来ませんし、建物も建てられません。人間にとっては「無用の長物」のように見えるのですが、逆にいうと「動植物の楽園」です。

タンチョウ、エゾシカ、キタキツネ、アオサギ、シマフクロウ、クシロハナシノブ(氷河期の遺存種)・・・など、植物約600種、昆虫類約1,130種、魚類38種、両生・爬虫類9種、鳥類170種、哺乳類26種の生物が生息しています。

(参考) 釧路湿原の豊かさを物語る動植物たち

「蛇行する川への復元工事」は環境保護を目的としたわけですが、前記事で「大地の陰陽のエネルギーの統合」には渦巻きが重要であるということが分かりました。ネイティブ・ジャパニーズのアイヌの人々は、そのことを知っていてこの地域に住んでいたのでしょうか?

とにかく、自然には無駄がないということ、自然を含む森羅万象に神が宿ると考えた日本人の宗教観は一神教の国々には理解できないかもしれませんが、蛇行する釧路川を例にとりましたら、とっても良く理解できました。リニア中央新幹線が気になります。

今回は地元ネタでしたが、明日は「意外な日光つながり」をお伝えすることになります。