2023/11/5紀伊國屋ホール「ガラスの動物園」「消えなさいローラ」の2本立てを観劇してきました。観に行ってよかったです。一番心配していたお尻が痛くなることについては何とかしのげました。全体を通して、色々と思うことはありました。取り急ぎ、第一次感想です。

 

上演時間 1本目、2時間半は長かったです。

 

なぜぶっ通しなのか、わけを知りたいです。体に変調を来した観劇客もいたかと思います。休憩時間のトイレも急いで並んで急いで行って急いで帰ってハイ終わり、という感じで。ろくに水分補給も休憩もできませんでした。

 

座席 クッション必須。

 

ホール入場してすぐ左手にクッション置き場があり、クッションが積み上がった棚またはラックがあります。当然の如く、お借りしました。何とかクッションがあったために今日の上演時間をしのげたのだろうと思っています。クッションをいちいち持って座席にいかなければならないホールって、もうホールとしてどうなの?という域です。

 

音響 大き過ぎでした。

 

スピーカーからの効果音?がうるさすぎました。大音量にし過ぎです。不快感のない音量を模索していただきたい。舞台上でミュージシャンが演奏していたのはとても良かったです。楽器にマイクが付いていたようで、それは謎でしたが、なぜでしょうか。あのくらいのキャパのホールであれば生で音が届きそうなものですが。

 

発声 ほぼ問題なかったです。

 

ごく一部、早口になった部分やテーブルの向こう側に座って言う場面でセリフがあれ何て言った?と聞き取れなかったのがあった以外は、ほぼ聞き取れる声量で、良かったです。マイクで拾っていたのかなという声の響きでしたが、観劇で聞こえないとまずいので、それならそれで全然良いと思いました。

 

セリフ 3日目以降に期待。

 

言い直しや引っ掛かりなどが終始あり、1回の芝居としては小さめのセリフミスが多かったです。でもだからと言って全体の演技や芝居そのものの価値を損ねるほどのものではありません。許容範囲と思います。

 

2本立て 一長一短かも。

 

確かに2本目の消えなさいローラを観れば1本目の後日談ということだそうで、1本目まで遡及してなおよく分かるということもあるだろうけど。願わくば1本目は1本目だけで完結して分かりよい芝居であった方が良いと思う。それに2本目を観たからといって1本目の不明部分がそれほどよく分かったかと言うとさほどでも…。そもそも2本目は、あまりにも1本目とテイストが違い過ぎていて、2本目自体の理解で難儀しました。

 

2本目消えなさいローラ 演技がとてもお上手でした。

 

難しい作品だと思った。ガラスの動物園とは全くテイストが違うので。ローラの激変を通して時間的経過を表す意図もあるのかもしれないが、果たして奏功し得るものかどうか。配役が直前1本目のローラとは違う役者さんで観たということもあるけど。演者も性格も雰囲気も見てくれも何もかもが違い過ぎて、ローラに起きた変化と捉えることなんて、できなかったです。

 

異常に内気なローラがジムのおかげで殻を打ち破っていたのだとしても、品もなくなっていたのに、そのことへの言及がないのですから。演劇でも行間を読むという手法はあるのでしょうか、それにしても飛躍と感じるし。

 

饒舌で芝居まで打てるようになったはずのローラに、なぜ3年間も遺体を隠す異常性が必要であったのかも、見えてこなかった。

 

そもそも、ガラスの動物園にみんな死んでしまった的な究極のオチを付けることはしない方が無限の余韻に浸れるのに、という気もしました。1本目の余韻に浸っているさ中、早々に死亡と言われては…。

 

最後の歌も謎。歌うことにより何を狙ったのか。4人出てきてのロウソクも謎。2人芝居をしている演者以外の2人が通過などしていたマイムも、どのような解釈を狙ったものなのか分からなかった。ひとまずは母とローラを想起させたかったのだろうが。母は死んだので亡霊としても良いでしょうがローラは今そこで生きていたし。かつての母とローラ?

 

1本目ガラスの動物園 良かったです。

 

ローラが知的障害か何か(差別する気はありません)のように演じれられていて、「内気」とのことであったが内気で済むような状態ではなく、気になった。作品における普遍的価値はすぐに見いだせ、ジムとの再会はよく伝わるものがありました。

 

ミュージシャンとの掛け合いは効果的であるともないとも。冒頭の登場の仕方は必要だったのかなとか、BGMの在り方としていちいちトムが指揮して面倒くさい感じがありつつ。要所要所、例えば母の長電話とか昔話とかのショートカットしたいというような描かれ方のシーンにおいては、非常に効果的な役割を果たしていたと思います。いずれにしても、とても面白い試みでした。

 

4人ともとても芝居が達者で、驚きました。

 

ダンス 気になったことが。

 

ワルツを踊る流れからタンゴに行ったのは違和感なく良かったと思う。テーブルに上がったのもまあそういうのもありかなと。でもトムとジムが踊るのは全く意味不明。笑うところなのかなという感じでした。また、右脚の悪いローラであったはずにもかかわらず全然普通に駆け出したりダンスしたりであったため、脚はどうなった…と気になった。脚の問題を最後までセットにしてダンスすれば没入感を損なわずになお良かったのではないかな。

 

砂 まあまあの登場割合でした。

 

アイテムとしての砂も、評価が分かれそう。

 

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