やはり、港区方面へ向かっている。
それにしても…と、熊野は思った。
安城アンナのような、若く、学歴もあって、冷静に物事を判断できる女性が、新宿で起きた幾つもの事件の首謀者として13階段をのぼる。熊野参造が担当する最後の事件としては、いささか物悲しかった。
神宮寺三郎が逮捕されてしまった以上、安城アンナをかばう者はもういない。
熊野も、裁判所から逮捕状が出しだいアンナの身柄を拘束するつもりでいる。
おそらく、今日中に決着がつくだろう。
ただ…、この作品の読者には誤解のないように言っておきたいことがあった。
安城アンナは、常に何かの権利の為に罪を犯してきたということである。
それは、AV女優たちの為や、ストーカーに仕立て上げられ、社会から葬り去られようとしていたファンの為であったり、国民的アイドルグループの、あるメンバーの為だったりもした。
また、下剋上にあい、自分自身の権利の為にも戦った。
熊野は、川北刑事を見ると、
「第3の被害者、
明日花キララはなぜ殺されたんじゃったかな?」
と、きいた。
川北は、㈱コナミの、
小島秀夫監督のように目を細めると、
「2013年1月12日深夜の合コンの件でしょう。