神の共犯者@自宅
僕の中に存在する細く千切れそうな記憶の糸を辿ると、それは一本の電話に繋がる。
酷く曖昧だし、正しいかどうかは解らない。それはもう、神様にしか解らないと思う。
けれど、あの日、あの時間、確かに彼からの着信があったことだけは確かだった。
彼の名前は(き)。
そう、
――――悪夢は始まったのだ。
彼はいった。
「あ、明日さ、俺んちで昼飯食わない?」
彼の弱く震える声に、僕は無防備な子羊のような儚さを憶えた。
「いいけど何作んの?」
僕は訊ねた。
「、、、か、、かるぼ、、なーら」
彼の戸惑いながらも逡巡する声に、僕は思春期の乙女の初々しさを感じた。
「別にいいけどさ、どうせその後俺んち来るっしょ?」
「う、、うん」
「じゃあうちで作ればいいじゃん?」
この答えが後の悪夢を生むなんて誰が想像しただろうか。
彼の一言一言は、この答えを導く為の餌。
――無防備な子羊は『僕』だったのだ。
「あ、、ああ、そうだね、じゃあお前んちにすっか」
「うん、そうしよう」
聴覚的問題による計画的共犯。
僕は騙されたのだ、彼の演技……
いや――その心に。
次の日
なんということでしょう。
目の前には500gの厚切りベーコンに5個の鶏卵。
また700g近い乾麺に、生クリームが召還された。
鬼畜!!あまりに、鬼畜っ!!!
僕はようやく気づいたのだ。
こいつは悪魔を召還しようとしている、と。
かつて神が自身の内容する7つの大罪を天使に分け与えたように、彼はその心の欲望を食材に与えようとしていた。
これは神に対する冒涜。
許してはいけない、暴挙!!!!
悪辣非道!!!非情!!!!
鬼!!!――――悪魔!!!!
僕は、止めなくてはいけない。
「この乾麺をすべていれるんですか?」
僕は泣いていたかもしれない。いや、少なくとも心では泣いていた。
「当たり前田のクラッカー」
彼は笑っていた。まるで、魔女が煮えたぎる鍋にカエルをつっこむような笑顔で。
僕は泣いていた。この暴挙を止めることのできない、自分の弱さに、だ。
――乾麺はすべて鍋に放り込まれた。
僕は彼らを救うことができなかった。
それが、どうしようもなく悔しかった。
彼らはドザエモンのようにみるみる身体を膨らませ、
たった7分で1.8kgのバケモノになってしまった。
ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……
こんな彼らを倒すことなんてできない。
元々700gだった彼らの身体はこの短時間で2.5倍になるなんて……
ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……
丸太さえ、丸太さえあればなんとかなる。僕はそう思った。
しかし、ここは閑静な住宅街。
悪魔はいても、丸太はなかった。
僕らはyっくりとそれをドンブリによそった。
普段使うことのない、大きなドンブリにだ。
それも2つ。
しかし、彼らは納まらなかった。
さすがの悪魔もその様子に驚いていた。
これは彼にとって予想外だったらしい。
しかし、僕からしてみれば予想外どころかキ●ガイだった。
それから、僕の記憶の糸はぷっつりと途切れる。
ありのまま起こったことを伝えられないもどかしさに、僕は今、恥じている。
自分にこんな苛立ちを覚えるのは久しぶりだった。
頭の中には(き)の
「無理はするな。俺が決着(ケリ)をつける!!」
という言葉だけが残っていた。
彼はわかっていたのかもしれない。
この戦いの結末を。
しかし、そうなるとわかって彼は悪魔に魂を売ったのだ。
その欲望を、神への冒涜を、成し遂げたのだ。
気づくと、目の前には2つの完食されたドンブリがあった。
横を向く。
彼は笑顔で天井を見つめていた。
その口から悪魔の魂が浄化されるのが見えた。
彼は僕の方を見て、笑った。
「腹ぁ、いっぱいだ……」
その満足そうな顔を見て、僕は涙を流した。
彼はただ、とり憑かれていただけだったのだ。
自身の欲望と麻薬のような快楽物質に。
「ありがとう」
彼は手を差し出した。
僕は涙を拭った。
そして、応えるように手を伸ばし、彼の頬を拳で殴った。
「このクソ外道が!!」
そう吐き捨てて、その場を去った。
――悪夢は終わったのだ。
(じ)
神への冒涜@(じ)宅
赤信号
みんなで渡れば怖くない
そう
怖くない、、、怖くないんだ、、、、、
あの日から募る後ろめたさ
この背徳感、、、、、
どうすれば拭えるものか、、、、
そう考えると、一つの案が浮かんだ
そうだ、、、共犯者を増やせばいいんだ、、、、
ふふ、、、、ふへへへ、、、、、、、
プル、、、プルルルルル、、、、
「はいもしもし?」
少し鼻声の(じ)に繋がった
いつもの(じ)の声のはずなのに
その時は、無防備な子羊の様に思えたのは不思議だ、、、
(き)「あ、明日さ、俺んちで昼飯食わない?」
(じ)「いいけど何作んの?」
(き)「、、、か、、かるぼ、、なーら」
(じ)「別にいいけどさ、どうせその後俺んち来るっしょ?」
(き)「う、、うん」
(じ)「じゃあうちで作ればいいじゃん?」
(き)「!!?(これは犯行の場所を彼の家に移す好機!?)」
(き)「あ、、ああ、そうだね、じゃあお前んちにすっか」
(じ)「うん、そうしよう」
次の日
檻の中(ドンキ)から引き摺られた生贄達(パスタ+生クリ+ベーコンetc)を
解体場(キッチン)にて解体され
断末魔を上げる生贄達は
地獄釜で茹でられ
灼熱の鉄板に押し付けられ
その原型を失い果てた
その儀式の果てに
ついに悪魔が降臨した!!

推定1.8kg超のデビル!!
召喚したのはいいものの、、、、、

逆に身に破滅の予感が、、、

ごちそうさまでした
しかしまだ、、、
この背徳行為は続く、、、、、
(き)
神への冒涜@自宅
人は傲慢なのです
憧れを抱き
愛を誓い
そして育む
しかし愛は
時として
毒とも成りえるのです
そう、食べたくて食べたくて仕方ない、、、
しかしその日は
日曜日!
会いたいのに会えない
その甘美な焦燥は
時として
神への冒涜へと姿を変えた、、、

ベーコンを生贄とし

500gのコムギを茹で

暗黒の上澄みを用い

生命の元素を、その同胞もろとも

白濁の大海へと沈ませ

跡形も無く崩れた後

そのすべてを混沌の内へといざない

暗黒神さま「わしを頂へとふりかけるのじゃあ!」

かくして僕らは
神を冒涜してしまった
そしてこの冒涜は(き)のみならず
(じ)をも巻き込んでいくのであった、、、、
(き)
大八車@桜新町
うきうきして弾む足
うきうきして弾む心
あの子からの嬉しい連絡
ドタキャンの忌まわしい記憶を
塗り替えるべくの


再上陸!!
からの
ドキドキ
ドキドキ


━━━(゚∀゚)━━━!!!
もうあなたに会えただけで胸がいっぱいです!!
と思いつつも
腹はいっぱいではないので
胸と腹のダブルコンプリートを目指すべく
大盛りをご注文 (普通180g 中盛り270g 大盛り360g)
待ってる間もデートのうちっつたって
食を待つ時間っつーなぁどうにも、、、、

暇っつーか
思考マヒっつーか

一通り店内物色してたら
東京にぼし麺大盛り+全部のせ! (850円+350円)

あいよ!
(゚∀゚)!!
このにほい!たまらん!


これが煮干系だ!
と
明らかに無行列では食せないクラスの予感
事前に、「あそこ行くならシンプルなやつにしときなよぉ!」
との特命を信じてよかった!!
こりゃシンプルなの食わんかったら野暮だわ
味玉は普通だけど
チャーシューは旨し!厚さにばらつきあったけど、、、
ってか麺多いかも、次来ても大盛り頼むけどね!


全ツユ!!
こりゃ並ばんうちにもっと食っとくかな、、、
ってか同じく煮干系のこの店にも行ってみたいガ、、、八王子か、、、、
大八車
住所 東京都世田谷区駒沢3-18-2
電話 03-3410-9141
駅 東急田園都市線 桜新町駅
定休日 月
営業時間 11:00(11:30?)-15:00
18:00-23:00(スープ切れ迄)?
密かにキッチンでは、、、煮干の水出しにチャレンジ中、、、
(き)








