夏草や 岩にしみ入る蝉の声
ん? なんか変ですねえ。
そうです、芭蕉の有名な俳句の上下をちょんぎってつなげたものですから。
でも今日の私にはなにかしっくりくるのです。
晴れ間こそないものの、もはや夏は盛りとなったようです。
昼下がり、日射があれば避けるのですがちょっと歩いたところにある家電量販店に徒歩で行きました。メディアやインクを買うためです。
道中子供の姿が目立ちます。
そうか、普段は学校に居る時間だけれど夏休みだもんね。
木立には「みんみんぜみ」と「あぶらぜみ」の声がかまびすしい。
やっぱり夏は蝉が絶対必要です。
秋は「こおろぎ」かな。
彼らの発する音響は相当なもので、ホンとかデシベルで測ったら工事現場や幹線道路沿いなみなのでしょうが、人間と蝉はよく棲み分けされているのか、それにより眠れないとか目覚めが妨害されるということはないようです。
家電量販店で「シェーバー」を買いました。
日本語では「電気ひげそり」。
今のものは約35年使っているものでして、一度だけ刃を交換したものの老朽ものになりつつある感じです。
骨董にもならない古い物を大事にするのは、「偕老同穴」とか言われますが、いや経済成長に逆行するとかの意見がありますけれどね。
毎日几帳面にヒゲを剃る方がいる反面、自堕落な私は家に居るときはヒゲ伸ばしっぱなし。
こうなっちゃうと35年ものシェーバーは無力でして、カミソリを併用しなければ「まだら」な剃りムラが残ってしまうのです。
それに、キタナイ顔でヒゲを剃っていると顔面の皮脂角質を削っているようなもので、シェーバー内部はすぐに剃りカスが溜まって刃が回らなくなってしまうありさまなのです。
けれど私は耐久消費財についてはきわめて慎重というか緻密というか明晰判明であり、要するにグズなのですが買うまでの検討がハンパじゃないのです。それに、シェーバーって結構高いのです。
今のが35年使えたのならば新しいものの寿命は私の寿命以上となる計算です。これはもったいない。
で、この店に行く度シェーバー売場を眺めては「またね」を繰り返しもう1年くらいになっていました。
今日も同じ行動で売場を見ますと、候補と考えていた機種がお買い得品で置いてありました。
ちょっと型落ちなのかもしれない。
売切れ在庫切れを待って購入をあきらめるという手もありましたが・・・・・
帰りはバス通りを避け県立の公園の中を通っていきますとそこここに夏草が繁っています。
刈っても刈っても繁茂する夏草。
考えてみれば夏草もヒゲも似たようなものかもしれません。
「つくつくぼうし」の声が聴こえます。
例年でしたら8月半ばのはずなのにずいぶん早い。
「みんみん」や「あぶらぜみ」が席巻する中、耳をすますと確かに「つくつく」です、それも何匹も。
つくつくも 異常気象か 蝉時雨 -拙作