How Google Works読了。この本は自分が現在出向している企業をどのように変えていくべきか、一つの道筋を与えてくれた本だ。
この本を読み通して感じたことは、Googleという企業は、以下の①~⑤のプロセスを極めて素早く且つ効果的に回しているからこそ、ここまで世の中に浸透しているのだということだ。このプロセスは「優秀な社員を採用して自由に働いてもらう」というとてもシンプルなものだが、実際はそう簡単ではない。
①優秀なスマートクリエイティブ(確固とした専門性を持ち、それをビジネスや他の資質に組み合わせられる人物)を採用する
②スマートクリエイティブが自由に働く環境を整える
③生まれ出たプロダクトを世に出す
④改善を繰り返し、プロダクトの信頼性を高めると共に、収益に繋がる仕組みを創る
⑤ユーザー拡大と共にプロダクト収益化、Googleのブランド向上
(①に戻る)
倫理観に裏打ちされた高いレベルの創造性と生産性、猛烈に働く体力とそれを下支えする情熱と共に、そうしたハードな環境を楽しんでいる社員がたくさんいること、そしてそれら社員のフラットで活発なコミュニケーションから生まれる独創的なアイディアこそ、Googleの強さの源泉だと思うし、その結果、今まで世界のイノベーションを牽引してきているのだと思う。
もちろん、製造業など、インタンジブルな経済をメインビジネスドメインとする企業にとって、本書に記載されている環境を全て真似することは不可能だし成功さ せることは難しい。しかしながら、シンプルなミッション、上下関係無く活発な議論を呼び起こす組織構造とコミュニケーション方法、アイディアを生み出す環 境を構築し、そこに社員を没入される仕組みからは学ぶべきことも多い。
以下に、上の②の環境構築に関連した印象的な打ち手を紹介したい。これら施策は、「優秀なスマートクリエイティブが社内に十分存在すること」という大前提に立脚して始めて成立するシステムだ。しかしながら、これからの10年、 インドネシア社会でもインターネットの接続状況が改善され、市場変革のスピードはますます加速していく。こうした社会の変化を前提に考えると、ホワイトカ ラーの仕事に必要とされる要素の中で、創造性の占める割合は加速度的に高まっていく。そうした状況下で必要とされる社員の働き方は、まさに本書に書かれて いるような、フラットな組織のもと、企業を構成する各人が創造性をフルに発揮して優位性あるプロダクトを生み出し、世の中を変革していく、そんな働き方な のではないだろうか。
世の中の変化をしっかり捉え、インドネシアのライフスタイルを支えるサービスを提供し続けるために、今の出向先企業の現状をしっかり踏まえた上で、できることからStep by Stepで進めていきたい。
印象的な打ち手
1.「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」という極めてシンプル且つ明確なビジョンであるため、全社員にビジョンが浸透しやすい。ワンフレーズの威力。
2.行動指針として提示している「ユーザーに焦点を絞る」ということ。ユーザーを第一に考え、プロダクトの優位性を維持し続けていれば、結果は後からついてくるという思考様式。
3.毎週金曜日の社長と社員の定例Q&Aセッションによって組織構造に囚われない自由な議論が実施されている。
4.組織の階層を複雑にしない。マネージャーには少なくとも7名以上の部下を付け、部下が裁量を持って仕事が出来るようにする。
5.取締役会で使用される資料は、原則全社員に公開される。社長と部下の間で発生する情報の非対称性は限りなくゼロに近い。
6.遊びを誘発するオフィス環境で、チーム外コミュニケーションを活発化。
7.業務の20%はプロジェクト外の興味ある分野をやる。一定期間まとめて取得することも可。結果個人ベースで多様なアイディアが生まれている。
ひょんなことで2004年に発刊されたハーバードビジネスレビューに掲載されていた大前研一氏の論文、「先見力」を読んだ。
この論文を自分なりに2014年の現状と照らし合わせて解釈すると以下のようになる。
過去に登場した戦略論の多く(ポーターやプラハラッドなど)は20世紀後半の安定的成長が見込めた工業化社会、つまり製造を中心とした経済に登場した理論。
しかし、20世紀末から21世紀初頭の10数年間で、こうした戦略論の前提となっている要素、顧客、市場、競合を固定的に定義することが出来なくなった。フラット化する世界の中で、市場は突然新たに出現するかもしれないし、消失する可能性すら孕んでいる。また競合は大企業のみならず、インドの学生かもしれないし、ニュージーランドの主婦になるかもしれない。これらの地殻変動が、上述戦略論の前提となる顧客、市場、競合の定義を固定的に捉えることを困難にした。
誤った前提の上に立った戦略は徒労にしかならない。上述戦略論は成功の道筋を考える上でのヒントにはなるが、必ずしも正しい答えを導いてくれるとは、最早限らないのだ。
21世紀の経済空間は、例えるなら見えない大陸だ。ここであえて「見えない」という表現を使っている理由は3つある。一つ目は、価値の源泉のシフトチェンジだ。20世紀はタンジブルな価値が重要視される時代だった。つまり目で見て、手で触れられる価値、それを最大化するシステムとして、金融、流通、通信、メディア産業など、インタンジブルな価値が存在した。
一方、21世紀はこの構造が逆転する。つまり、インタンジブルな価値が経済を主導する時代へと変わってきているのだ。Facebookはザッカーバーグを始めとした数人の学生が始め、いまや上々して1兆2700億円の資金を獲得している。
Googleの主要収益源は広告収入だ。そこにはタンジブル経済の主たるメーカーも多く広告を出典している。インタンジブル経済がタンジブル経済を牽引する典型例だ。
二つ目の理由は、21世紀に入り、インタンジブルな価値そのものが加速度的に複雑化、高度化していることだ。今年2月に起こった、日本最大級のビットコイン取引所であるマウントゴックスがハッカーの攻撃により自社のコインを全て流出し破産した事件は記憶に新しい。加速度的に普及するビットコインというインタンジブルな価値の源泉をマネージ仕切れなかったことが、問題の本質と考えられる。
そして、三つ目の理由は、上述の変化は、未だかつて発生していない、非常識な変化であり、そんな非常識な時代を今までの常識眼鏡で視ようとしても、決して視ることが出来ないからだ。
この見えない大陸は、4次元の経済要素から形成されている。モノ、サイバー、ボーダーレス、そしてマルチプル(乗数)だ。見えない大陸をこの4次元の経済要素から自在に切り出し、事業化する、極めて非組織依存的、パーソンスペシフィック且つタイミングスペシフィックな先見力が今の時代を生き抜く要素として求められている。
見えない大陸で事業を成功させるには、上述4次元の経済要素から事業領域をどう切り出すかが全てだ。
これは個人の頭の中で創造力を働かせながらやっていくしかない。当然失敗することもあるだろう。
しかし、見えない大陸で実用に堪えうるサバイバル能力を身に着けるには、多くの失敗を自ら経験し、自分自身が傷つくことでしか学べない。であるからこそ、答えのないものを面白がるメンタリティや、割り切れないものにチャレンジする気概、変化と失敗を愉しむ資質が、今にも増して重要になる。
失敗することより、失敗を経験しない未熟さの方が、見えない大陸をサバイバルする上で極めて致命的な生存能力の喪失につながる。
ではこの見えない大陸を生き抜く先見力を身につけるにはどうすればよいのだろうか。カギは、20世紀をアンラーニングすること、すなわち、今までに刷り込まれた常識を一つひとつ疑ってかかる習慣を意識的に身に着けることにある。これらの常識に対して一つ一つ反論を仮説し、これを検証することが、見えない大陸を嗅ぎ分けるための基本行動となる。
これからは、雇用も報酬も「見えない大陸」を先見することでしか確保出来ない。前例主義を排し、常識を疑うクセ、変化の本質を見極める力を獲得することが、これからの時代を生きる私たちに必須の要素なのだ。
インドネシアのリテール企業で働く自分にとって、この論文は日頃ぼんやりと感じている認識をクリアにする有益な論文だった。
インドネシア人は、与えられた業務をこなすことに長けている人が多い。
繰り返し作業に強く、忍耐強く、考え方もポジティブな人が多い。
一方、創造力を発揮して新しい仕組みを創ることを苦手としている人が多いとも感じる。
いわゆるトラブルシュータータイプの人材が非常に多いのだ。
(ただ、この点は決してインドネシア人のみではなく、日本人にも共通して言えることかもしれない)
日本人出向者に求められている価値は、まさにここにあるのではないだろうか。
つまり、上述先見性を発揮し、新たな事業の仕組みを編み出し、軌道に乗せること。
極めてハードルが高く、失敗する可能性も高い。しかしながら、失敗を恐れず、答えのないことを愉しみながら、トライ&エラーを繰り返し、新たな価値を創造していきたいと思う。
この論文を自分なりに2014年の現状と照らし合わせて解釈すると以下のようになる。
過去に登場した戦略論の多く(ポーターやプラハラッドなど)は20世紀後半の安定的成長が見込めた工業化社会、つまり製造を中心とした経済に登場した理論。
しかし、20世紀末から21世紀初頭の10数年間で、こうした戦略論の前提となっている要素、顧客、市場、競合を固定的に定義することが出来なくなった。フラット化する世界の中で、市場は突然新たに出現するかもしれないし、消失する可能性すら孕んでいる。また競合は大企業のみならず、インドの学生かもしれないし、ニュージーランドの主婦になるかもしれない。これらの地殻変動が、上述戦略論の前提となる顧客、市場、競合の定義を固定的に捉えることを困難にした。
誤った前提の上に立った戦略は徒労にしかならない。上述戦略論は成功の道筋を考える上でのヒントにはなるが、必ずしも正しい答えを導いてくれるとは、最早限らないのだ。
21世紀の経済空間は、例えるなら見えない大陸だ。ここであえて「見えない」という表現を使っている理由は3つある。一つ目は、価値の源泉のシフトチェンジだ。20世紀はタンジブルな価値が重要視される時代だった。つまり目で見て、手で触れられる価値、それを最大化するシステムとして、金融、流通、通信、メディア産業など、インタンジブルな価値が存在した。
一方、21世紀はこの構造が逆転する。つまり、インタンジブルな価値が経済を主導する時代へと変わってきているのだ。Facebookはザッカーバーグを始めとした数人の学生が始め、いまや上々して1兆2700億円の資金を獲得している。
Googleの主要収益源は広告収入だ。そこにはタンジブル経済の主たるメーカーも多く広告を出典している。インタンジブル経済がタンジブル経済を牽引する典型例だ。
二つ目の理由は、21世紀に入り、インタンジブルな価値そのものが加速度的に複雑化、高度化していることだ。今年2月に起こった、日本最大級のビットコイン取引所であるマウントゴックスがハッカーの攻撃により自社のコインを全て流出し破産した事件は記憶に新しい。加速度的に普及するビットコインというインタンジブルな価値の源泉をマネージ仕切れなかったことが、問題の本質と考えられる。
そして、三つ目の理由は、上述の変化は、未だかつて発生していない、非常識な変化であり、そんな非常識な時代を今までの常識眼鏡で視ようとしても、決して視ることが出来ないからだ。
この見えない大陸は、4次元の経済要素から形成されている。モノ、サイバー、ボーダーレス、そしてマルチプル(乗数)だ。見えない大陸をこの4次元の経済要素から自在に切り出し、事業化する、極めて非組織依存的、パーソンスペシフィック且つタイミングスペシフィックな先見力が今の時代を生き抜く要素として求められている。
見えない大陸で事業を成功させるには、上述4次元の経済要素から事業領域をどう切り出すかが全てだ。
これは個人の頭の中で創造力を働かせながらやっていくしかない。当然失敗することもあるだろう。
しかし、見えない大陸で実用に堪えうるサバイバル能力を身に着けるには、多くの失敗を自ら経験し、自分自身が傷つくことでしか学べない。であるからこそ、答えのないものを面白がるメンタリティや、割り切れないものにチャレンジする気概、変化と失敗を愉しむ資質が、今にも増して重要になる。
失敗することより、失敗を経験しない未熟さの方が、見えない大陸をサバイバルする上で極めて致命的な生存能力の喪失につながる。
ではこの見えない大陸を生き抜く先見力を身につけるにはどうすればよいのだろうか。カギは、20世紀をアンラーニングすること、すなわち、今までに刷り込まれた常識を一つひとつ疑ってかかる習慣を意識的に身に着けることにある。これらの常識に対して一つ一つ反論を仮説し、これを検証することが、見えない大陸を嗅ぎ分けるための基本行動となる。
これからは、雇用も報酬も「見えない大陸」を先見することでしか確保出来ない。前例主義を排し、常識を疑うクセ、変化の本質を見極める力を獲得することが、これからの時代を生きる私たちに必須の要素なのだ。
インドネシアのリテール企業で働く自分にとって、この論文は日頃ぼんやりと感じている認識をクリアにする有益な論文だった。
インドネシア人は、与えられた業務をこなすことに長けている人が多い。
繰り返し作業に強く、忍耐強く、考え方もポジティブな人が多い。
一方、創造力を発揮して新しい仕組みを創ることを苦手としている人が多いとも感じる。
いわゆるトラブルシュータータイプの人材が非常に多いのだ。
(ただ、この点は決してインドネシア人のみではなく、日本人にも共通して言えることかもしれない)
日本人出向者に求められている価値は、まさにここにあるのではないだろうか。
つまり、上述先見性を発揮し、新たな事業の仕組みを編み出し、軌道に乗せること。
極めてハードルが高く、失敗する可能性も高い。しかしながら、失敗を恐れず、答えのないことを愉しみながら、トライ&エラーを繰り返し、新たな価値を創造していきたいと思う。
