前夜、私は『彼』の事をここに記した。

本来ならば
まず「私の事」を記述するべきだったのかもしれない。
この文章を読んでいる者はさぞ混乱した事だろう。
すまない。

しかし、今にして改めて感じる
やはり最初に
彼の人格に至るというその軌跡を刻む深い轍に、
大切な"心得"を感じ取って頂けたであろう事を切望し
願って止まないのである。

今夜はこの場所を知り得る者に私の話を…
つまり"KtoW"という人物について明記しておきたい。

私は――
ある稀有な偶然が重なって
偶然にも"彼"をこの世界に召還してしまったに過ぎない、
しかし、
彼がこの世界で描いていく物語を見届ける義務が私にはあると考えていた。

この数日。
この世界で彼と過ごす内に一つ気付いた事がある

それは――『彼』以上に『彼』を知る者の存在だ。

それが果して彼の内面まで迫る程の強烈な探求心から来る情熱であるにしろ、
若しくはただただ、彼を。
そして"彼等"を熱烈に愛してやまない、その純粋な好意の所以か、
私には計り知れない部分もある。

故にさらに願う

私と、"彼"が、
アナタ方を失望させるような事の無いように
キミ達の無尽蔵な情熱に答えていけたなら、
その暁にこそ、

アナタと彼と、そして私と彼の
この物語は完結するのだろう。

もし、この世界で彼が何らかのアクシデントに巻き込まれたとしても、
それもまた物語の一部であり、
愛すべき同胞達が動揺する事の無い様に、
重ねて願うものである

私は――
ある稀有な偶然が重なって
偶然にも"彼"をこの世界に召還してしまったに過ぎない、
しかし、
彼がこの世界で描いていく物語を見届ける責務が私にはあるのだから。




KtoWより、
親愛なるかつての同胞(Resistance)達へ





俺の名は・・そう・・・

”Cloud Strife ”

”クラウド・ストライフ ”

今・・・
この世界の『とある人物』に
このメッセージを「翻訳・代筆」し
書き起こして貰っている。

このスペースを読んでいる者へ

俺という存在を「知って」いるか・・・?

しかし、だが"ソレ"は
「この世界に共通し認識される俺」では無い・・・嫌、若しくは。

無数に存在する
「多くの世界のクラウド」と、
たった今、通信している「俺」は

"必ずしも"

同一の『クラウド』では無い。

と伝えておく…。

それらは俺にとって
興味は・・・無いが。



――だが「最も大切な事」でもある。





代筆:KtoW