誘導制御と一言で呼ばれることが多いが「制御」はロケットの姿勢を制御することを意味し、「誘導」はロケットの飛行経路を制御することを意味する。姿勢制御は短時間で行われ、搭載計算機の中で行われる計算も非常に短いサイクルで繰り返される（H-Iの場合0.025sec毎に計算が更新されている）。これに対して誘導はゆっくり時間をかけて行うため、H-Iの場合0.8sec毎に計算が更新されているような形になっている。
姿勢制御は全フェーズを通して行われるが、誘導については特に大気圏内においては風に流された場合にそれに逆らって経路修正しようとする際に構造に負荷がかかるため行われていない。
誘導が始まったのちには飛行中に実際の飛行経路が基準の飛行経路からどれだけずれているか、さらに実際の速度が計画値からどれだけずれているかを時々刻々に算出し、そのずれに基づいてロケットの飛行経路を修正し、2段エンジンの燃焼停止時期（最終速度）を調整して人工衛星を目的の軌道に投入する。