暗闇の中で―――


「鍵使いにクラウド――そう言ったのかバルド?」

玉座に座る男が言った。影で姿は見えない。

「はっ・・はい!そうでございます。」

バルドと言われた男はビクビクしながら返事した。

「そうか・・キーブレードの勇者・・。この星に気付いたのか・・。」

「わっ・・わが君・・・。気付くとは・・・何なのでしょうか・・?」

玉座に座る男はバルドのほうに目を向けた。深い緑色に猫のような瞳孔が刻まれている。

「お前は知る必要は無い。下がれ。」

「はっ・・はい!!すいませんでした!!」

バルドは駆け足で下がっていった。

「キーブレードの力・・。じつに興味深いものだ・・・。」

玉座に座る男の口元にわずかに笑みが浮かんだ。



「俺も皆を探しに行く!!」

町の入り口でソラが叫んだ。

「皆が危険なんだ!!俺だけゆっくりしてられるか!!」

「ちょっと待って!落ち着いて!!」

ティファがソラの腕をつかんでいる。

「あなたダークソルジャーに襲われたんでしょ!!ならあいつらの強さが分るでしょ!!」

「そんなの関係ない!!」

ソラが怒鳴った。

「皆を見捨てるぐらいなら死んだほうがましだ!!」

ティファは固唾を呑んだ。ソラの覇気圧倒されていたのだ。

「ティファには悪いけど・・俺は行く!!」

「待って!!」

ティファが呼び止めた。

ソラが振り向くとティファはソラの首にペンダントのような物をかけた。

「これもって行きなさい。きっと役に立つから!」

「ありがと!!」

ソラはあわただしく町から機械が散らばる暗黒面に駆け出した。