学力の差は時間の差

 




全国統一小学生テストを実施している四谷大塚の偏差値推移を表したデータがあります。

そのデータからわかることについて書きます。

小2の偏差値と4年後の小6の偏差値

そのデータを表にしてみました。

れは、
小学2年生の11月に実施した全国統一小学生テストを受けたお子さんの偏差値を、
①70以上
②60以上70未満
③50以上60未満
④40以上50未満
⑤30以上40未満
⑥30未満
の6つのグループに分け、

そのお子さんたちが、
4年後に受けた小学6年生の11月実施の全国統一小学生テストの偏差値がどのように推移しているかを表しています。

小2で全国統一小学生テストを受けるといくことは

この全国統一小学生テストは、
全国で15万人の小学生が受けています。
小2の段階で、
このテストを受けるということは、
教育熱心なご家庭のお子さんか、
教育に関心のあるご家庭のお子さんであると考えられます。

小2の時の成績は、小6になっても変わりにくい

小2の時、偏差値70以上のグループの80%は、
小6になっても同じ70%以上の偏差値をキープしています。

他の偏差値グループも
それぞれ小2の時の偏差値グループと
同じか一つ上の偏差値グループに入っている割合が一番多い
という結果が出ています。

小2で低い偏差値グループは、小6の偏差値がばらつく

小2で低かった偏差値グループに関しては、
教育熱心な家庭であれば、
勉強方法を改善した一部のお子さんは、
成績が上がりますので、
分布は広がります。

しかし、
上位の偏差値グループに入る割合は、
全体から見ると、
ほんのわずかです。

小2で偏差値上位のグループは、落ちにくい

小2で偏差値上位のグループは、
小6になっても偏差値が下がりにくいようです。

学力の差は、時間の差!

小学2年生で、
四谷大塚の全国統一小学生テストで
上位の偏差値をとれるということは、
地道に勉強をしているといことです。

つまり、
時間を取って、
書く、
読む、
計算する、
覚える、
考える、
想像する
という勉強をバランスよくしているということです。

小学生低学年で、
偏りのない勉強をしていると、
それが勉強習慣になります。

だから、
学年が上がっても、
上位の偏差値グループをキープできるんですね。

その低学年から勉強習慣、
積み上げてきた勉強時間の差が、
大きな学力の差になるといくことですね。

 



 




孤立学習と自立学習




問題を解くためのアクション

まず、
❶自分の力に頼って、
今までの知識を使って解いてみます。

自分で解けなかったら、
❷テキストに頼って、
分からない内容を復習して解いてみます。

復習しても解けなかったら、
❸出題者に頼って、
解答解説を見て解いてみます。

答えを見てもわからなかったら、
❹先生や親に頼って、
教えてもらいます。

自立学習と思われている部分

一人で勉強することが自立学習と思われています。

上でいうと❶〜❸までが自立学習にあたります。

子どもに自立学習をさせるために

子どもが「分からない」と質問すると、

自分で考えさせるために、教えることができず、
「テキストで復習しなさい」
「答えの解説をもう一度読んで考えなさい」
「解説の動画をしっかり見なさい」
と言って、自分で勉強させます。

一人で勉強することが自立学習?

この一人で考える勉強を自立学習として、子どもに強制していると、

本当にわからないことまで、
子どもが先生に質問することができず、
結局、
その問題が理解できないまま
放置してしまうという危険性があります。

質問できることでも自立学習

自立学習の本質は、
自分から学ぶことです。

だから、
わからない問題があれば、
テキストで復習をする、
解説を読んで考えるだけでなく、
先生に質問することも自立学習です。

自立学習は一人で勉強することでありません。

生活で自立すること

もし、親が忙しくて、相手にしてもらえなかったら、
子どもを、親の注意を引こうと、自立どころではありません。

子どもが生活で自立しようと思えるのは、
親という安全基地があるからです。

たっぷり甘えることができる、
失敗しても認めくれる、
何があっても自分を守ってくれる、
という親の存在があって、
自分でやってみようと思える勇気を与えて、
生活面で少しずつ自立ができるようになっていきます。

生活面の自立と学習面の自立

また、
生活面で自立しているからといって、
学習面でもすぐに自立できるかというと、
少し次元が違うみたいです。

学習面の自立は、
生活面の自立のために、
まず親にたっぷり甘える必要があったように、
ていねいに教えてもらえて、
わからないことは気軽に質問できるという
安心できる学習空間があって、
はじめて、
自分から勉強しようという意欲が湧いてきます。

そして、
その意欲が本当の自立学習へとつながっていきます。

孤立学習ではなく、一緒に自立学習を

自立学習を、
自分一人で考えて勉強すると考えると、
孤立学習になりやすいので、
どうしても分からない問題は放ったらかしになり、
知識の幅を狭めてしまいます。

自立学習を、
自分から意欲的に学んでいく勉強と考えると、
どうしても分からない問題は先生に質問して教えてもらい、
知識の幅を拡げることができます。

まずは
安心して勉強できる学習環境の中で、
勉強しようという意欲を育てましょう。
そして、
一緒に考え、
自分で考える、
本当の自立学習ができるように導いてあげましょう。
 

 




才能が芽を出し、花を咲かせる家庭

 



現在は多様な価値観の時代で、
ひとりひとりの子どもがそれぞれの能力や才能を発揮することが期待される時代といわれています。

昔は、“人と同じことがよい”とされていましたが、
今は、“個性が尊重される時代”へと大きく変化しています。

しかし、
時代が変わり、求める人物像が変わろうとも、
人の成長や才能を伸ばすに必要なものは変わらないと思います。

今回は、才能を伸ばす家庭について書きます。

子どもの才能は見えません。
どのように開花させるかを植物に例えでお話しします。

見かけは同じような種

植物にはさまざまな種があります。
見かけは同じように見える種でも、
違う色の花が咲いたり、
花が咲く時期が異なります。

発芽する3つの条件

種が発芽するには、3つの条件があります。
❶“水”
❷“酸素(空気)”
❸“適度な温度”

芽が成長するためには

さらに、芽が成長するためには
❹“光”
が必要です。

“光”がなくても、光発芽種子以外の種は発芽しますが、
発芽した後は、
“光”がないと、もやしのようにヒョロヒョロの植物になります。

“光”が当たることで光合成が始まり、
ぐんぐん伸びていきます。

そして、
もともと種の中にあったDNAという設計図に従い、
りっぱな花を咲かせていきます。

子どもの中にある才能の種

子どもの才能(種)は皆違います。
似ているようでいて異なっています。
兄弟姉妹でも異なっています。

才能が“発芽”する3つの条件

❶食べ物(植物の“水”)

食べ物から得られる栄養が、
才能の“発芽”にエネルギーを与えます。

❷家庭内の安定した雰囲気(植物の“空気”)

家庭内が不和で、
けんかばかりしていて、
安定感や安心感のある雰囲気を感じられないなら、
家庭の安定を求めるため、
才能の“発芽”どころではなくなります。
家庭内の安定した雰囲気が、
才能の“発芽”をのびのびさせます。

❸愛情(植物の“温度”)

親からそそがれる愛情、
優しく撫ぜる、
自分だけに注がれた愛情の暖かさが、
才能の“発芽”を優しいものにします。

才能が“発芽”したら

それは子どもが夢中になっている状態、
没頭している状態にあるときに、
まさにこの“発芽”した状態です。

“芽”は勉強の分野でなくてもいい

この夢中になる“芽”は、
勉強の分野の才能とは限りません。

しかし、
その才能が成長していく過程において、
必ず勉強の分野の栄養を必要とします。

だから、
発芽した“芽”を大切に育ててあげましょう。

“発芽”したら才能には“光”が必要

発芽し双葉になり、
その後“光”の力によって“光合成を行い、
枝葉をぐんぐん伸び、
やがて、自分らしい“花”を咲かせていきます。

では、
才能を伸ばすために必要な“光”とは何でしょうか。

1つ目の光は、
"言葉"

親の"言葉"が、子どもを"才能"を伸ばします。

❶承認の言葉
すごいね! さすがだね! いいね!

❷感心の言葉
なるほど! 知らなかった!

❸感謝の言葉
うれしい! 助かった! ありがとう!

❹安心の言葉
大丈夫!

これらの言葉で、子どもは自己肯定感を味わいます。

2つ目の光は、
"知識"

才能をさらに拡げる“光”は、"知識"です。

親の話や本や勉強から学び、
知識を吸収することで、
才能がどんどん拡がっていきます。

才能の分化

言葉という“光”を浴びたその才能は、
光合成を始め、
双葉から枝が出て、
知識という"光"を吸収して、
さらに多くの葉が出てきます。

“才能の分化”が始まります。

例えば、
お魚に好奇心を持った子どもが、
その後、
生物全体に興味を持ったり、
世界中の魚への関心から地理に興味を持ったり、
魚関係の本を読みあさることから国語力に発展していったり……

そして、りっぱな“花”を咲かせていきます。

才能は目立たないが、最初にその才能に“光”を当てることが大切

才能は、“当たり前にできてしまう”から、
目立たず、気づきにくいものです。

一方で、
できないことは、目立ち、気づきやすいので、
まず、短所を是正しようとします。

"短所を是正する"ことから始めると、
その”当たり前にできている“才能が伸びることができず、
ヒョロヒョロにやせてしまい、才能の芽が摘まれてしまいかもしれません。

だから、
この発芽した“当たり前にできている”才能を伸ばすことを
一番に考えてあげないといけません。

すると、才能の枝葉がドンドンと伸びていき、
短所までもカバーするようになります。

才能が芽を出し、花を咲かせる家庭

栄養のある食事・安定した雰囲気・暖かい愛情のある家庭で、
才能が発芽し、

親の承認・感心・感謝・安心の言葉で、
才能が成長し、

親の話・本・勉強から学んだ知識から、
才能が分化する。

そして、立派な花が咲きます。