前記事で銅メダルを獲得しましたシンクロデュエット(乾・三井組)をご紹介しました。その時のプログラムは「風神雷神」でした。

チームテクニカルルーティン(日本3位)は「弥栄(いやさか)日本」、チームフリールーティン決勝は「天照大神をテーマにした~輝く夜明」という日本的なプログラムだそうです。

この情報は今朝、仲間から教えられました。フリールーティーン決勝は、日本時間では時計の針が20日になったばかりの午前0時開始となっております。「天の岩戸開き神話」をイメージしたとは作曲家の大沢みずほさんも凄いですが、井村コーチの発言にもビックリです。(#^.^#)

曲・水着に創意と技 シンクロ日本支える2氏に聞く(日経8/14)
作曲家の大沢みずほさん(瑞穂の国?)
シンクロ07

シンクロ01

チームはTR、FRともに和楽器で演奏する日本調の曲だ。それぞれどんな思いを込めて作曲したのか。

シンクロ02

シンクロ04

「FRは日本神話『天照大神』をテーマにした。ライジングサンをイメージして作曲しているうちにイメージが膨らみ、天照大神の岩戸開きの物語を曲にしようと思った。シンクロ日本は北京とロンドンの五輪2大会連続でチームのメダルを逃している。再び日の丸を揚げてほしいという思いを込めた作品だ」

シンクロ03

「TRは昨年の世界選手権(ロシア)で銅メダルを獲得した演目『弥栄日本』で挑む。こちらの曲も、日本の国家と日本のシンクロ界がますます栄えてほしいと願って作曲した

昨年の世界選手権のチームの曲はTRが「和」でFRが「洋」だった。リオは両方とも「和」で挑む理由は何か。

「2曲とも井村さんから『日本調の曲にしてほしい』というオーダーがあった。日本の子には和風の曲が一番似合うというのが井村さんの基本的な考え方。五輪ではとくに日本らしさを前面に出すのが井村流だ。ディズニーの曲は米国人に、チャイコフスキーの曲はロシア人に一番似合う。これらの曲で日本人が演じても本場にはかなわない

シンクロ05

チームFRの曲の特徴は?

「リオといえばカーニバル。音楽を聞くと体を動かしたくなる人たちが観客なので、重々しい感じではなく、お祭りのようなノリのいい曲にした。にぎやかな雰囲気を演出するため、相撲の寄せ太鼓で音楽がスタートし、終盤もサンバ風にして盛り上がるようにした。表現したのは湿っぽくない明るい日本だ」

チームの2曲に使っている楽器は?

「琴、三味線、尺八、和太鼓、鈴など様々な和楽器を使っている。FRはギター音も使っているので純和風ではない」

プログラム「風神雷神」の演技(乾・三井組)
風神雷神01

「天気」をテーマにしたデュエットFRの曲にはどんな特徴があるか。

テーマは選手(乾友紀子・三井梨紗子組)の発案だったと聞いている。嵐、晴れ、曇り、最後にまた晴れと天気の激しい移り変わりをピアノオーケストラで表現している。天気をシンクロで表現するというのは面白い試みだと思う。最近になって、バイオリン奏者をスタジオに呼んで録音した。私たち音楽スタッフも、ぎりぎりまでいいものをつくろうと頑張っている」

大沢さんは1996年アトランタから2004年アテネまで五輪3大会連続で井村コーチに作曲を依頼されて楽曲を提供した。井村コーチが既存の曲ではなくオリジナル曲を多用するのはなぜか

「自由に編曲できるのが大きいと思う。選手の技術が上がってできることが増えると、それまでとは違う音やリズムが合ってくる。そういうときにオリジナル曲なら編曲しやすい。スピンでも選手の回れる速さがある。いくら曲がよくても、リズムが速すぎたらできない。選手がストレスを感じず、気持ちよく泳げる曲を作れるのがメリットだ。選手が曲に合わせるのではなく、選手に合った曲を作るという発想だ」(中略)

シンクロ06

井村コーチは「曲やテーマが分かりやすいことが大事」と言っている。

わびさびの世界といった奥深い日本文化の表現は避けた方がいい。ロングランの公演なら観客もいずれ理解してくれると思うが、シンクロの演技は1回だけ。重々しいものよりもシンプルに明るい曲が一番だ。井村さんのシンクロは見ている人を楽しい気持ちにさせるのが大原則だ」

チームTRの曲には選手たちが自らふき込んだ「ヤー」などの掛け声が入っている。

「自分たちの声が入っていれば、曲への愛着も強くなるし、演技で苦しくなったときに踏ん張れる」

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