少なくても多すぎても厄介な皮脂。自分史上最高の美肌を手に入れるには、まず、自分の肌タイプをチェック。皮脂が少ないモモ肌? それとも皮脂が多いミカン肌?

夏の時期はベタベタして敬遠しがちな「皮脂」。だが、皮脂は「体の外部からの刺激を緩和し、内部からの水分蒸散を防ぐための最外層のバリアであり、いわば“天然のクリーム”」と説明するのは、皮脂を研究する東京薬科大学の佐藤隆教授。クレアル

 肌のバリア機能を果たす脂質といえば、角質細胞の間を埋める細胞間脂質の「セラミド」が思い浮かぶ。セラミドがあれば皮脂はいらないと思うかもしれないが、役割が異なる。

 皮脂の特徴は、環境に反応して変化するバリア機能を持つこと。「皮脂の分泌量は気温、紫外線、男性ホルモンの3つの刺激によって増減する。気温や紫外線といった外部刺激に応じて皮脂の分泌量が素早く変わるため、日内変動も大きい」と佐藤教授は解説する。「気温が上昇すると、発汗などで水分蒸散量が増える。夏はそれを抑えるために、皮脂の分泌が多くなるようだ」(佐藤教授)。また、紫外線により皮脂が増えるのは、紫外線によって生じる活性酸素を化学的に吸収して、皮膚へのダメージを防ぐためと考えられるという。

 ただし、皮脂は出ればいいものでもない。「役目を果たして酸化された皮脂は炎症などのもとになり、毛穴目立ちも招く」(佐藤教授)。古い皮脂は適度に洗い流し、常に新鮮な皮脂を保つことが、どんな肌タイプにとっても美肌の基本と考えよう。

皮脂の二面性を理解しよう
1:「肌の最外層バリア」 
少ないと刺激を受けやすくなるので、取りすぎない

 皮膚バリアを構成するのは、「角質細胞」「細胞間脂質(主にセラミド)」「皮脂」の三つ。皮脂は薄い皮脂膜を作り、一番外側を守る。適量の皮脂があることで皮膚の状態が保たれる。額からあごにかけてのTゾーンは皮脂腺が多いので皮脂が多め。全体的に皮脂が少ないのが「乾燥肌」。水分蒸散量が多く、外部刺激の影響を受けやすい。

2:「皮膚常在菌のエサ」 
炎症やニキビのもと、毛穴目立ちを招くので、余分な皮脂を取る

 皮脂をエサにするのが、皮膚表面にいる「皮膚常在菌」。皮脂を分解し、水分を保つグリセリンや、炎症を引き起こす遊離脂肪酸などを生み出す。過剰な皮脂が毛穴に詰まってアクネ菌が増えればニキビに。皮脂が酸化した過酸化脂質も炎症のもとになる。

◆汗とは違う! 皮脂は細胞が育つことで生まれる

 皮脂は、皮脂腺の辺縁部に位置する脂腺細胞が、脂肪を脂肪滴として蓄積して大きくなりながら皮脂腺内を移動し、最後に細胞が壊れて脂肪を放出することでできる。なお、汗は血液をろ過して作られるもので、皮脂とは別物。皮脂は単なる排せつ物と考えないで!この人に聞きました佐藤 隆教授 東京薬科大学 薬学部生化学教室 皮膚の生体防御機構をテーマに皮脂産生調節薬などの開発研究に取り組む。「加齢によって皮脂の分泌量が減るのは、ホルモンによる刺激が減ることが主な原因」。