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目的地に向けて、あたしは走る。
早く。早く。一分一秒でも早く。
目的地のハンターズギルドの獣車置き場に向けて…
走る。走る。走る。
住宅街から出て市場へ至るカーブを物凄い勢いで曲がり、おタカさんの食材屋の前を駆け抜け、竜人のおじいちゃんの調合屋の前でちょっと減速。食いしん坊の店長さんの道具屋の前を鋭角に曲がると、広場へ続くトンネルへ向けて猛ダッシュした。
ごーん ごーん…
私の焦りにさらに拍車をかけるかのように、八つの時を告げる鐘が鳴り終わった。
(まっずーいっ!!ε=ε=ε= ヽ(;´Д`)ノヒエーッ)
鐘の音に急かされたわけでは…いや、確実に急かされてた。
八つ時の鐘が鳴り終わったということは、集合時間の八つ時半にはもうほとんど時間がないということだ。
(初日から遅刻するわけにいかないっ!)
気持ちは焦っているにも関わらず…
ぐう~~~~~っ
身体は正直だった。
あたしのお腹が空腹を訴えて不満げに音を立てる。
(こんな時にぃ~~~~(/TДT)/ワーンッ)
情けなさに思わず涙がこぼれそうになる。だが、そんな心とは裏腹に、あたしの身体は生きていく上で必要なエネルギーの補給の必要性を【腹の虫】という形で盛んにアピールしてくる。
朝起きて着替えをして…そのまま何も食べずに会長の家を出てここまで走ってきた。
多分、もう限界だったのだろう。お腹が空きすぎて腹部に軽い痛みが走る。なんというか力が入らない…そんな感覚だ。走る足ももつれはしないまでも、今にもビタッと止まってしまいそうだった。
「うう…ユナさんの手料理…美味しそうだったなぁ…(⌒¬⌒*)ジュルッ」
出かける直前に目にして、その香りを嗅いでしまったユナさんの手料理の数々。あたたかそうに湯気を立て…美味しそうに輝いて見えたそれらを思い出した、いや…思い出してしまった途端、息が切れた。
「はぁっはぁっ…」
膝に手を置いて身体を支え、前のめりになって荒く呼吸した。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ……あーもうダメっ~ヽ((◎д◎ ))ゝメガマワリソウ」
食べることは生きるための基本だ。
会長は常々そう言っていた。そしてまた、あるハンターさんが遺した言葉には、
【 肉を笑う者は 肉に泣く 】
…というものもあるそうだが、私は今、それをわが身をもって体感していた。
「うう…お腹空いたなぁ………あっ、そうだっ!о(ж>▽<)y ☆ソウイエバッ」
空腹に困っていたあたしの脳裏に、閃きが走った。というかそこに至ってようやく思い出した、そういうべきであろう。あたしは家を出る直前、料理の並ぶテーブルから1枚のトーストを持ち出した事に気づいた。
そのトーストは、走ることの邪魔になるからと、腰のポーチにそのまま入れていた。
たかがトーストとはいえ、何も口にしないよりは何倍もマシだ。
「よっし、いただきまーっす!」
まだ人道理の無いトンネルの中に、あたしの声が響いた。こんがり狐色に焼かれた正方形のトーストを口の中に入れた。
イッタダッキマースッo(^▽^)o◇三( ̄ー ̄;ンッ!?
がきっっ
…噛んだ瞬間、【とんでもない音】がした。
「あふぇっ!?(あれっ!?)(°д°;)ナンダイマノハ…」
思わず口の中からトーストを出した。そして、その表面を見てみる。
その見た目は何の変哲も無い、こんがり狐色…ほどよく美味しそうに焼かれた厚切りのトーストだ。噛み付いた時についたあたしの歯型がくっきりと残っている以外は特に目立ったところは無い。
「お、おかしいなぁ…じゃあもう一回…アーンッ(^O^)o□」
気を取り直して、もう一度、おっきく口を開けてトーストに噛み付いた。
がりっっ
「んふぇっっ!?(((゜д゜;)))エーッ」
今度は【とんでもない音】とともに、【とんでもない歯応え】が来た。
一噛み目は混乱してわからなかった。だが、二噛み目は違う。顎に…噛みついたあたしの顎に痛みが襲ってきたのだ。
「あっ…あひゃひゃひゃひゃひゃっっ((((((ノ゚⊿゚)ノ三ちょっと、なによこれーっヽ((◎д◎ ))ゝドウシテコウナッタ」
再び口からトーストを出した。見た目はいたって普通のトーストだ。だが…
あたしはトーストを指先で何度かつついた後、腰の後ろのラックに取り付けていた円形の盾を取り出した。そして、
「…せーのっ!。(;°皿°)ノシ◇」
掛け声と共に、トーストを盾の金属で覆われた部分に叩きつけてみた。
がっ
鈍い音。一瞬だが、火花が散ったような気さえした。
「う、うそっ…( ̄□ ̄;)ポカーンッ」
あたし目に入った光景に思わず唖然としてしまった。
あたしの視線の先。そこにあるにはトーストの角を叩きつけた盾の金属部分。モンスターの攻撃を受け止める防具。それがトーストの角の形に凹んでいたのだ。
慌ててトーストの方を見たが、トーストは変形するどころか、ヒビのひとつもついていなかった。
「こ、これ…は??」
凹んだ盾と無傷のトーストを見比べながら、あたしは呆然と呟いたのだった。
◆ ◆ ◆
「おい、ユナよ…大丈夫か?」
susuが出て行ったアギの家。お手製の料理が所狭しと並んだ食卓を前にどうしようかと立ち尽くすユナ。その背中にアギが声を心配そうに声を掛けた。
「えっ? あ、はいは~い…どうしました、かいちょー?」
susuを喜ばせようと、元気付けようと腕によりをかけて料理をしていたのだ。だが、思いがけない結果になってしまったにも関わらず、ユナは笑顔で振り返った。
「ぬ?…ぬう。だから、『かいちょー』と呼ぶなと…」
逆に、笑顔を向けられたアギの方が困惑気味だ。彼はいつもの…仲間内で『お約束』となったやりとりを交わすとユナに座るように促し、自分も彼女の正面に座る。
「せっかく作ったのに、肝心のsusuに食べてもらえなかったな」
「…まぁ、仕方が無いですよ。無事に帰ってきたら、たっくさん食べてもらいますから~」
アギの言葉に『今度は逃がしませんよ(´0ノ`*)オホホホ』とユナは笑った。その様子に、アギもまた安心したようににやりと笑った。
「しかし、さすが料理の達人と名高いユナの手料理だ。とんでもなく美味そうだな…(⌒¬⌒*)ジュルッ ユナよ、どうだ? 私の嫁にな・ら・な・・・」
「『い。』…ですよ、アギさん( ̄▽+ ̄*)キラーンッ」
ユナが笑いながら一刀両断にする。
「『い。』か…ああ、そうか(´・ω・`)ショボーン」
…と、アギも笑いながら返した。これも『お約束』なやりとりだ。
「このまま冷ましちゃうのももったいないですよね…食べちゃいますか(^-^)/アツイウチニー」
「そうだな。おお、そうだ。ダニエルのヤツ、最近新しい装備を作ってまともなものを食っていないと言っていたな…」
「ああ。じゃあ呼んであげましょうか。私、ダニーくんのトコに行って声を掛けてきますね」
そう言ってユナが席を立った。
「おお、そうだ…」
入り口から出ようとしたユナにアギが思い出したように声を掛けた。
「台所に武具工房で金属の切断に使う機械鋸があったのだが、あれはいったい何に使ったのだ?」

「機械鋸?………ああ、あれはですね…」
アギの言葉にユナはしばし考え込んで答える。
「これ。このトーストを切るのに使ったんですよ。普通のナイフでは刃が立たないので」
そう言ってユナはテーブルの上にカゴに入れて置かれたトーストを指差した。
「ん?…ほう、このトーストは…【頑固パン】か」
「ええ。頑固パンを厚切りにして、このドッカンスープの浸して食べるとスープの旨みをよく吸い上げて含んでくれて、すごく美味しいのですよね~」
「なるほど。パンを切るのに使ったのか。…コイツは堅くてそのままでは絶対食えんからな」
ユナの答えに、アギは納得したように頷く。
「そうですね。私の狩り仲間にも、狩りの途中に丸く焼いた頑固パンを食べようとしてですね…あんまり堅いので、膝にパンを叩きつけて割って食べようとして、逆に膝のお皿を割ってクエストリタイアした人がいますよ~」
その仲間の苦悶の表情を思い出したのだろうか。ユナはくくっと喉の奥で笑っていた。
「…ユナよ」
「なんですか?」
「susuのヤツな…さっきそのトーストだけを手につかんで行ったぞ?」
「はいっ!?(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)エーッ」
アギの言葉にユナは一瞬絶句した。
「無理に噛りついてたりしなければいいのだがな」
「…え、えーっと……(゚_゚i)ヤッベーッ」
ユナの額に冷や汗が浮かんだ。もし、思いっきりかぶりつきでもしたら、前歯くらいならもっていかれかねない。
「大丈夫…そう! 大丈夫ですよ! susuさんのことですもの。ちゃんと食べる前に確認しますよ」
「そうか? 本当にそうか? アイツ、食欲はかなり旺盛だぞ?」
アギの脳裏に、大好物を前にして興奮するsusuの姿が浮かんでは消える。

「まして朝飯を食ってないからな。いきなり『がぶぅっ』といってるんじゃ…」
「ヴ…だ、大丈夫ですって!」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫です…よ」
「…なのか?」
「…(・Θ・;)」
「…(-""-;)」
「…|(-з-)|」
アギの視線にさらされながら、ユナは両耳を無言でふさいだのだった。
◆ ◆ ◆
「ひ~~~~んっっ。ε=ε=ε=・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。」
噛み切れないトーストを口に咥えたまま、あたしはまた走り始めていた。
トンネルを抜け街の中央広場に出た。ここは武具工房や大衆酒場、ハンターさんたちが滞在するゲストハウスにつながる交通の要所。いつもはハンターさんや街の住人の人たちで込み合っている場所だったけど、朝の…まだまだ早い時間だったこともあって、ほとんど人は歩いていなかった。
(ようやくここまで来た! あとは…)
広場の真ん中にある水の枯れた噴水の前を駆け抜ける。そして正面に見えてきたゲストハウスへ続く階段。そこを駆け上がり、しばらく階段を上りきったところにあるゲストハウスの入り口の前を抜けて階段を少し下れば目的地のハンターズギルドの獣車置き場だ。
「えいっ! えいっっ!! えーいっっっ!!!」
石造りの階段を二段飛ばして駆け上がる。もう少しだ。ようやくゴールが近づいてきた。
がりっ
空きっ腹に力を込めるべく噛み締めたトーストが音を立てる。
結局、トーストは食べることは出来なかったけど、口の中に何かが入っている…そう認識することで空腹感はちょっと紛れた。
ごーんっ
…と、さっき鳴り止んだ鐘が再び鳴った。
(うわっ!Σ(゚д゚;)マ、マズッ…この音は八つ時半の鐘!)
街の市場の上にある尖塔の鐘撞き堂で鳴らされる鐘の音。これが全部で8回半…長く8回、最後に短く1回鳴り終わると集合時間の八つ半時になる。
あたしは階段を駆け上がる速さを早めた。タイミング的にはギリギリ…だが、全力で走ればなんとか間に合う!
ごーんっ
2回目の鐘が鳴った。
「ふぁあああ~っ(@ ̄ρ ̄@)三うおっ!?Σ(゚д゚;)ナ、ナニゴトッ!?」
おそらく寝起きだったのだろう。あくびをしながら階段を下りてきたハンターさんが、ものすごい勢いで階段を駆け上がってくるあたしに驚きつつ道を空けてくれた。
「す、すみませ~~~~んっε=ε=ε=□ヽ(;´ω`)ノヒーッ」
あたしはハンターさんに謝りながらその脇を駆け抜けた。
ごーんっ
3回目の鐘が鳴る。
あたしは跳ねるように階段を駆け上がる。腰のポーチに入れた道具がガチャガチャと音を立てる。
ごーんっ
4回目の鐘が鳴り終わる。
あたしの視線の先にゲストハウスの看板が見えた。あそこの前を抜ければあとは階段を駆け下るだけ!
「はぁっ、はぁっっ…もうっすこっしっっ…だーっε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ◇ワーイッ」
息を弾ませ、階段を上りきった。そして、勢いを落とさず、そのまま階段を下ろうと視線を先に…階段の下に見えてきた獣車置き場に向け、
「さあ、もう一息っ!!ヾ(@°▽°@)ノ◇イックゾーッ」
…とゲストハウスの入り口の前を通り抜けようとした瞬間、
「オヤジさん、いってきます!('-^*)/ジャッ!」
ゲストハウスの方からするハキハキした声と、
「ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ◇三( ゚Д゚) えっ!?」
私の口から出た驚きの声が重なった。
そして…
ごーんっ
5回目の鐘の音に…
ごんっ
あたしと、ゲストハウスから出てきた人影がぶつかる音が重なったのでした。
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えーっと、ですね…前回の⑫からだいぶ時間が経ってしまいましたが…;;
どうも、アギです;;
うお、ウィル・スミスかっけーっwwww
すごい身体能力だなぁ…w
やはり、ウィル・スミスの吹き替えは山寺宏一さんに限るなw 【アイ・ロボット】もよかったしw
(=⌒▽⌒=)三Σ(゚д゚;)ハッ!!
え、えーっとですねw 相変わらず狩りシーンまでは到達できていません;;
ああ、書きたいw
でも、ちゃんと順を追いたいのです;;
次は狩り場に出ますw なるべく早く…susuさんがロックラックに姿をあらわす様に書き上げたいですねw
では、また!