フクロウの餌_その5
これまで4回にわたってフクロウの餌を解説してきたが、今回はもう少し具体的に書いてみようと思う。 下の写真は我が家の冷凍庫に眠っている物であるが、この他にヒョウモントカゲモドキ用にピンクマウスも在庫している。
A.マウス S(ホッパー)9g 離乳の頃の幼マウスで、ケージの中でピョンピョンと元気に跳び回るのでホッパーと呼んでいる。 この頃よりも若い“ピンク”や“ファジー”よりも活発に動き回る分だけ脂肪分が減り、タンパク質やカルシウムが増している。 アフリカオオコノハズク位までの小型種に使いやすいサイズだろう。
B.マウス L(アダルト)18g 人間で言えば18歳から30歳ぐらいまでの元気で力が有る働き盛りといったところか。 タンパク質、脂肪、カルシウムなど栄養素が一番バランス良い時期だと思われる。 あらゆる種類(昆虫、魚、ヒヨコ、ウズラなど)の中で最もフクロウの餌に適していると思われる。
C.マウス LL(リタイヤ)32g メスだと何度も出産して、そろそろ寿命が近い時期のマウス。 人間と同じく代謝が悪くなる分、皮下脂肪が多く体重も増える。 内臓を取るために開腹すると、これから産まれて来るはずだった子マウスが入ってる事があるが、そのようなメスはたいていオスよりも大きい。
D.ヒヨコ(ニワトリの雛)40g 扱いやすさとコスト面から最も使用されていると思われる。 ショップも飼育に手間がかかると思われたくない為か、それともマウスを触れない人にも猛禽を売りたい為か、フクロウの雛の成育も“これだけでもOK”と言っているらしい。
ヒヨコの腹部にある黄身を取り除かなければマウス並みの栄養を有するが、黄身にはコレステロールが多く、ヒヨコだけを与えていると成長期のフクロウであっても皮下脂肪が不健康に貯まる。 それに黄身は新鮮さに自信が無い場合は取り除いたほうが安全。 つまり黄身を取り除かなければならないヒヨコは栄養バランスが悪く、特に成長期ではマウスで育てたフクロウと比較して後々の健康面(体の大きさ、突然死など)で差が出る可能性が有る。
ヒヨコを使うメリットはコスト面。 同じ重量であればコストはマウスの1/3以下になるのは魅力的。
E.ウズラ(親ウズラ)160g 心臓以外の内臓を取り除くと90g前後となり、ベンガルワシミミズクぐらいからの大型種の餌として使いやすい。 しかし何故かウズラの肉を嫌がるフクロウが少なくないようだ。 栄養面では黄身を取り除いたヒヨコとマウスの中間くらいだと見られる。
この他フクロウの餌として
昆虫類 餌用ゴキブリ(我が家にはマダガスカルオオゴキブリがいますが今回は写真自粛)やコオロギ、その他ミルワームなど与えれば食べるし、個体によっては喜ぶだろうが、食事として必要な量を全て昆虫でまかなうのは現実的でない。 主食が昆虫のフクロウでもマウスで対応できる。
魚類 ウオクイフクロウやシマフクロウは魚食性であるが、飼育下で魚を餌にすると糞の臭いが問題となるので、こちらもマウスで代用したほうが良い。
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