ソラたちを乗せたグミシップはホロウバスティオンに向かって進行中だった。

「いよいよだな・・。」

ソラが呟いた。手に握るキーブレードにほのかに熱がこもる。

「見えてきたよ!ホロウバスティオンだ!!」

操縦していたドナルドが叫んだ。

「ソラ!しっかり掴まっててね!一気に走りぬけるよ!!」

「ソラ。今回本当に危ないからね。暴れないでね。」

グーフィーが念のために言った。

「えっ・・・ああ、分ってるよ!」

自分の名前を呼ばれてソラはハッと我に返った。

グミシップは急激に速度を上げてホロウバスティオンに突っ込んでいく。



はずだったのだが・・・。

どこでどう間違ったのか知らないが、よろけたソラが誤ってワープのボタンを押してしまった。

スピードMAXのグミシップは制御不能となり見た事もない星に不時着した。

しかも運の悪い事にグミシップは大破し、皆離れ離れになってしまった。


「・・・・・うぅん。」

ソラは目を覚ました。今まで気を失っていたようだ。

「ここ・・・どこだ・・?」

血と油の匂いが漂う。ハートレスの気配はないものの、その禍々しさは影を越える。

そこらじゅうに散らばる機械の破片は先ほどまで動いていたかのような生生しささえ感じさせる。

「・・・うえっ・・・気持ち悪っ・・・。」

ソラは胸の底から湧き上がる気持ち悪さをこらえながら立ち上がった。

とりあえず少しでも空気が綺麗そうな方向に向かってソラは歩き始めた。