地球06

≪宇宙の基本法(Ⅰ)≫(青字は少年ペドリゥート)

(ところで、アミ、オフィル星には、いくつの国があるの?)

「ひとつもないよ。文明世界だからね。しいてあると言えば、オフィルというひとつの国だね」

(ふ~ん じゃ、大統領は誰なの?)

「大統領なんかいないよ。」

(じゃ、誰が命令するの?)

「命令?命令って、ここは誰も誰にも命令なんかしないよ。」

(でも、じゃ、誰が組織するの?)

「うん、それなら話は別だ。でもここはもう、みな組織化し終わっておる。もし何か特別なことがあった場合、賢者たちがその分野の専門家と集まって決定したり、コンピューターにインプットしたりする。でも実際、ほんの少ししかすることはない。機械がほとんどやってくれる」

(じゃ、みんな何をするの?)

「人生を楽しく、充実して生きることだよ。楽しんだり、働いたり、勉強したり、奉仕したり、 助けの必要な人を援助したり・・でも、我々の世界は大抵の問題は解決済みなので主に未開文明の援助をするんだよ。残念ながら、「救済計画」の中でしかできないけど。例えば、メッセージを送ったり、君のような人と直接コンタクトをもったり、愛を説いている宗教の誕生を助けたりね・・・」

アミは、「出エジプト記」において、モーセがイスラエル人を引き連れてシンの荒野に入った時に、神が人々のためにパン(マナ)を天から降ろされたことを引き合いにだした。

マナ

(じゃあれは、君たち宇宙人がしたことなの?)

「そのとおりだよ。それからまた、ある文明が自滅していく時、高い度数を持っている人々の救済計画に参加したりとか・・アトランティス大陸がどんな風にして沈んでいったか、それは全く想像を絶することだったよ・・」

(爆弾のために?)

「うん。それと憎悪と苦悩、恐怖など、地球は人間のこれら否定的な放熱には耐えることはできなかったんだ。もちろん、核爆弾の破裂はそれ以上にね。そして、大陸全体が海の中へと沈んでいった。もし地球人が今変わらなかったとしたら、そして原爆の炸裂や戦争や不幸がこのまま続いていったら、地球はまた、そのうち耐えられなくなるだろうね。そうしたら、前と同じようなことが再び起こらないとは誰にも言えないよ・・。」

(一度も考えてみなかったよ!)

「全てはみな、最後には自分たちに跳ね返ってくるんだよ。」

(そんなに重大な責任があるとは!僕たちに・・・)

「だからこそ、我々は働いているんだよ。」

(でも宇宙人がいることを、まったく信じない人もたくさんいるよ・・)

黒澤

「そういう人たちは、とても無邪気なんだよ。我々は単に存在しているだけでなく、地球人のすることをいつも注意深く観察しているんだ。宇宙全体はひとつの生きている有機体だ。だから我々は、未開文明の科学の新発見を、安心してみているわけではないんだ。前にも言ったように、ある種のエネルギーの悪用は宇宙の均衡を崩すことになるし、もちろん我々の世界もその中に含まれている。すべてみな、跳ね返ってくるんだよ。だから我々はなんとか、地球人がこの危機を乗り越えてくれるようにと働いているんだ。