すべからく傑作
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Velvet Crush : 「Teenage Symphonies to God」

このレコードを購入したのは私が高校生のころだった。

 当時、ニルヴァーナやサウンドガーデン・マッドハニーなどいわゆるオルタネイティヴといわれる言語が大々的に躍動していた時期であったと記憶している。そんな背景もあってかボーダーにジーンズといういでたちの少年がカセットデッキで音を聴いているイラストがジャケになっている。
 
 POPだなと思った。いたってシンプルな演奏に乗っかるメロディラインはしごく胸をうつ甘いものであった。
 カントリーも下敷きになっているであろうことを含め、④Time Wraps Around Youではほこほこしたバラードで、⑤Atmosphereではキラキラ弾け飛んでいる。そして、最終曲⑫Keep on Lingerin’を終えるとまた再生ボタンを押したくなる。完璧なPOPアルバムである。

 今でこそパワーポップとよばれているのかもしれないが、当時、激しい音ばかりを追いかけていた私にとって、一つの変換期を与えてくれたアルバムかもしれない。

Hound Dog Taylor : 「Release the Hound」

試聴の冒頭、MCのバンド紹介の後に繰り出されるスライドギターに鳥肌がたった。

 長い間、こんなしょっぱなからネリチャギを食らったかのような印象を持ったレコードに出会っていなかった為、即買いしたことを記憶している。
 
 演奏がタイトかつ、この極限まで歪んだスライドギターにおっさんうるさすぎと誰もが思ったであろうと同時に、気持ちよくなってしまったのは想像しやすい。
 このグルーブ地獄を突き抜けた末のこれまたトレモロで極限まで揺れながら嗚咽するかのような⑩Sitting at home Aloneで私が泣きかけたことは否定しようもない。また、曲名だけとってしても⑫Things Don’t Work out Rightとのたまう。なんて素晴らしい曲名だ。

 70年代に録られていたこの音からしてこのおっさん自身はブルースであるがパンクそのものでもあることはいうまでもない。