おはやうございます。
アギですm(_ _)m
期待を込めて目覚めた朝ですが、ダメでした(-o-;)
風邪、治りませぬ(ρ_;)
熱は平熱になりましたが、喉、鼻、頭痛がひどいです。
ああ…今日も休養か(ノ△T)
タイミングを合わせたかのように仕事が切れたからよかったですが(-.-;)
いや、仕事が切れたのはぜんぜんヨカァナイデスガw
ぎぶみーワーク(」゜□゜)」
日曜日、花見をしているときに、喉の奥に、
ぴたっ
…っと何かがくっついた気がしたのですよ。
『あーやられたかもっ(・_・;)』
…と思ったら案の定でした(ノ△T)
まあ、狩りの神様が、
『おまえ 、狩りすぎ。
ちょっとお休め』
そう言っているような気がします(-"-;)
けど、体力が落ちていくのは困ったもんです。
アギですm(_ _)m
期待を込めて目覚めた朝ですが、ダメでした(-o-;)
風邪、治りませぬ(ρ_;)
熱は平熱になりましたが、喉、鼻、頭痛がひどいです。
ああ…今日も休養か(ノ△T)
タイミングを合わせたかのように仕事が切れたからよかったですが(-.-;)
いや、仕事が切れたのはぜんぜんヨカァナイデスガw
ぎぶみーワーク(」゜□゜)」
日曜日、花見をしているときに、喉の奥に、
ぴたっ
…っと何かがくっついた気がしたのですよ。
『あーやられたかもっ(・_・;)』
…と思ったら案の定でした(ノ△T)
まあ、狩りの神様が、
『おまえ 、狩りすぎ。
ちょっとお休め』
そう言っているような気がします(-"-;)
けど、体力が落ちていくのは困ったもんです。
本日は、
骨 欠勤
…でございます(ノ△T)
昨日に引き続き、風邪でダウンでございます(-o-;)
ここ最近、2月から4月にかけての激務と、4月、5月の休日の行事での頑張りのツケが、仕事が減って油断したところに一気に来たものとおもわれます(ρ_;)
てなもんで、ただいま、ベッドで横になりながら、氷上先生の【魂を継ぐ者①】を再読中w
ドスガレオス、つええw
骨 欠勤
…でございます(ノ△T)
昨日に引き続き、風邪でダウンでございます(-o-;)
ここ最近、2月から4月にかけての激務と、4月、5月の休日の行事での頑張りのツケが、仕事が減って油断したところに一気に来たものとおもわれます(ρ_;)
てなもんで、ただいま、ベッドで横になりながら、氷上先生の【魂を継ぐ者①】を再読中w
ドスガレオス、つええw
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
「てりゃあぁぁぁぁぁぁっっ!!。(;°皿°)ウオーッ!!」
狩り場【 孤島 】。
その『エリア1』と呼ばれる海を見下ろす高台に気合のこもった声が響いた。
元気のいい、活力に満ちた声だった。
その声の主、新米ハンマー使いのカナンは手にしたハンマー【グレンナックル】を頭上に振り上げると、一気に、目の前にいるモンスター目掛けて振り下ろす。
ずんっ
轟音と土煙を上げて、グレンナックルは地面にめり込んだ。
必殺の一撃を放ったカナンは手応えを感じたのか、『にっ(^~^)ヘヘンッ』と自信に満ちた笑みを浮かべ、少し離れた所で彼女の様子を伺っていた【同行者】に視線を送る。
その表情は、同行者に自分の力を見せつて満足しているかのようだ。
【どや顔】
世間ではそう呼ぶらしい。しかし…
「…はぁっ┐( ̄ヘ ̄)┌ヤレヤレッ」
そんな表情を向けられた同行者はというと、肩をすくめてため息をつくと、首を左右に振って落胆の表情を浮かべた。
「えっ? えっ!?o(・_・= ・_・)o三Σ(゚д゚;)アッ!!」
そんな同行者の反応に、カナンは慌てた様子でキョロキョロと周りを見回し、その落胆の理由を見つけ驚きの表情になった。
ひょこっ
彼女が振り下ろしたグレンナックル。その脇から、ハンマーに叩き潰されたはずの【モンスター】が姿を現したのだ。
そのモンスターは【ケルビ】。主にこの孤島や火山に生息する、大人しい草食獣だ。
ハンマーの一撃を避けたケルビは、『ぴょんぴょん』と軽やかなステップでカナンの元からどんどん遠ざかっていく。
「あっ!…Σ(゚д゚;)三(゚_゚i)エーット」
飛び跳ねていくケルビに、カナンは同行者の方へ視線を送った。
「…(  ̄っ ̄))クイッ」
同行者は憮然とした表情のまま、首の動きだけで追いかけるように示す。
「は、はいっ!!…よいしょっ」
それを見たカナンは地面にめり込んだままのグレンナックルを引き抜き、腰溜めに構え直すと、ケルビの後を追っていく。
しばらく走ると、海に面した崖の際で立ち止まったケルビに追いついた。
「はあっはあっ…このっ、大人しくやられなっ…さい!ヽ(`Д´)ノトウッ!」
重いハンマーを持っての全力疾走だ。多少、息を切らせながらもなんとかケルビに追いついた彼女は再びハンマーを振り上げた。
…が、振り下ろそうとして狙いを定めるカナンの前を、ケルビは軽やかな足取りで駆け抜けていった。
「えっ!?(・_・;)アレッ うわっ、おっ…えっ!? えぇぇぇぇぇぇぇぇっっ(°Д°;≡°Д°;)ナンデストーッ」
どすんっ
振り下ろし先を失ったカナンのハンマーは、頭上でバランスを失う。カナンはグレンナックルに引っ張られる形で、後ろ向きに倒れてしまった。
背中を地面にしたたかに打ち付けてしまったが、幸い怪我はないようだ。
「いてて…A=´、`=)ゞシッパイシッパイ」
頭を掻きながら着ていた【レザーライトメイル】についた埃を払いながら立ち上がる。その時…
「(^^ゞヤッチャッタ…あっ!∑(°д°;)ヒッ」
「…(-_-メ」
視線の先で、腕を胸の前で組み『ムッ』とした顔をする同行者―彼女が先日弟子入りをしたロックラックのハンマー使い、アギと目が合った。
「あ…あ、あはは~(^o^;)ア、アハハ………ε=ε=ε= ヽ(;´Д`)ノマッテーッ」
もはや笑うしかない。カナンはやたらと乾いた笑いを漏らしたが、アギの表情が変わらないのを確認すると、グレンナックルを担ぎ直し、ケルビの後を追うのだった。
◆ ◆ ◆
それは、カナンがアギの元に弟子入りした3日後だった。
「【孤島のキノコ集め】ですか?」
ロックラックの宿屋通りの片隅。露店の酒場【さくら亭】で朝食をとっていたカナンに、後から合流したアギが言う。
「うむ。ハンター登録も無事済んだからな。本格的な修行に入る前に、おまえの実力を把握しておきたいと思うのだ…おっ、来たな(⌒¬⌒*)コレハウマソウダ」
酒場の看板娘、パティの運んできた朝食―アプトノスの肉を薄く切ってタレを付けて焼いたものを葉野菜と数種の香辛料とともにパンに挟んだ【ロックラックサンド】をガツガツと頬張るアギにカナンは目を丸くしていた。
(す、すごい食欲…)
パティが運んできたロックラックサンド3つ…1つが両の掌を開いて横に並べた程の大きさのそれを、アギは瞬く間に平らげてしまった。
「モグモグ…ゴクッ…( ̄▽ ̄)=3ウメーナ コレッ…ん? どうした、カナンよ?」
「あっ、いえ…朝からよくそんなにお腹に入るな~って…(;^_^A アセアセ」
「そうか?」
カナンの言葉にさも意外そうな顔をしながら、アギはさらにロックラックサンドを3つ、追加注文した。
「ハンターたるもの、飯はしっかり食べておかんと体がもたんぞ?」
狩りに出ていないときは毎朝この店で朝食をとるというアギ。おそらくどれくらい食べるのか、店の人も心得ているのだろう。
アギが注文してすぐに、パティは3個のロックラックサンドが載った大皿を彼の前に置いていった。すぐにその1つを手に取りかぶりつくと、ムシャムシャと咀嚼する。
そして、4個目のロックラックサンドを飲み込むと、その食べっぷりに唖然としたままのカナンに言った。
「…いいか、カナンよ。私の部族に【アンギル戦法】という古来から代々伝わる狩猟法がある。その5つ目にも【腹具合は常にまんぷくを維持すること】というのがあってだな…(;°皿°)クワッ」
「はっ…はぁ…σ(^_^;)ソ、ソウデスカ」
アギの熱のこもった説明に、カナンは圧倒されっぱなしだ。
そのカナンはと言えば、乾燥させた海草を水で戻したものを刻んでドレッシングをかけたサラダとギンシャリ草の粥を食べている。
「なんだ? それしか食わんのか?」
「は、はい…私、朝は食欲がなくて…(^_^;)アンマリオナカヘラナインデス」
「ふむ…」
カナンの答えに、アギは視線をカナンと彼女の前に並ぶの彼女の朝食との間を行ったり来たりさせていた。
「たくさん食べんと大きくならんぞ、カナンよ。そうそう、アンギル戦法の17番目にこういうものがあってだな…」
「あ、あのっ、アギさん! 【キノコ集め】についてなんですけど~」
アギの言葉に旗色の悪さを感じたのだろう。カナンはアギの言葉を遮るようにして、先ほど彼の口から出た依頼の名前を言った。
「ぬ?…おお、そうだったそうだった。このロックラックより船で数日行ったところに、名も無き小さな島がある。我々は【孤島】と呼んでいるが…」
「はい。知っています」
アギの言葉にカナンは頷く。
知らないわけが無かった。カナンはその孤島にある【モガの村】から来たのだから。
彼女が住んでいたモガの村は、その孤島の片隅にあり、その周辺を【モガの森】と呼んで管理していた。カナンも村付きのハンターである父親や村の若者たちに混じって森で果物を採ったり、魚を採ったりしたものだ。
まだ先のことだが、彼女の父親がハンターを引退することになれば、今度はカナンが村付きのハンターとして村を、そしてモガの森を守っていくことになるだろう。
「そうか、カナンはあの辺りの出身だったな」
アギはなるほどと頷いた。
「おまえも知っていると思うが、モガの村にもギルドの支部があるだろう?…まあ、実際はアイシャという娘が独力でロックラックのハンターズギルドと交渉を重ねて、支部扱いとして相互協力関係を築いたようなのだがな。彼女の尽力により、ここのギルドに所属するハンターも【モガの森】一帯を狩り場【孤島】として利用することができるようになったわけだ」
そこまで言って、アギは5個目のロックラックサンドに手を掛けた。
「今回、おまえの力試しとして受けようと思っているのは、その島で採れる【特産キノコ】。それを14本、採ってくる【クエスト】だ」
「あの~アギさん…」
カナンが手を挙げた。
「ん? どうした、カナンよ?」
「私、村にいた時にキノコ集めはけっこうしていて…できれば、他の依頼で実力を見てもらいたいんですけど~(^▽^;)キノコアツメナンカヨユーッス」
まだロックラックに来る前。父親から、その愛用のハンマー【グレンナックル】を受け継いでからしばらくの間、カナンはモガの森で幾つかの依頼をこなしてきていた。
そのほとんどは、『アオキノコを採ってきて欲しい』とか『夕食のおかずにする生肉を採ってきて欲しい』といった村人からの頼みだったのだが。それも、【ジャギィ】などの肉食モンスターが生息する島の中央部への立ち入りは父親から固く禁じられ、彼女が活動できるのは村からモガの森へ入る入り口の付近のみと制限されていたのだが、それはアギには秘密である。
「ふむ…( ̄_ ̄ )ウーンッ」
カナンの発言に、アギはロックラックサンドを食べる手を止め、それを皿に戻すと腕を組んでしばし考え込む。
「カナンよ。では訊くが、おまえはどういったクエストで自分の力を私に見せたいと思うのだ?」
「えっ? えーっと、そうですね…」
アギに問いかけられ、カナンもちょっと考え込む。だが、すぐに、
「ジャギィとか、ルドルフ…とか? 肉食の…人や家畜を襲って迷惑を掛けるようなモンスターを狩って見せたいです!」
…と、元気いっぱい、という感じに言った。
「【ルドロス】、だな」
モンスターの名前を言い間違えたカナンをアギが訂正する。
「…あっ! そうでした。すみませんσ(^_^;)シッパイシッパイ」
アギの指摘にカナンは照れくさそうに頬を掻いた。それをちょっと苦笑いしながら見るアギ。やがて、再び彼は腕組みをして考え込んだ。
「ふむ…」
「…p(^-^)qワクワク」
ちょっと期待にこめた表情で自分を見つめるカナン。その彼女の様子を見ながらアギは思った。
(モンスターを狩るだけがハンターではないのだがな…)
ハンターの活動範囲は多岐にわたる。
とかく、飛竜種をはじめとする大型モンスターとの命を賭けた戦いばかりが喧伝されるハンターだが、実際は…特にハンターになったばかりの新米ハンターは村人の依頼で植物を摘みにいったり、希少な鉱石を採取したり、増えすぎた小型の肉食モンスターを間引いたりと、一般人には困難な…だが、ハンターと名乗る者にとっては物足りないと思える、ともすれば地道とも言える依頼を受ける場合がほとんどだ。
そして、そういった依頼で経験を積み重ね、心身を鍛え、武器や防具を整えて…ステップを踏んで上に昇っていくのだ。
今回、アギが見極めたかったのはまさにそこ。彼女が今まで培ってきた、【ハンターとしての経験】だ
そのため、『広い狩り場から、特産キノコを探し出し、採取する』というキノコ集めのクエストは、カナンの狩りに臨む姿勢や観察力。身のこなしやスタミナなどの基礎体力を測る上でもってこいなのだが…
実際は、もうひとつ、カナンがそなえているかどうか確かめたい【資質】があるのだが、そこまで求めるのはカナンがかわいそうかな、ともアギは思っていた。
(まあ、よかろう)
若い者の上昇しようとする勢いを止めてしまうのも忍びない。そう判断したアギは、方針をちょっとだけ変えた。
「いいだろう。では、キノコ集めは止めだ」
「やった!(*^▽^*)キャーッ」
アギの言葉に、カナンの表情がぱっと輝くのがわかった。
「代わりに受ける依頼は【ケルビの角の納品】だな。それにしよう」
「ケルビ、ですか…?(・ε・)エーッ」
カナンの顔に不服そうな表情が浮かぶのを見て、アギはため息をつきそうになった。
だが、それを堪えて続ける。
「そうだ。ちょうど、武具工房から【ケルビの角】5本の納品依頼が出ていた。これを受けてみよう。出発は明日。船旅になる。それなりの準備をしておけよ」
「は~い(-з-)ブーッ」
(あーあ…せっかくロックラックに来たのに、また村に戻るのかぁ~)
アギの説明を聞きながら、カナンは口を尖らせていた。
◆ ◆ ◆
「こらっ! そうじゃないだろっ! ああっ…いったいアイツは何をやっとるんだ…」
腕組みをしたままカナンの動きを観察するアギ。その背後から声がした。
他でもない。小刻みに方向を変えて飛び回るケルビに翻弄されるカナン。彼女の父親だ。
その父親が、カナンの一挙手一投足に顔に手を当てて天を仰いだり、ため息をついたりしている。
「ああっ…我が娘ながら……」
『お恥ずかしい』…そう言って彼はアギに頭を下げた。
「いえ、そう悲観するほどのことも無いですよ」
苦笑いしながら、アギはうな垂れた父親の肩を叩いた。
「身のこなしや素早さ…身体能力はなかなか高いようです。さすが島育ち。都会出身のハンターと比べれば雲泥の差です」
「おおっ! そうですか!o(^▽^)oヨォッシッ!」
父親の顔がぱっと輝いた。
(わかりやすい人だ…σ(^_^;)ヤレヤレ)
この親にしてこの子ありか。アギは思わず苦笑いした。
「ですが、問題点もまた多そうですがね」
「お…おお…そうですかぁ。(´д`lll) ガーンッ」
今度は見ていてかわいそうになるほど落ち込む父親。その姿からは娘を思う愛情がよく見て取れる。
娘の姿に一喜一憂する彼の姿に、アギも頬が緩みそうになる。
だが、カナンはハンターを目指す者だ。
そして、ゆくゆくはこのモガの村を守る村付きのハンターとして生きていく。そういう道を自ら選んだ者。
アギは緩みそうになった気持ちを引き締めた。
「はあっ…はあっ…ヽ((◎д◎))ゝチクショーッ」
アギと父親のいるところまで、カナンの息遣いが聞こえてくる。
『息も絶え絶え』…その表現がまさに当てはまるほどに、彼女は消耗していた。
◆ ◆ ◆
「くっ…(><;)ウウッ」
どんっ
カナンの呻くような声と共に、グレンナックルの鎚頭が地面に着いた。
そして、カナンはその柄にもたれかかるようにして『ぜーぜー』と荒い息をついている。
(ち、ちくしょー…(x_x;)ウーッ)
息が続かなかった。
【アプトノス】は狩ったことがあった。父さんからこの【グレンナックル】を受け継いだその日。私は父さんとモガの森に出て、初めて【狩り】を体験した。
動きの緩慢なアプトノスに死角から近づき、面積の広い胴体にグレンナックルを振るい、渾身の力で叩きつけると、そのアプトノスはあっけなく斃れてくれた。
爆鎚竜【ウラガンキン】という、見たことも無いモンスターの素材で作られたこのグレンナックル。その破壊力は村の武具屋で売っている既製品のハンマーなどその足元にも及ばない。掠めただけでもケルビなんて打ち倒せるはずだ。
そう思って、私は必死にハンマーを振るった。でも…
(当たらない!)
そう、私の攻撃はケルビを捉えることができなかったのだ。
ハンマーを構え、距離を詰める。そして、グレンナックルを振り上げ叩きつけようとする。
だが、それを見越したように、ケルビはふっと体をかわすと、その華奢な体のどこにそれだけの力があるのだろうと思ってしまう程のバネ、瞬発力でぴょんぴょん跳ねて逃げていってしまう。
空振りしたハンマーをめり込んだ地面から引き抜き、私はまた後を追う。だが、その先ではまた同じ光景が繰り返されるばかり。
そうしているうちに、私の体力は奪われていった。
その結果がこれだ。
『簡単に倒せる』。物足りなさすら感じていた相手に翻弄され、スタミナを使い果たした。私は疲労に耐えかね、動きを止めた。
(一休み…息を整えるだけだ…(ノ_-。)クッ)
小刻みに息を吸い、なんとか呼吸を整えようとする。
正直言って、私の体には限界が近づいていた。グレンナックルを持つ手と腕、肩が痙攣を始めていた。こんなに長い時間、ハンマーを持って走り回ったのは初めてな気もする。
グレンナックルは…ハンマーはその鎚頭の重量を相手に叩きつける超重量武器だ。何度と無く繰り返した空振りに、私の体は悲鳴を上げ始めていたのだ。
『肉食モンスターを狩りたい』
そうロックラックでアギさんに嘯いていた自分を一発どついてやりたい。ほとんど反撃をしてこない草食獣のケルビだったからいいが、これが戦意旺盛なジャギィたちが相手であれば、返り討ちにあっていたかもしれない。
(私ってこんなに弱いヤツだったのかなぁ…(iДi)ダーッ)
体の衰弱は気持ちの弱さに繋がる。私の頭の中に、そんな考えがふと浮かんできた。
その時だ.
「カナン! もういいぞ!」
動きを止めた私にアギさんが声をかけてきた。
(もういい?(・Θ・;)エッ!? アギさん何を…)
私の方を見て言葉を続けるアギさん。
「力試しは終わりだ。おまえの力はわかった」
(力試しが…終わり?(=◇=;)エッ…)
呆然としてアギさんを見る。その表情はとても静かだった。怒っているわけでもない。笑っているわけでもない。無表情だった。
「…村に帰るぞ」
静かに。そう、とても静かに、アギさんは私に告げた。
「で、でも…」
(私は何もできていない!)
そう思った。私はアギさんに自分の力を見せることはできていない。そう思った。
今、振り返ってみれば、そのケルビに翻弄される不甲斐ない自分の姿が、その時点での私の【力】だったのだと思うけれども。
「…行くぞ」
アギさんが私に背を向けた。その背中の向こうで、父さんがすごくがっかりした様子でうな垂れているのが目に入った。
父さん。
村付きのハンターとして村を…そして私たちみんなをモンスターから守ってきてくれた父さん。
大きな獲物を狩って、誇らしげに村に凱旋する父さん。
あるモンスターと戦い、撃退するも大怪我をして引退を決意した父さん。
私が後を継いでハンターになると言ったとき、私を抱いて頭を撫で繰り回して喜んでくれた父さん。
ロックラックに出発する私を心配そうに見つめながら…でも、笑って送り出してくれた父さん。
私は…私はその父さんを悲しませてしまった!
「…っ!。(;°皿°)クワッ」
私の中で、なにかが弾けたような、そんな気がした。
(まだだ…)
私は杖のようにして体を預けていたグレンナックルの柄を握った。
(まだ終われない!)
ぐっと力を込めて地面からグレンナックルを引き抜いた。疲れた腕に、肩に、一気に重さが襲い掛かってくる。だが、まだだ。
私はまだ自分をあきらめることはできない。
最後に残った力と気力のすべてを振り絞って、あたしはグレンナックルを引き上げ、肩に担いだ。鎚頭の重さが肩にのし掛かり、体が悲鳴を上げたが無視する。
「待ってください!」
私は立ち去ろうとするアギさんに向かって叫んでいた。
◆ ◆ ◆
「待ってください!」
村に帰ろうと背を向けた狩り場の方からその叫びが聞こえたとき、俺は多分、
『(-_☆)ニヤリ』
…と笑っていたと思う。
振り返ると、さっきまでハンマーにもたれかかる様にしてへたばっていたヤツが、そのハンマーを肩に担いで立っていた。
仁王立ち
まさにそんな雰囲気だ。
だが、よく見れば腕や膝が(((( ;°Д°))))ガクガクブルブルと震えているのが分かった。
疲労困憊。もはやその年相応の小さな体には限界が訪れてきていたのだろう。
「…どうした?」
努めてそっけなく。俺は心の中でわくわくと踊る期待感を顔に出さないように努力しながら、カナンに訊いた。
「待ってくださいアギさん! 私は…私はまだやれます!(;°皿°)クワッ」
『コレ』だ。
必死に…限界に達した体に鞭を打って叫ぶカナンに、俺の顔はついに砕けた。俺は我慢しきれず、笑みを漏らしていた。
そうだ。俺は『コレ』が見たかったのだ。
体力は日々の鍛錬で身につく。知識は日々の学習で身につく。経験も日々の行動の積み重ねで身につくだろう。その手助けをするために俺のような教え導く者がいる。
だが、『コレ』だけは教えることができない。
心身ともに限界が訪れたとき。もうダメだと諦めそうになったとき、もう一度自分を奮い起こすことのできる気概。コレがカナンの中にあるかを確かめたかったのだ。
「…行けるんだな?」
カナンの目を見据えながら、俺はそう問い掛けた。
「はいっ!」
カナンはためらうことなく、俺の目をまっすぐ見返しながら即答した。
「わかった。ではそこのケルビ…アイツを狩ってみろ。それが出来たら今日は合格点をくれてやる」
「はいっ!」
5本の角を入手しなければならない達成条件が、ケルビ1頭の狩猟になったわけだ。
我ながら甘い。そう自嘲しながらも俺はカナンがグレンナックルを構え、俺が指し示したケルビに向かっていくのを見送った。
◆ ◆ ◆
「てりゃあぁぁぁぁっ!!(;°皿°)クワッ」
どごっ
鈍い音と共にグレンナックルが地面にめり込んだ。私の振り下ろした一撃がまた空を切ったのだ。
「くっ…なんで…」
息が切れる。グレンナックルを抜き、両手に持ち直して構えた。
アギさんに大見得を切ってから、ケルビを攻撃すること数度。それでも私の振るうハンマーはケルビを捉えてくれない。
腰溜めにハンマーを構えて気合を込め、頭上に振り上げ、一気に振り下ろす。何度か見た、父さんの直伝の一撃必殺の型だ。
(この一撃を受ければケルビなんて…)
私はそう思っていた。その一撃を当てることが出来れば、この細身の草食獣はひとたまりもないはずだ。
そう信じて、私はなおもハンマーを振るい、体力をさらに消耗していく。
そんな私に業を煮やしたのだろう。
「【アンギル戦法】その2っ!」
突然、アギさんが叫んだ。
「『一撃必殺を狙うな。百発必中を狙え』っ!(;°皿°)クワッ」
「は…はい?(゜д゜;)エーット??」
その突然の言葉に、私はハンマーを振りかぶろうした手を止めてアギさんの方を見てしまった。
「わからんか?」
アギさんが言う。
「人間とモンスターの戦いにおいては、一撃必殺のダメージの大きい攻撃を見舞うのではなく、ダメージの小さな…だがヒットしやすい攻撃を連続して繰り出していくことこそが真理、というありがたい教えだ」
アギさんはそう言って自分のハンマー、灯魚竜【チャナガブル】の素材で作った麻痺属性ハンマー【アルアロタス】を腰のラックから外して、私がしていたように腰溜めに構えた。
「いいか。人間に比べてモンスターの体力は無尽蔵といっていいレベルだ。振りが大きくて破壊力のデカい一撃はたしかに魅力的だが、そういった攻撃は総じて隙もデカい。たとえハンマーの大振りを当てたとしても、その隙にモンスターの攻撃を食らってしまっては割に合わん」
アルアタロスを構えるアギさんの体から、なにかオーラのようなものが湧き上がる。いや、湧き上がったような気がした。
「まして、ケルビのような小さくてすばしっこいモンスター相手に大振りを使うなんてのは愚の骨頂!(;°皿°)クワッ」
「ヴ…」
アギさんの容赦の無い指摘に思わず絶句してしまう。なかなか攻撃を当てることが出来ず、こんなバテバテのところを見せてはまったく反論の余地が無い。
「だから、我々ハンターは、隙が小さく当てやすい攻撃を繰り返し、モンスターの体力を徐々に…だが確実に削っていく方がよいのだ。カナン…ハンマーを頭上に持っていかずにな…」
そう言って、アギさんはアルアロタスを構えて走り始めた。走りながら、アルアロタスの柄を左手で腰の前に。鎚頭を右手で右腰の脇に固定した。
そして、助走の勢いが多少ついたところで、
「ふんっ!(;°皿°)クワッ」
ぶんっ
気合のこもった声と共に、アギさんの右手、アルアロタスの鎚頭が腰の脇から体の正面に向かって振り抜かれた。
その振りはコンパクトだが鋭いものだった。
「見たか? いいか、カナン。この振り方でやってみろ。一撃で倒そうなんて考えるな。小まめに、一発一発を確実に当てるように心掛けろ!」
「は、はいっ!」
アギさんの言葉に従い、私はグレンナックルを腰溜めに構え直した。腰を落とし、ハンマーの柄を握る手とそれを支える腕に力を込めた。
私から10歩ほど離れた所でのんきに草を食むケルビに向かって、私は駆け出した。
ぴくっ
ケルビが顔を上げて私を見た。『またおまえか』…そんな呆れた視線にすら感じられる。
「くっ!」
そんなケルビの様子に、私はちょっと気圧されながらも真っ直ぐに向かっていく。
ぴょんっ
ケルビが動く。私がその正面に立ち止まり、ハンマーを振り上げる前にと、私の右脇を駆け抜けようとしている!
「ここだっ!」
すれ違いざまに、私はハンマーを振り抜いた。
爆鎚竜【ウラガンキン】の硬い甲殻を圧縮加工して作られたグレンナックルが薙ぎ払われる。
がっ
初めて、手応えがあった。
『ぴぃぃっ!?』
ケルビの悲痛な声。放たれたグレンナックルの一撃は、すれちがう瞬間、ケルビの胴を打っていた。
側面から強い衝撃を受けたケルビは、四肢の膝を折り、その場にしゃがみこんだ。
「あ、当たったぁ…」
「気を抜くな。まだ相手は動きを止めていないぞ!」
「えっ!?」
アギさんの声にケルビの方を見る。すると、ヤツはよろよろと立ち上がり、私からなんとか距離をとろうとしていた。
「逃がさないっ!」
私は再びハンマーを腰溜めに構えると、足取りも重いままのケルビに詰め寄った。そして…
「てぃっ!」
がごんっ
さっきと同じ構えから放った一撃が、ケルビの頭部を捉えた。
一撃。ただそれだけで、
びくんっ どさっ
ケルビは一度体を伸ばして大きく身震いすると、直後に脱力したように地面に崩れ落ちた。
「えーっと(;・・)σツンツン…や、やりました?」
私は、おそるおそる、といった感じでケルビの体をつつくと、アギさんの方へ向かって叫んだ。
「…うむ」
それに答えてアギさんがひとつ頷いた。
「やったっ…」
私はぐっと拳を握り締めた。
「やった…やったぁぁぁぁぁぁっ!!」
歓喜の叫びを上げながら、私は握り拳を天に向かって突き上げた。
見れば、遠くで見守る父さんが笑顔で私を見つめていた。
(やったよ~とうさーーーん('-^*)ノシ)
私は喜びを体全身で表すように、突き上げた右手をぶんぶんと父さんとアギさんに向けて振って見せた。
するとだ…
「おいっ、カナンっっ!Σ(゚д゚;)オイオイオイオイッ」
父さんが急に、慌てたように顔色を変えた。
(…えっ? ええっ!?(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)エーッ)
私の足元で倒れていたケルビが突然、むくりと起き上がったのだ。
完全に油断していた。グレンナックルを握ることすら出来ず、棒立ちになった私を尻目に、ケルビは逃げ去っていった。
後から気づいたのだけど、ケルビは私の放った一撃を頭部に受けて脳震盪を起こして気絶していただけだったらしい。
「ア…アギさん、すみませーん…o(TωT )ダーッ」
そう謝った私に視線の向こう側で、アギさんは『やれやれ(*´Д`)=зマッタク』といった様子で、何故か楽しそうに笑っていた。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽">
とりあえず、今日はここまで。
けっこう書いたなぁ…
けど、狩ったモンスターといえば、ケルビ一匹(しかも逃がしたw)w
強力なモンスターとの決戦は、カナンのオーナーさん、野波コウさんに丸投げですw
がんばれ、野波さんw(ノ´▽`)ノ ⌒(プレッシャー)
なお、カナンのキャラクターについては、こちらに詳しく掲載されていますw
野波さんブログ― 鋼狩 ―
【ハンマー使い始めました①】
【ハンマー使い始めました②】
【ハンマー使い始めました③】
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ケルビ狩りを『失敗で』終えたアギたちは、その翌日、モガの村に逗留した。
カナンにとってはちょっとした里帰りになったわけだ。
カナンは実家へ泊まり、アギはというと村の村長の家の隣に併設されたゲストハウスに泊まった。
「おや、どうしたんですかな、アギ殿?」
モガの村の広場を歩いていたアギにカナンの父親が声をかけた。
「おお、親父殿。実は、カナンを探していたのですが…」
今日、夕方にハンターズギルドの手配した迎えの船が来る。アギはそれをカナンに知らせようとしたのだが…
「ああ、娘をお探しですか…はて? 家にはおりませんが…朝から出かけたようです。昨日は疲れていたようで、風呂から上がるなりすぐに布団に入ったようでしたが…」
「そうですか…」
父親の答えに、アギは周りを見回した。狭い村のはずだが、カナンの姿は見つけることができなかった。すると…
「あれっ、カナンちゃんですか?」
元気のいい声が二人の背後からした。アギと父親が振り返ると、モガの村の酒場の看板娘、アイシャが魚の入った籐籠を抱えて立っていた。
「おっ、アイシャ!」
「あら、アギさん。お久しぶり~♪ あっ! 相変わらずボーンシリーズを使ってるんですねぇ。アギさんもそこそこのハンターさんなんだから、そろそろもっといい防具に変えたらどうですか~」
アイシャの軽口にアギはにが虫を噛み潰したような顔になった。
「ほっとけ。だいたいアイシャ…おまえがカナンに持たせた手紙、私のことを探すのに『アギ(骨の人といえばわかるはず!)』と書いたらしいではないか?」
「ええ。我ながら、なかなか気の利いたアドバイスだったと自負してますけど、なにか?」
「ぬ、ぬぬ…」
明るくそう返すアイシャに、アギは渋い顔のまま口をつぐんでしまう。口での勝負では彼女には勝てそうもない。
「で、カナンちゃんを探していたんじゃないですか♪」
「む…そうだった。カナンの居場所を知っているのか、アイシャよ?」
アギがアイシャに尋ねる。
「いえ~さっぱり、まったく、ぜんぜん、わかりませんっ♪」
「おいっ(;°皿°)クワッ…」
アイシャのあっけらんかんとした答えに、アギはむっとした顔になった。
「ああ、でも、あそこじゃないかな~~って場所の心当たりはありますよ」
「ほう?」
「昨日モガの森から戻ってきたときに、ちょっとだけ彼女と話したんですけどね。けっこう『しょんぼり(´・ω・`)ショボーン』してたんですよね」
…と、アイシャはその時のカナンの表情を真似て見せた。
「落ち込んだときに決まってそこにいく…カナンちゃんにとっての癒し?…のスポットがあるんですよ♪ きっとそこに行ってるんじゃないですかね~」
「ふむ…そうか」
アイシャの説明を聞き終わったアギは、ひとつ大きく頷くと、『ありがとう』と彼女に声をかけて、自分が泊まっているゲストハウスの方へ向かって歩き始めた。
「あれっ?ヽ(*'0'*)ツ アレアレッ?…アギさん、その場所を訊かないんですか~?」
意外そうに、アイシャはアギの背中に問い掛けた。
「癒されに行ったんだろう、カナンのヤツは? では、第三者がしゃしゃり出て、顔を出すべきではあるまいよ。戻ってきたら、ゲストハウスに顔を出すように伝えてくれ。それだけでいい」
顔だけアイシャに向けて言うと、アギはゲストハウスに入っていった。
「ヒュゥ(^ε^)♪…『漢』だねぇ♪」
アイシャは口笛を吹いてアギをそう評した。
「…あれで【ドM】だったり【露出狂】じゃなければ、ちょっとは尊敬できるんですけどね~♪」
「そ、そうなのか!?Σ(゚д゚;)ナントッ!?」
アイシャの話に、父親は驚いてアギの消えたゲストハウスを不安そうに眺めたのだった。
◆ ◆ ◆
モガの村から少し離れたところにある入り江。
そこに、アイシャの言った『カナンの癒しのスポット』があった。
海岸線の岩場に突如口を開けた直径5mほどの穴。そこから覗く水面の下は、海につながっていた。
モガの村周辺の澄んだ青い海。それに地上の穴から日の光が差し込むと水中は希少鉱石の【マカライト鉱石】のような、青い輝きに満たされる。
カナンはこの景色が好きだった。
この場所に潜り、水の中から空を見上げると厭なことなんか全部忘れてしまえた。
友達と喧嘩したときも、母親が大切にしていたお皿を割ってしまったときも、両親に黙って飼っていたギギィのことがバレて、森に放されてしまったときも…
彼女はこの場所に美しい景色の中に身を置くことで、気持ちをリフレッシュさせてきたのだ。
そのカナンが、青い光の中に浮かんでいた。
両足を折り曲げ、胸の前で膝を抱えてその間に顔をうずめている。その姿勢のままで、入り江の緩い潮の流れに身を任せて揺られていた。
(あーぁっ…(´・ω・`)ショボーン)
流れに揺られながら、カナンは落ち込んでいた。その理由は、昨日の狩りで露呈した自分自身のハンターとしての力量だ。
(私って、もうちょっと『できる子』だと思ってたんだけどなぁ~)
ハンマー使いの父親から愛用のハンマー【グレンナックル】を受け継いだ時、私はそれを持ち上げることすら出来なかった。
『こんな重いものを振り上げるなんて想像も出来ない!』
お手本にと、カナンの目の前でグレンナックルを軽々と振り回す父親を、まるで化け物を見るように見た覚えがある。
その後、村長のセガレさんと一緒にモガの森を管理したり、狩猟船の手伝いをしたり。毎日の体力づくりも欠かさなかった。
ハンマーの振りも、記憶にある父親のそれを真似て、自分なりに練習してきた。父親の引率で行ったモガの森の中心部で、アプトノスも数頭狩った。
わりと、自信はあった。
だが、あっさりと。カナンの自信は打ち砕かれる結果となってしまった。
(ふ~~~っ…)
…と、カナンはため息をついた。彼女のちょっと尖らせた口から『ぷくぷく(-。-)。o0○』と泡が出て、水面に向かって上がっていった。
(でも…)
カナンが顔を上げた。
(これでよかったのかもな~)
さっきまで沈んでいた表情が、ちょっと明るくなった気もする。
(ダメなところがあるってことは、まだ良くなる余地がある…父さんもそう言っていたしね!)
厭な気持ちをこの入り江に沈め、カナンは気持ちを切り替える。それが彼女の気持ちの切り替え方だ。
へこたれ易いが立ち直りも早い。それがカナンの短所であり長所でもあった。
ばしゃっ
水の音と主に、カナンが水から上がる。
「さっ、行くか~っ!」
そう気合を入れるように声を出すと、傍らにおいていたタオルで体を拭き始めた。
◆ ◆ ◆
ギルドが手配した船で、カナンとアギはロックラックの街へ向かっていた。
狭い船倉に、二人は向かい合わせで座っている。
「元気が出たようだな、カナンよ?」
アギの問い掛けに、カナンは『にこっ』と笑うと、
「はいっ!」
…と答えた。
「いい返事だ。いいか、カナンよ。今回の狩りでいろいろと見えてきたものがあっただろう?」
「はい!」
アギの言葉に、カナンは素直に頷いた。
「まず、体力面。長時間活動するための『スタミナ』…ハンマーを扱うための『腕力』。それから技術面では状況に合わせたハンマーの使い分け。それに基本的な『型』の習得!」
「うっ…けっこうありますね…」
「なに。まだまだあるぞ~」
引きつった顔になったカナンと対照的に、アギは楽しそうだ。
「まあ、前に私がミナガルデ教えていた子よりはだいぶマシだ。あいつは武器すら握ったことが無かったからな…」
ふっと、アギが遠い目になった。
「私の前にもお弟子さんを取っていたのですか…」
「うむ、弟子というてわけではなかったのだがな。…そいつはsusuといってな。最初はすばしっこいのだけが取り柄のようなヤツだったが、ミナガルデで修行して、必死にがんばって…いまではココット村で一人前のハンターとして活動している」
「へ~っ…」
そうかつての教え子のことを話すアギはとても誇らしげだった。
すると、アギが急に表情を引き締めた。
「なりたいか?(`・ω・´)キリッ」
「えっ!?…なりたいかって何にですか??」
アギの問いにカナンが聞き返した。
「父親のような。村のみんなを守る力を持った…皆に尊敬されるハンターに。カンナよ。おまえはなりたいか?」
「もちろんです!(;°皿°)クワッ」
即答だった。カナンはなんの迷いも無く、即座にその問い掛けに答える。そのカナンの様子に、アギは満足そうに頷いた。そして、一瞬だけ。考え込むような仕草をしてみせた。
「アギさん?」
「いや、なんでもない。俺の鍛え方は厳しいぞ。しっかりついてくるのだぞ、【カンナ】よ」
「はいっ!…って、えっ!?」
元気良く返事をしたカナンが怪訝な顔をした。
「あの、アギさん…私の名前は【カナン】なんですけど?」
「ん? ああ、すまん…ちょっと間違えてしまったようだ」
カンナの指摘に、アギはからからと笑ってみせた。
「?」
名前を呼び間違えたのには実は理由があるのだが、もちろん、カナンはそんなことに気付くことなくきょとんとしていた。
そんなカナンを見ながら、アギはこれからこの新しい、ハンターを目指す若者をどう導いていこうかを考え始めていた。
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ここまで読んでいただいた方…ありがとうございますw 思いのほか、長文になってしまいました;;
なんでここまで書いたかといいますと、↓コレを書いて「書きたい欲」が溢れたからなんですがw

モンスターハンターの携帯公式サイト【モンハン部】でやっている企画に応募してみましたのw だめもとでw
イラスト描けないと無理だよねw こういう企画ってw どんなキャラが選ばれるのか、楽しみにですw
「てりゃあぁぁぁぁぁぁっっ!!。(;°皿°)ウオーッ!!」
狩り場【 孤島 】。
その『エリア1』と呼ばれる海を見下ろす高台に気合のこもった声が響いた。
元気のいい、活力に満ちた声だった。
その声の主、新米ハンマー使いのカナンは手にしたハンマー【グレンナックル】を頭上に振り上げると、一気に、目の前にいるモンスター目掛けて振り下ろす。
ずんっ
轟音と土煙を上げて、グレンナックルは地面にめり込んだ。
必殺の一撃を放ったカナンは手応えを感じたのか、『にっ(^~^)ヘヘンッ』と自信に満ちた笑みを浮かべ、少し離れた所で彼女の様子を伺っていた【同行者】に視線を送る。
その表情は、同行者に自分の力を見せつて満足しているかのようだ。
【どや顔】
世間ではそう呼ぶらしい。しかし…
「…はぁっ┐( ̄ヘ ̄)┌ヤレヤレッ」
そんな表情を向けられた同行者はというと、肩をすくめてため息をつくと、首を左右に振って落胆の表情を浮かべた。
「えっ? えっ!?o(・_・= ・_・)o三Σ(゚д゚;)アッ!!」
そんな同行者の反応に、カナンは慌てた様子でキョロキョロと周りを見回し、その落胆の理由を見つけ驚きの表情になった。
ひょこっ
彼女が振り下ろしたグレンナックル。その脇から、ハンマーに叩き潰されたはずの【モンスター】が姿を現したのだ。
そのモンスターは【ケルビ】。主にこの孤島や火山に生息する、大人しい草食獣だ。
ハンマーの一撃を避けたケルビは、『ぴょんぴょん』と軽やかなステップでカナンの元からどんどん遠ざかっていく。
「あっ!…Σ(゚д゚;)三(゚_゚i)エーット」
飛び跳ねていくケルビに、カナンは同行者の方へ視線を送った。
「…(  ̄っ ̄))クイッ」
同行者は憮然とした表情のまま、首の動きだけで追いかけるように示す。
「は、はいっ!!…よいしょっ」
それを見たカナンは地面にめり込んだままのグレンナックルを引き抜き、腰溜めに構え直すと、ケルビの後を追っていく。
しばらく走ると、海に面した崖の際で立ち止まったケルビに追いついた。
「はあっはあっ…このっ、大人しくやられなっ…さい!ヽ(`Д´)ノトウッ!」
重いハンマーを持っての全力疾走だ。多少、息を切らせながらもなんとかケルビに追いついた彼女は再びハンマーを振り上げた。
…が、振り下ろそうとして狙いを定めるカナンの前を、ケルビは軽やかな足取りで駆け抜けていった。
「えっ!?(・_・;)アレッ うわっ、おっ…えっ!? えぇぇぇぇぇぇぇぇっっ(°Д°;≡°Д°;)ナンデストーッ」
どすんっ
振り下ろし先を失ったカナンのハンマーは、頭上でバランスを失う。カナンはグレンナックルに引っ張られる形で、後ろ向きに倒れてしまった。
背中を地面にしたたかに打ち付けてしまったが、幸い怪我はないようだ。
「いてて…A=´、`=)ゞシッパイシッパイ」
頭を掻きながら着ていた【レザーライトメイル】についた埃を払いながら立ち上がる。その時…
「(^^ゞヤッチャッタ…あっ!∑(°д°;)ヒッ」
「…(-_-メ」
視線の先で、腕を胸の前で組み『ムッ』とした顔をする同行者―彼女が先日弟子入りをしたロックラックのハンマー使い、アギと目が合った。
「あ…あ、あはは~(^o^;)ア、アハハ………ε=ε=ε= ヽ(;´Д`)ノマッテーッ」
もはや笑うしかない。カナンはやたらと乾いた笑いを漏らしたが、アギの表情が変わらないのを確認すると、グレンナックルを担ぎ直し、ケルビの後を追うのだった。
◆ ◆ ◆
それは、カナンがアギの元に弟子入りした3日後だった。
「【孤島のキノコ集め】ですか?」
ロックラックの宿屋通りの片隅。露店の酒場【さくら亭】で朝食をとっていたカナンに、後から合流したアギが言う。
「うむ。ハンター登録も無事済んだからな。本格的な修行に入る前に、おまえの実力を把握しておきたいと思うのだ…おっ、来たな(⌒¬⌒*)コレハウマソウダ」
酒場の看板娘、パティの運んできた朝食―アプトノスの肉を薄く切ってタレを付けて焼いたものを葉野菜と数種の香辛料とともにパンに挟んだ【ロックラックサンド】をガツガツと頬張るアギにカナンは目を丸くしていた。
(す、すごい食欲…)
パティが運んできたロックラックサンド3つ…1つが両の掌を開いて横に並べた程の大きさのそれを、アギは瞬く間に平らげてしまった。
「モグモグ…ゴクッ…( ̄▽ ̄)=3ウメーナ コレッ…ん? どうした、カナンよ?」
「あっ、いえ…朝からよくそんなにお腹に入るな~って…(;^_^A アセアセ」
「そうか?」
カナンの言葉にさも意外そうな顔をしながら、アギはさらにロックラックサンドを3つ、追加注文した。
「ハンターたるもの、飯はしっかり食べておかんと体がもたんぞ?」
狩りに出ていないときは毎朝この店で朝食をとるというアギ。おそらくどれくらい食べるのか、店の人も心得ているのだろう。
アギが注文してすぐに、パティは3個のロックラックサンドが載った大皿を彼の前に置いていった。すぐにその1つを手に取りかぶりつくと、ムシャムシャと咀嚼する。
そして、4個目のロックラックサンドを飲み込むと、その食べっぷりに唖然としたままのカナンに言った。
「…いいか、カナンよ。私の部族に【アンギル戦法】という古来から代々伝わる狩猟法がある。その5つ目にも【腹具合は常にまんぷくを維持すること】というのがあってだな…(;°皿°)クワッ」
「はっ…はぁ…σ(^_^;)ソ、ソウデスカ」
アギの熱のこもった説明に、カナンは圧倒されっぱなしだ。
そのカナンはと言えば、乾燥させた海草を水で戻したものを刻んでドレッシングをかけたサラダとギンシャリ草の粥を食べている。
「なんだ? それしか食わんのか?」
「は、はい…私、朝は食欲がなくて…(^_^;)アンマリオナカヘラナインデス」
「ふむ…」
カナンの答えに、アギは視線をカナンと彼女の前に並ぶの彼女の朝食との間を行ったり来たりさせていた。
「たくさん食べんと大きくならんぞ、カナンよ。そうそう、アンギル戦法の17番目にこういうものがあってだな…」
「あ、あのっ、アギさん! 【キノコ集め】についてなんですけど~」
アギの言葉に旗色の悪さを感じたのだろう。カナンはアギの言葉を遮るようにして、先ほど彼の口から出た依頼の名前を言った。
「ぬ?…おお、そうだったそうだった。このロックラックより船で数日行ったところに、名も無き小さな島がある。我々は【孤島】と呼んでいるが…」
「はい。知っています」
アギの言葉にカナンは頷く。
知らないわけが無かった。カナンはその孤島にある【モガの村】から来たのだから。
彼女が住んでいたモガの村は、その孤島の片隅にあり、その周辺を【モガの森】と呼んで管理していた。カナンも村付きのハンターである父親や村の若者たちに混じって森で果物を採ったり、魚を採ったりしたものだ。
まだ先のことだが、彼女の父親がハンターを引退することになれば、今度はカナンが村付きのハンターとして村を、そしてモガの森を守っていくことになるだろう。
「そうか、カナンはあの辺りの出身だったな」
アギはなるほどと頷いた。
「おまえも知っていると思うが、モガの村にもギルドの支部があるだろう?…まあ、実際はアイシャという娘が独力でロックラックのハンターズギルドと交渉を重ねて、支部扱いとして相互協力関係を築いたようなのだがな。彼女の尽力により、ここのギルドに所属するハンターも【モガの森】一帯を狩り場【孤島】として利用することができるようになったわけだ」
そこまで言って、アギは5個目のロックラックサンドに手を掛けた。
「今回、おまえの力試しとして受けようと思っているのは、その島で採れる【特産キノコ】。それを14本、採ってくる【クエスト】だ」
「あの~アギさん…」
カナンが手を挙げた。
「ん? どうした、カナンよ?」
「私、村にいた時にキノコ集めはけっこうしていて…できれば、他の依頼で実力を見てもらいたいんですけど~(^▽^;)キノコアツメナンカヨユーッス」
まだロックラックに来る前。父親から、その愛用のハンマー【グレンナックル】を受け継いでからしばらくの間、カナンはモガの森で幾つかの依頼をこなしてきていた。
そのほとんどは、『アオキノコを採ってきて欲しい』とか『夕食のおかずにする生肉を採ってきて欲しい』といった村人からの頼みだったのだが。それも、【ジャギィ】などの肉食モンスターが生息する島の中央部への立ち入りは父親から固く禁じられ、彼女が活動できるのは村からモガの森へ入る入り口の付近のみと制限されていたのだが、それはアギには秘密である。
「ふむ…( ̄_ ̄ )ウーンッ」
カナンの発言に、アギはロックラックサンドを食べる手を止め、それを皿に戻すと腕を組んでしばし考え込む。
「カナンよ。では訊くが、おまえはどういったクエストで自分の力を私に見せたいと思うのだ?」
「えっ? えーっと、そうですね…」
アギに問いかけられ、カナンもちょっと考え込む。だが、すぐに、
「ジャギィとか、ルドルフ…とか? 肉食の…人や家畜を襲って迷惑を掛けるようなモンスターを狩って見せたいです!」
…と、元気いっぱい、という感じに言った。
「【ルドロス】、だな」
モンスターの名前を言い間違えたカナンをアギが訂正する。
「…あっ! そうでした。すみませんσ(^_^;)シッパイシッパイ」
アギの指摘にカナンは照れくさそうに頬を掻いた。それをちょっと苦笑いしながら見るアギ。やがて、再び彼は腕組みをして考え込んだ。
「ふむ…」
「…p(^-^)qワクワク」
ちょっと期待にこめた表情で自分を見つめるカナン。その彼女の様子を見ながらアギは思った。
(モンスターを狩るだけがハンターではないのだがな…)
ハンターの活動範囲は多岐にわたる。
とかく、飛竜種をはじめとする大型モンスターとの命を賭けた戦いばかりが喧伝されるハンターだが、実際は…特にハンターになったばかりの新米ハンターは村人の依頼で植物を摘みにいったり、希少な鉱石を採取したり、増えすぎた小型の肉食モンスターを間引いたりと、一般人には困難な…だが、ハンターと名乗る者にとっては物足りないと思える、ともすれば地道とも言える依頼を受ける場合がほとんどだ。
そして、そういった依頼で経験を積み重ね、心身を鍛え、武器や防具を整えて…ステップを踏んで上に昇っていくのだ。
今回、アギが見極めたかったのはまさにそこ。彼女が今まで培ってきた、【ハンターとしての経験】だ
そのため、『広い狩り場から、特産キノコを探し出し、採取する』というキノコ集めのクエストは、カナンの狩りに臨む姿勢や観察力。身のこなしやスタミナなどの基礎体力を測る上でもってこいなのだが…
実際は、もうひとつ、カナンがそなえているかどうか確かめたい【資質】があるのだが、そこまで求めるのはカナンがかわいそうかな、ともアギは思っていた。
(まあ、よかろう)
若い者の上昇しようとする勢いを止めてしまうのも忍びない。そう判断したアギは、方針をちょっとだけ変えた。
「いいだろう。では、キノコ集めは止めだ」
「やった!(*^▽^*)キャーッ」
アギの言葉に、カナンの表情がぱっと輝くのがわかった。
「代わりに受ける依頼は【ケルビの角の納品】だな。それにしよう」
「ケルビ、ですか…?(・ε・)エーッ」
カナンの顔に不服そうな表情が浮かぶのを見て、アギはため息をつきそうになった。
だが、それを堪えて続ける。
「そうだ。ちょうど、武具工房から【ケルビの角】5本の納品依頼が出ていた。これを受けてみよう。出発は明日。船旅になる。それなりの準備をしておけよ」
「は~い(-з-)ブーッ」
(あーあ…せっかくロックラックに来たのに、また村に戻るのかぁ~)
アギの説明を聞きながら、カナンは口を尖らせていた。
◆ ◆ ◆
「こらっ! そうじゃないだろっ! ああっ…いったいアイツは何をやっとるんだ…」
腕組みをしたままカナンの動きを観察するアギ。その背後から声がした。
他でもない。小刻みに方向を変えて飛び回るケルビに翻弄されるカナン。彼女の父親だ。
その父親が、カナンの一挙手一投足に顔に手を当てて天を仰いだり、ため息をついたりしている。
「ああっ…我が娘ながら……」
『お恥ずかしい』…そう言って彼はアギに頭を下げた。
「いえ、そう悲観するほどのことも無いですよ」
苦笑いしながら、アギはうな垂れた父親の肩を叩いた。
「身のこなしや素早さ…身体能力はなかなか高いようです。さすが島育ち。都会出身のハンターと比べれば雲泥の差です」
「おおっ! そうですか!o(^▽^)oヨォッシッ!」
父親の顔がぱっと輝いた。
(わかりやすい人だ…σ(^_^;)ヤレヤレ)
この親にしてこの子ありか。アギは思わず苦笑いした。
「ですが、問題点もまた多そうですがね」
「お…おお…そうですかぁ。(´д`lll) ガーンッ」
今度は見ていてかわいそうになるほど落ち込む父親。その姿からは娘を思う愛情がよく見て取れる。
娘の姿に一喜一憂する彼の姿に、アギも頬が緩みそうになる。
だが、カナンはハンターを目指す者だ。
そして、ゆくゆくはこのモガの村を守る村付きのハンターとして生きていく。そういう道を自ら選んだ者。
アギは緩みそうになった気持ちを引き締めた。
「はあっ…はあっ…ヽ((◎д◎))ゝチクショーッ」
アギと父親のいるところまで、カナンの息遣いが聞こえてくる。
『息も絶え絶え』…その表現がまさに当てはまるほどに、彼女は消耗していた。
◆ ◆ ◆
「くっ…(><;)ウウッ」
どんっ
カナンの呻くような声と共に、グレンナックルの鎚頭が地面に着いた。
そして、カナンはその柄にもたれかかるようにして『ぜーぜー』と荒い息をついている。
(ち、ちくしょー…(x_x;)ウーッ)
息が続かなかった。
【アプトノス】は狩ったことがあった。父さんからこの【グレンナックル】を受け継いだその日。私は父さんとモガの森に出て、初めて【狩り】を体験した。
動きの緩慢なアプトノスに死角から近づき、面積の広い胴体にグレンナックルを振るい、渾身の力で叩きつけると、そのアプトノスはあっけなく斃れてくれた。
爆鎚竜【ウラガンキン】という、見たことも無いモンスターの素材で作られたこのグレンナックル。その破壊力は村の武具屋で売っている既製品のハンマーなどその足元にも及ばない。掠めただけでもケルビなんて打ち倒せるはずだ。
そう思って、私は必死にハンマーを振るった。でも…
(当たらない!)
そう、私の攻撃はケルビを捉えることができなかったのだ。
ハンマーを構え、距離を詰める。そして、グレンナックルを振り上げ叩きつけようとする。
だが、それを見越したように、ケルビはふっと体をかわすと、その華奢な体のどこにそれだけの力があるのだろうと思ってしまう程のバネ、瞬発力でぴょんぴょん跳ねて逃げていってしまう。
空振りしたハンマーをめり込んだ地面から引き抜き、私はまた後を追う。だが、その先ではまた同じ光景が繰り返されるばかり。
そうしているうちに、私の体力は奪われていった。
その結果がこれだ。
『簡単に倒せる』。物足りなさすら感じていた相手に翻弄され、スタミナを使い果たした。私は疲労に耐えかね、動きを止めた。
(一休み…息を整えるだけだ…(ノ_-。)クッ)
小刻みに息を吸い、なんとか呼吸を整えようとする。
正直言って、私の体には限界が近づいていた。グレンナックルを持つ手と腕、肩が痙攣を始めていた。こんなに長い時間、ハンマーを持って走り回ったのは初めてな気もする。
グレンナックルは…ハンマーはその鎚頭の重量を相手に叩きつける超重量武器だ。何度と無く繰り返した空振りに、私の体は悲鳴を上げ始めていたのだ。
『肉食モンスターを狩りたい』
そうロックラックでアギさんに嘯いていた自分を一発どついてやりたい。ほとんど反撃をしてこない草食獣のケルビだったからいいが、これが戦意旺盛なジャギィたちが相手であれば、返り討ちにあっていたかもしれない。
(私ってこんなに弱いヤツだったのかなぁ…(iДi)ダーッ)
体の衰弱は気持ちの弱さに繋がる。私の頭の中に、そんな考えがふと浮かんできた。
その時だ.
「カナン! もういいぞ!」
動きを止めた私にアギさんが声をかけてきた。
(もういい?(・Θ・;)エッ!? アギさん何を…)
私の方を見て言葉を続けるアギさん。
「力試しは終わりだ。おまえの力はわかった」
(力試しが…終わり?(=◇=;)エッ…)
呆然としてアギさんを見る。その表情はとても静かだった。怒っているわけでもない。笑っているわけでもない。無表情だった。
「…村に帰るぞ」
静かに。そう、とても静かに、アギさんは私に告げた。
「で、でも…」
(私は何もできていない!)
そう思った。私はアギさんに自分の力を見せることはできていない。そう思った。
今、振り返ってみれば、そのケルビに翻弄される不甲斐ない自分の姿が、その時点での私の【力】だったのだと思うけれども。
「…行くぞ」
アギさんが私に背を向けた。その背中の向こうで、父さんがすごくがっかりした様子でうな垂れているのが目に入った。
父さん。
村付きのハンターとして村を…そして私たちみんなをモンスターから守ってきてくれた父さん。
大きな獲物を狩って、誇らしげに村に凱旋する父さん。
あるモンスターと戦い、撃退するも大怪我をして引退を決意した父さん。
私が後を継いでハンターになると言ったとき、私を抱いて頭を撫で繰り回して喜んでくれた父さん。
ロックラックに出発する私を心配そうに見つめながら…でも、笑って送り出してくれた父さん。
私は…私はその父さんを悲しませてしまった!
「…っ!。(;°皿°)クワッ」
私の中で、なにかが弾けたような、そんな気がした。
(まだだ…)
私は杖のようにして体を預けていたグレンナックルの柄を握った。
(まだ終われない!)
ぐっと力を込めて地面からグレンナックルを引き抜いた。疲れた腕に、肩に、一気に重さが襲い掛かってくる。だが、まだだ。
私はまだ自分をあきらめることはできない。
最後に残った力と気力のすべてを振り絞って、あたしはグレンナックルを引き上げ、肩に担いだ。鎚頭の重さが肩にのし掛かり、体が悲鳴を上げたが無視する。
「待ってください!」
私は立ち去ろうとするアギさんに向かって叫んでいた。
◆ ◆ ◆
「待ってください!」
村に帰ろうと背を向けた狩り場の方からその叫びが聞こえたとき、俺は多分、
『(-_☆)ニヤリ』
…と笑っていたと思う。
振り返ると、さっきまでハンマーにもたれかかる様にしてへたばっていたヤツが、そのハンマーを肩に担いで立っていた。
仁王立ち
まさにそんな雰囲気だ。
だが、よく見れば腕や膝が(((( ;°Д°))))ガクガクブルブルと震えているのが分かった。
疲労困憊。もはやその年相応の小さな体には限界が訪れてきていたのだろう。
「…どうした?」
努めてそっけなく。俺は心の中でわくわくと踊る期待感を顔に出さないように努力しながら、カナンに訊いた。
「待ってくださいアギさん! 私は…私はまだやれます!(;°皿°)クワッ」
『コレ』だ。
必死に…限界に達した体に鞭を打って叫ぶカナンに、俺の顔はついに砕けた。俺は我慢しきれず、笑みを漏らしていた。
そうだ。俺は『コレ』が見たかったのだ。
体力は日々の鍛錬で身につく。知識は日々の学習で身につく。経験も日々の行動の積み重ねで身につくだろう。その手助けをするために俺のような教え導く者がいる。
だが、『コレ』だけは教えることができない。
心身ともに限界が訪れたとき。もうダメだと諦めそうになったとき、もう一度自分を奮い起こすことのできる気概。コレがカナンの中にあるかを確かめたかったのだ。
「…行けるんだな?」
カナンの目を見据えながら、俺はそう問い掛けた。
「はいっ!」
カナンはためらうことなく、俺の目をまっすぐ見返しながら即答した。
「わかった。ではそこのケルビ…アイツを狩ってみろ。それが出来たら今日は合格点をくれてやる」
「はいっ!」
5本の角を入手しなければならない達成条件が、ケルビ1頭の狩猟になったわけだ。
我ながら甘い。そう自嘲しながらも俺はカナンがグレンナックルを構え、俺が指し示したケルビに向かっていくのを見送った。
◆ ◆ ◆
「てりゃあぁぁぁぁっ!!(;°皿°)クワッ」
どごっ
鈍い音と共にグレンナックルが地面にめり込んだ。私の振り下ろした一撃がまた空を切ったのだ。
「くっ…なんで…」
息が切れる。グレンナックルを抜き、両手に持ち直して構えた。
アギさんに大見得を切ってから、ケルビを攻撃すること数度。それでも私の振るうハンマーはケルビを捉えてくれない。
腰溜めにハンマーを構えて気合を込め、頭上に振り上げ、一気に振り下ろす。何度か見た、父さんの直伝の一撃必殺の型だ。
(この一撃を受ければケルビなんて…)
私はそう思っていた。その一撃を当てることが出来れば、この細身の草食獣はひとたまりもないはずだ。
そう信じて、私はなおもハンマーを振るい、体力をさらに消耗していく。
そんな私に業を煮やしたのだろう。
「【アンギル戦法】その2っ!」
突然、アギさんが叫んだ。
「『一撃必殺を狙うな。百発必中を狙え』っ!(;°皿°)クワッ」
「は…はい?(゜д゜;)エーット??」
その突然の言葉に、私はハンマーを振りかぶろうした手を止めてアギさんの方を見てしまった。
「わからんか?」
アギさんが言う。
「人間とモンスターの戦いにおいては、一撃必殺のダメージの大きい攻撃を見舞うのではなく、ダメージの小さな…だがヒットしやすい攻撃を連続して繰り出していくことこそが真理、というありがたい教えだ」
アギさんはそう言って自分のハンマー、灯魚竜【チャナガブル】の素材で作った麻痺属性ハンマー【アルアロタス】を腰のラックから外して、私がしていたように腰溜めに構えた。
「いいか。人間に比べてモンスターの体力は無尽蔵といっていいレベルだ。振りが大きくて破壊力のデカい一撃はたしかに魅力的だが、そういった攻撃は総じて隙もデカい。たとえハンマーの大振りを当てたとしても、その隙にモンスターの攻撃を食らってしまっては割に合わん」
アルアタロスを構えるアギさんの体から、なにかオーラのようなものが湧き上がる。いや、湧き上がったような気がした。
「まして、ケルビのような小さくてすばしっこいモンスター相手に大振りを使うなんてのは愚の骨頂!(;°皿°)クワッ」
「ヴ…」
アギさんの容赦の無い指摘に思わず絶句してしまう。なかなか攻撃を当てることが出来ず、こんなバテバテのところを見せてはまったく反論の余地が無い。
「だから、我々ハンターは、隙が小さく当てやすい攻撃を繰り返し、モンスターの体力を徐々に…だが確実に削っていく方がよいのだ。カナン…ハンマーを頭上に持っていかずにな…」
そう言って、アギさんはアルアロタスを構えて走り始めた。走りながら、アルアロタスの柄を左手で腰の前に。鎚頭を右手で右腰の脇に固定した。
そして、助走の勢いが多少ついたところで、
「ふんっ!(;°皿°)クワッ」
ぶんっ
気合のこもった声と共に、アギさんの右手、アルアロタスの鎚頭が腰の脇から体の正面に向かって振り抜かれた。
その振りはコンパクトだが鋭いものだった。
「見たか? いいか、カナン。この振り方でやってみろ。一撃で倒そうなんて考えるな。小まめに、一発一発を確実に当てるように心掛けろ!」
「は、はいっ!」
アギさんの言葉に従い、私はグレンナックルを腰溜めに構え直した。腰を落とし、ハンマーの柄を握る手とそれを支える腕に力を込めた。
私から10歩ほど離れた所でのんきに草を食むケルビに向かって、私は駆け出した。
ぴくっ
ケルビが顔を上げて私を見た。『またおまえか』…そんな呆れた視線にすら感じられる。
「くっ!」
そんなケルビの様子に、私はちょっと気圧されながらも真っ直ぐに向かっていく。
ぴょんっ
ケルビが動く。私がその正面に立ち止まり、ハンマーを振り上げる前にと、私の右脇を駆け抜けようとしている!
「ここだっ!」
すれ違いざまに、私はハンマーを振り抜いた。
爆鎚竜【ウラガンキン】の硬い甲殻を圧縮加工して作られたグレンナックルが薙ぎ払われる。
がっ
初めて、手応えがあった。
『ぴぃぃっ!?』
ケルビの悲痛な声。放たれたグレンナックルの一撃は、すれちがう瞬間、ケルビの胴を打っていた。
側面から強い衝撃を受けたケルビは、四肢の膝を折り、その場にしゃがみこんだ。
「あ、当たったぁ…」
「気を抜くな。まだ相手は動きを止めていないぞ!」
「えっ!?」
アギさんの声にケルビの方を見る。すると、ヤツはよろよろと立ち上がり、私からなんとか距離をとろうとしていた。
「逃がさないっ!」
私は再びハンマーを腰溜めに構えると、足取りも重いままのケルビに詰め寄った。そして…
「てぃっ!」
がごんっ
さっきと同じ構えから放った一撃が、ケルビの頭部を捉えた。
一撃。ただそれだけで、
びくんっ どさっ
ケルビは一度体を伸ばして大きく身震いすると、直後に脱力したように地面に崩れ落ちた。
「えーっと(;・・)σツンツン…や、やりました?」
私は、おそるおそる、といった感じでケルビの体をつつくと、アギさんの方へ向かって叫んだ。
「…うむ」
それに答えてアギさんがひとつ頷いた。
「やったっ…」
私はぐっと拳を握り締めた。
「やった…やったぁぁぁぁぁぁっ!!」
歓喜の叫びを上げながら、私は握り拳を天に向かって突き上げた。
見れば、遠くで見守る父さんが笑顔で私を見つめていた。
(やったよ~とうさーーーん('-^*)ノシ)
私は喜びを体全身で表すように、突き上げた右手をぶんぶんと父さんとアギさんに向けて振って見せた。
するとだ…
「おいっ、カナンっっ!Σ(゚д゚;)オイオイオイオイッ」
父さんが急に、慌てたように顔色を変えた。
(…えっ? ええっ!?(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)エーッ)
私の足元で倒れていたケルビが突然、むくりと起き上がったのだ。
完全に油断していた。グレンナックルを握ることすら出来ず、棒立ちになった私を尻目に、ケルビは逃げ去っていった。
後から気づいたのだけど、ケルビは私の放った一撃を頭部に受けて脳震盪を起こして気絶していただけだったらしい。
「ア…アギさん、すみませーん…o(TωT )ダーッ」
そう謝った私に視線の向こう側で、アギさんは『やれやれ(*´Д`)=зマッタク』といった様子で、何故か楽しそうに笑っていた。
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とりあえず、今日はここまで。
けっこう書いたなぁ…
けど、狩ったモンスターといえば、ケルビ一匹(しかも逃がしたw)w
強力なモンスターとの決戦は、カナンのオーナーさん、野波コウさんに丸投げですw
がんばれ、野波さんw(ノ´▽`)ノ ⌒(プレッシャー)
なお、カナンのキャラクターについては、こちらに詳しく掲載されていますw
野波さんブログ― 鋼狩 ―
【ハンマー使い始めました①】
【ハンマー使い始めました②】
【ハンマー使い始めました③】
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ケルビ狩りを『失敗で』終えたアギたちは、その翌日、モガの村に逗留した。
カナンにとってはちょっとした里帰りになったわけだ。
カナンは実家へ泊まり、アギはというと村の村長の家の隣に併設されたゲストハウスに泊まった。
「おや、どうしたんですかな、アギ殿?」
モガの村の広場を歩いていたアギにカナンの父親が声をかけた。
「おお、親父殿。実は、カナンを探していたのですが…」
今日、夕方にハンターズギルドの手配した迎えの船が来る。アギはそれをカナンに知らせようとしたのだが…
「ああ、娘をお探しですか…はて? 家にはおりませんが…朝から出かけたようです。昨日は疲れていたようで、風呂から上がるなりすぐに布団に入ったようでしたが…」
「そうですか…」
父親の答えに、アギは周りを見回した。狭い村のはずだが、カナンの姿は見つけることができなかった。すると…
「あれっ、カナンちゃんですか?」
元気のいい声が二人の背後からした。アギと父親が振り返ると、モガの村の酒場の看板娘、アイシャが魚の入った籐籠を抱えて立っていた。
「おっ、アイシャ!」
「あら、アギさん。お久しぶり~♪ あっ! 相変わらずボーンシリーズを使ってるんですねぇ。アギさんもそこそこのハンターさんなんだから、そろそろもっといい防具に変えたらどうですか~」
アイシャの軽口にアギはにが虫を噛み潰したような顔になった。
「ほっとけ。だいたいアイシャ…おまえがカナンに持たせた手紙、私のことを探すのに『アギ(骨の人といえばわかるはず!)』と書いたらしいではないか?」
「ええ。我ながら、なかなか気の利いたアドバイスだったと自負してますけど、なにか?」
「ぬ、ぬぬ…」
明るくそう返すアイシャに、アギは渋い顔のまま口をつぐんでしまう。口での勝負では彼女には勝てそうもない。
「で、カナンちゃんを探していたんじゃないですか♪」
「む…そうだった。カナンの居場所を知っているのか、アイシャよ?」
アギがアイシャに尋ねる。
「いえ~さっぱり、まったく、ぜんぜん、わかりませんっ♪」
「おいっ(;°皿°)クワッ…」
アイシャのあっけらんかんとした答えに、アギはむっとした顔になった。
「ああ、でも、あそこじゃないかな~~って場所の心当たりはありますよ」
「ほう?」
「昨日モガの森から戻ってきたときに、ちょっとだけ彼女と話したんですけどね。けっこう『しょんぼり(´・ω・`)ショボーン』してたんですよね」
…と、アイシャはその時のカナンの表情を真似て見せた。
「落ち込んだときに決まってそこにいく…カナンちゃんにとっての癒し?…のスポットがあるんですよ♪ きっとそこに行ってるんじゃないですかね~」
「ふむ…そうか」
アイシャの説明を聞き終わったアギは、ひとつ大きく頷くと、『ありがとう』と彼女に声をかけて、自分が泊まっているゲストハウスの方へ向かって歩き始めた。
「あれっ?ヽ(*'0'*)ツ アレアレッ?…アギさん、その場所を訊かないんですか~?」
意外そうに、アイシャはアギの背中に問い掛けた。
「癒されに行ったんだろう、カナンのヤツは? では、第三者がしゃしゃり出て、顔を出すべきではあるまいよ。戻ってきたら、ゲストハウスに顔を出すように伝えてくれ。それだけでいい」
顔だけアイシャに向けて言うと、アギはゲストハウスに入っていった。
「ヒュゥ(^ε^)♪…『漢』だねぇ♪」
アイシャは口笛を吹いてアギをそう評した。
「…あれで【ドM】だったり【露出狂】じゃなければ、ちょっとは尊敬できるんですけどね~♪」
「そ、そうなのか!?Σ(゚д゚;)ナントッ!?」
アイシャの話に、父親は驚いてアギの消えたゲストハウスを不安そうに眺めたのだった。
◆ ◆ ◆
モガの村から少し離れたところにある入り江。
そこに、アイシャの言った『カナンの癒しのスポット』があった。
海岸線の岩場に突如口を開けた直径5mほどの穴。そこから覗く水面の下は、海につながっていた。
モガの村周辺の澄んだ青い海。それに地上の穴から日の光が差し込むと水中は希少鉱石の【マカライト鉱石】のような、青い輝きに満たされる。
カナンはこの景色が好きだった。
この場所に潜り、水の中から空を見上げると厭なことなんか全部忘れてしまえた。
友達と喧嘩したときも、母親が大切にしていたお皿を割ってしまったときも、両親に黙って飼っていたギギィのことがバレて、森に放されてしまったときも…
彼女はこの場所に美しい景色の中に身を置くことで、気持ちをリフレッシュさせてきたのだ。
そのカナンが、青い光の中に浮かんでいた。
両足を折り曲げ、胸の前で膝を抱えてその間に顔をうずめている。その姿勢のままで、入り江の緩い潮の流れに身を任せて揺られていた。
(あーぁっ…(´・ω・`)ショボーン)
流れに揺られながら、カナンは落ち込んでいた。その理由は、昨日の狩りで露呈した自分自身のハンターとしての力量だ。
(私って、もうちょっと『できる子』だと思ってたんだけどなぁ~)
ハンマー使いの父親から愛用のハンマー【グレンナックル】を受け継いだ時、私はそれを持ち上げることすら出来なかった。
『こんな重いものを振り上げるなんて想像も出来ない!』
お手本にと、カナンの目の前でグレンナックルを軽々と振り回す父親を、まるで化け物を見るように見た覚えがある。
その後、村長のセガレさんと一緒にモガの森を管理したり、狩猟船の手伝いをしたり。毎日の体力づくりも欠かさなかった。
ハンマーの振りも、記憶にある父親のそれを真似て、自分なりに練習してきた。父親の引率で行ったモガの森の中心部で、アプトノスも数頭狩った。
わりと、自信はあった。
だが、あっさりと。カナンの自信は打ち砕かれる結果となってしまった。
(ふ~~~っ…)
…と、カナンはため息をついた。彼女のちょっと尖らせた口から『ぷくぷく(-。-)。o0○』と泡が出て、水面に向かって上がっていった。
(でも…)
カナンが顔を上げた。
(これでよかったのかもな~)
さっきまで沈んでいた表情が、ちょっと明るくなった気もする。
(ダメなところがあるってことは、まだ良くなる余地がある…父さんもそう言っていたしね!)
厭な気持ちをこの入り江に沈め、カナンは気持ちを切り替える。それが彼女の気持ちの切り替え方だ。
へこたれ易いが立ち直りも早い。それがカナンの短所であり長所でもあった。
ばしゃっ
水の音と主に、カナンが水から上がる。
「さっ、行くか~っ!」
そう気合を入れるように声を出すと、傍らにおいていたタオルで体を拭き始めた。
◆ ◆ ◆
ギルドが手配した船で、カナンとアギはロックラックの街へ向かっていた。
狭い船倉に、二人は向かい合わせで座っている。
「元気が出たようだな、カナンよ?」
アギの問い掛けに、カナンは『にこっ』と笑うと、
「はいっ!」
…と答えた。
「いい返事だ。いいか、カナンよ。今回の狩りでいろいろと見えてきたものがあっただろう?」
「はい!」
アギの言葉に、カナンは素直に頷いた。
「まず、体力面。長時間活動するための『スタミナ』…ハンマーを扱うための『腕力』。それから技術面では状況に合わせたハンマーの使い分け。それに基本的な『型』の習得!」
「うっ…けっこうありますね…」
「なに。まだまだあるぞ~」
引きつった顔になったカナンと対照的に、アギは楽しそうだ。
「まあ、前に私がミナガルデ教えていた子よりはだいぶマシだ。あいつは武器すら握ったことが無かったからな…」
ふっと、アギが遠い目になった。
「私の前にもお弟子さんを取っていたのですか…」
「うむ、弟子というてわけではなかったのだがな。…そいつはsusuといってな。最初はすばしっこいのだけが取り柄のようなヤツだったが、ミナガルデで修行して、必死にがんばって…いまではココット村で一人前のハンターとして活動している」
「へ~っ…」
そうかつての教え子のことを話すアギはとても誇らしげだった。
すると、アギが急に表情を引き締めた。
「なりたいか?(`・ω・´)キリッ」
「えっ!?…なりたいかって何にですか??」
アギの問いにカナンが聞き返した。
「父親のような。村のみんなを守る力を持った…皆に尊敬されるハンターに。カンナよ。おまえはなりたいか?」
「もちろんです!(;°皿°)クワッ」
即答だった。カナンはなんの迷いも無く、即座にその問い掛けに答える。そのカナンの様子に、アギは満足そうに頷いた。そして、一瞬だけ。考え込むような仕草をしてみせた。
「アギさん?」
「いや、なんでもない。俺の鍛え方は厳しいぞ。しっかりついてくるのだぞ、【カンナ】よ」
「はいっ!…って、えっ!?」
元気良く返事をしたカナンが怪訝な顔をした。
「あの、アギさん…私の名前は【カナン】なんですけど?」
「ん? ああ、すまん…ちょっと間違えてしまったようだ」
カンナの指摘に、アギはからからと笑ってみせた。
「?」
名前を呼び間違えたのには実は理由があるのだが、もちろん、カナンはそんなことに気付くことなくきょとんとしていた。
そんなカナンを見ながら、アギはこれからこの新しい、ハンターを目指す若者をどう導いていこうかを考え始めていた。
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ここまで読んでいただいた方…ありがとうございますw 思いのほか、長文になってしまいました;;
なんでここまで書いたかといいますと、↓コレを書いて「書きたい欲」が溢れたからなんですがw

モンスターハンターの携帯公式サイト【モンハン部】でやっている企画に応募してみましたのw だめもとでw
イラスト描けないと無理だよねw こういう企画ってw どんなキャラが選ばれるのか、楽しみにですw
