テーマというと前回書いたように、物語を確立するためにに必要な物でした。それは少し漠然としたものでもありました。さて、次には物語を「動かしていくもの」を見ていきましょう。

 

物語を動かしていく、と書いたのは、テーマだけでは物語はできません。それを動かすものが必要だからです。今回はその動かしていくものの中で、「舞台装置」つまり土台となるものについて考えてみたいと思います。

 

舞台装置というのは、物語全体を構築するものとなるいわば「環境」です。つまり街や都市、あるいは山中や海、宇宙と言った場所がそれにあたります。どこに舞台を設定するかで物語は全て変わり、動いていきます。都会だったら人がいてものがたくさんあって、と考える人がいるでしょう。また、時間の速さが早いなんて思う人もいるでしょう。山の中などならば、静かとか、動物とか、のんびりとした時間の流れなど思う人がいるでしょう。そういったものが舞台装置です。宇宙などならばSFとかに多くあるので舞台装置としてはわかりやすいでしょう。

 

ここまで、場所としての舞台装置を挙げてみました。しかし舞台装置、物語の環境にはもう一つあります。それはいわゆる○○物と言われるものです。これはたとえば「学園物」と示したほうが早いでしょう。

 

学園物と言えば学校で生徒や先生が繰り広げる生活を書いたものであるわけですが、この学園・学校という(場所というより)「存在」が舞台装置になるというわけです。その学園を舞台に物語が動いていくわけです。

 

他にどんなものがあるか考えてみると、例えば企業物、小さい会社の内部事情から大企業の乗っ取りあいなどまで、があったり、農業物、農業を通じた話の展開、などがあるでしょう。それぞれ舞台装置としてうまく活用できれば、面白い物語として動いていくことになるでしょう。

 

ここまで、二つの観点から物語の舞台装置を見てみました。これはテーマ論と同じで、視野を広げていくことで、様々な舞台装置を作ることができ、面白い物語を作るきっかけになるでしょう。