夢
やりたいことがないのです。
高校生のときからの、悩み。
あなたの夢は、何ですか?
こう訊かれるのが、一番辛かった。
真面目に生きているのに、なぜ?
否、真面目に生きているからなのだろうか。
「夢がない」というと、市民権が無い。
人間として認められないような心地がする。
別に誰に責められるわけではない、
自分が自分に一番シビアな気がする。
お前はその年になっても、自分の将来さえ描けないのか?
己《をれ》は詩によつて名を成さうと思ひながら、
進んで師に就いたり、求めて詩友と交つて切磋琢磨に努めたりすることをしなかつた。
かといつて、又、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかつた。
共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所爲である。
己《をのれ》の珠に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦して磨かうともせず、
又、己《おのれ》の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出來なかつた。
/中島敦 「山月記」
いつもこの部分が自分の中に浮かぶ。
いつしかこの呪縛から解かれたいものだ。
Life is like a SPIRAL
Some things seem to change
but actually always keep coming back.
One tries to let go, but cannot;
when one forgets about it,
it always comes back to haunt you
Life is like a spiral.
/“Spiral” Hiromi Uehara
