霜を踏み
霜を凌ぎて
今はただ
春の花咲く
待つ身なりけり
人生のんびり行きましょう。
頑張りすぎずに頑張って
無理はしてでも、無茶はダメ。
うさぎではなく、カメのように
長い長い上り坂を、ゆっくりゆっくりと
一歩一歩噛みしめて、前へ前へと進みましょう。
そこに必ず見えてくるものがあるはずです。
過日、
坂本龍一氏、東京オリンピック時にはお元気な姿を拝見していた。
当に「世界の坂本」と謳われる音楽家と言える。長い闘病生活の中、被災地に足を運び、音楽のエールを送り続けたことは、余りにも有名なエピソードである。
北野たけし氏曰く、「戦場のメリークリスマス」で、大島渚監督、デビットボーイ、坂本龍一と逝き、俺ひとりになっちゃた。
本当にそうだなぁと感じた。
大変にインパクトがあった。
しかし、それ以上に今日は、衝撃を受けざるを得なかった。
「ムツゴロウ」さんが、逝く。
心臓にきてしまった。
残念でならない。
「牡丹は、潔い。武士は潔しを旨とすべし。」牡丹の花は枯れる前に、ポトンと首の所から、花が落ちる。花びらが徐々にに散っていくのではない。また、茶色く枯れた無様な姿を晒すこともない。
そのような生き方、人生を送られてきたように思った。これで、ダラダラと家族、親族に迷惑を掛けることもなく、牡丹の花のように…。
「ムツゴロウの動物王国」を読み、感銘を受けた。ムツゴロウシリーズを読み漁った。かなり、影響を受けた。
獣医、動物園の飼育員を本気で目指して挫折した。
色覚異常が災いした。今でこそ差別となるが、1番軽い赤緑色弱でも、当時は農獣医学部は門を閉した。実験で色が分からない。小学校でも、中学校でも早いうちの進路変更を勧められた。大学は受験は必ずさせてくれる。ただ、何回受けようが、何点採ろうが必ず落とされると説得された。
努力していた。元々、理系であった。
努力で赤緑色弱は、治せない。
文系に転向して今がある。
いずれにしても、人生に目標設定が大事だと教えてくれた方であった。今でも動物好きなのは、畑正憲さんのおかげである。
たぶん、シートンよりも、ファーヴルよりも、私にとっては解り易く合点のいく方、畑正憲であった。
北海道の地で、馬を駆ける少女の悲しみは、計り知れない。お孫さんも同様だろう。
お父様を誇りに想い生きてきただろう。そして、これからもお父様を誇りに想い生きていくであろうことを祈らずにいられない。
私は、畑正憲氏の著書を読んで、お嬢様が羨ましくて仕方がなかった。
北海道の「ムツゴロウの動物王国」で働かせてもらおうと真剣に考えて時期があった。
思いやり、ユーモア、動物を愛することを教えて下さった畑正憲氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
ありがとうございました。また、長い間、お疲れ様でした。安らかにお眠りください。
合掌
銀の匙
逝かれてしまった。
やや、心に衝撃が走った。
意外だった。
こんなにも影響を受けていた自分がいたなんて。
最初は「宇宙戦艦ヤマト」でだった。
本当に綺麗な女性を描ける方だと思った。
「銀河鉄道999」
「キャプテンハーロック」
「クィーンエメラルダス」
世間一般ではSF スペースウォーズものに長けた漫画家との印象深い。
けれども、
わたしはと言えば、
「イノセントワールド」「セクサロイド」「わが青春のアルカディア」など、
昆虫シリーズ、
コクピットシリーズ、
戦場マンガシリーズ、
ガンフロンティア、
などに没頭した。
独特な世界観がある。
興味関心、好奇心を駆り立てられた。
さまざまな知識を頂いた。
慎んで、、お悔やみ申し上げます。
今までありがとうございました。
これからもありがとうございます。
合掌
銀の匙
辛島美登里さんの「サイレント イヴ」が好きです。
真白な粉雪 人は立ち止まり
心が求める場所を思いだすの
いくつも愛を 重ねても 引きよせても
なぜ 大事な夜にあなたはいないの〜
本当は誰れもが やさしくなりたい
それでも 天使に人はなれないから
瞳をそらさずに 想い出はうるむけれど
移りゆく季節が ページをめくるわ〜
このせつなさを透明度の高い澄んだ歌声で、メロディーをなぞられますと、胸に熱く来るものがあります。好きな人がいます。その人は自分を友として見ている。十分に承知しているから友ままでいます。承知していないから友としてはいられない。このパラドックス、葛藤が痛いです。そのうちその想い人に愛する人ができます。それはやはり、自分ではなかったんですね。好きで好きでたまらないから、いつもいつまでも傍にいたいから自分の気持ちを偽り、自分想いを押し殺して友を装っていました。雪の降るホワイトイヴに独りでいます。もう限界なんですね。やはり友であることは無理なんです。だから離れるしかない。それが愛する人の幸せ、そして、自分がこれから得られる本当の「愛」を探しにいく決意をします。ただ、そんなに簡単に想いは切り替えられない、断ち切れない。当たり前ですよね。少し待ってね。もう少しだけ待ってね。せつなさはここからくるんです。ただの片思いの歌にはわたくしには聴こえません。silent nightとにかく今はsilent nightなんですね。今、そっとしておいてください。お願いします。人間の気持ち、心の持ち様は難しいです。そこに理屈はありません。この歌を聴く度にそんなことを思わずいられません。
三好達治の「雪」です。いいですね。
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
三好達治
三好達治さんの温かみ、優しさが沁み入ると思われませんか?わたくしは、この詩が大好きなんです。
眠らせてくれるのは、お母さんでしょうか?お父さんでしょうか?大きいお姉さんかもしれませんが、優しいですね。「寒くないかい。」「暖かくして寝ろ。」聴こえてきませんか。また、「雪」かもしれません。雪が、太郎の家の屋根、二郎の家の屋根、それ以外の子どもたちの屋根の上にも…。雪かしんしんと降り、優しく包み込み眠らせてくれます。普段の夜より集落に静寂があるからです。
また「家」があります。外はしんしんと雪が降り、積雪しています。一晩中、降り続くかもしれませんね。暖かい「家」があるんです。そして、その「家」には家族が集っています。太郎が眠り、二郎が眠り、いずれは皆、眠りに就きます。やがて静謐が訪れます。そして、雪だけがしんしんと降り積もっていきます。太郎は貴方、貴女。二郎はわたくしだったかもしれませんね。
この詩は、二行しかありませんが、余白が心に響きます。
Snow White、雪に対するそれぞれの想いはありますよね。
銀の匙