ソラにとってクラウドの出現は不安な心を明るくするのには十分だった。
「クラウドがいればなんとかなる」
そう感じた。
「久しぶりだな。ソラ。オリンポスコロシアム以来か。」
「うん。クラウド。おれドナルドやグーフィとはぐれちゃったんだ。一緒に探してくれないかな?」
クラウドはその言葉を聞いて立ち止まった。
「はぐれた?」
「うん。グミシップが墜落して・・。」
クラウドはソラの手をつかんだ。そして少し急ぎ足で歩き出した。
「なっ、なんだよ!」
「厄介なことになったな・・。誰かが見つけてくれていればいいが・・・。」
クラウドは走るようにソラの手を引いて機械の建物のほうに向かった。
「おかえり・・・。ん?その子は?」
完全に人がいないと思っていた星だが、一部人が住んでいるところがあった。
その町の酒場のなかがクラウドの家らしい。
酒場のなかの黒髪の女性がクラウドに言った。
「ダークソルジャーから守ってやってくれ。俺はしばらく帰らない。」
クラウドはそれだけ言うと慌しく出て行った。
「もう・・。いったい何なのよ・・。」
黒髪の女性は愚痴をこぼした。しかし、ソラの存在に気付くと、
「初めまして。ティファよ。ティファ・ロックハート。あなたの名前は?」
「ええっと・・ソラっていいます。」
「そう。初めましてソラ。とりあえず座って。お茶をいれるわ。」
ソラはとりあえずカウンター席に座った。ティファは冷蔵庫から冷えたお茶を取り出し
グラスに注いだ。
「それで?ソラは何をしたの?」
「えっ?何って?」
「クラウドがあんなに急いでる時なんて滅多にないもの。なにかあるんでしょ。」
ソラは話の一時始終を話した。
オリンポスコロシアムのこと。グミシップが不時着して仲間と離れ離れになったこと。
「なるほど。それでクラウド焦ってたのか。」
ティファは頷いた。
「あの・・・なにか危ないんですか?」
ソラはおずおずと聞いた。
ティファは少しためらったが話し始めた。
「この星にはハートレスがいないの。ううん。いるんだけどここにはこないの。なぜかというと皆一箇所に集まっているから。この星はね、ここのような平和なところときみに襲い掛かってきたダークソルジャーみたいなのがいるところの二種類に分かれているの。そしてその暗黒面の中心部にある大空洞には・・・・・」
ティファはここで少し言葉を切った。
「・・・・とにかくそこら周辺に落ちたら、まず間違いなく生きてはいないでしょうね。」
ソラは凍りついた。
ドナルドとグーフィが死んでしまう・・・。そんなこと考えた事もなかった。