腰椎2番(L2)の圧迫骨折を自宅で療養する際には、骨の回復を促進し、痛みを管理しながら日常生活を安全に過ごすことが重要です。以下に具体的な注意点を解説します。


① 安静と活動制限


1. 安静の取り方

基本的に安静:骨が回復するまで無理な動きを避け、医師の指示に従って必要な期間安静にする。

寝る姿勢の工夫:

仰向けの場合:膝の下にクッションを置くと腰の負担が軽減する。

横向きの場合:膝の間にクッションを挟むと骨盤の歪みを防げる。

うつ伏せは腰に負担がかかるため避ける。


2. 動き方の工夫

起き上がり方:「ログロール」と呼ばれる方法で、体をねじらずに横向きになり、腕を使ってゆっくり起き上がる。

立ち上がるとき:背筋を伸ばし、手を支えにしながらゆっくりと動く。急な動きは厳禁。

座るとき:背もたれがあり、膝より少し高めの椅子が良い。低いソファや座椅子は避ける。


② 痛みの管理


1. コルセットの活用

医師から処方されたコルセットを正しく装着することで、腰への負担を軽減できる。

ただし、長時間つけっぱなしにせず、適度に外して皮膚の血行を促すことも重要。


2. 痛み止めの服用

医師の指示通りに鎮痛薬(ロキソニン、カロナールなど)を服用する。

痛みが強くなる前に服用するほうが効果的。

胃への負担を避けるため、食後に服用するのが望ましい。


3. 温める or 冷やす?

**急性期(受傷後2~3日)**は炎症があるため、アイスパックで冷やす(1回20分程度)。

**慢性期(1週間以降)**は血流を良くするために温める(カイロやホットパック)。


③ 日常生活の工夫


1. トイレの工夫

和式トイレはNG。洋式トイレを使用する。

立ち座りの際に手すりや補助具を利用すると負担が軽減する。


2. 入浴の注意点

シャワーを基本とし、浴槽への出入りは慎重に。

滑り止めマットを敷くと転倒予防になる。

痛みが強い場合は介助をお願いする。


3. 食事と栄養

骨の回復を助ける栄養素を意識する。

カルシウム(牛乳、チーズ、小魚)

ビタミンD(鮭、卵、きのこ類)

タンパク質(肉、魚、大豆製品)

ビタミンK(納豆、ほうれん草)

便秘対策も重要(コルセットの影響で便秘になりやすいため、食物繊維と水分を意識的に摂る)。


4. 家事の工夫

重いものは持たない(掃除機がけや洗濯物の持ち運びは避ける)。

床のものを取るときは膝を曲げる(腰を前かがみにしない)。

長時間の立ち仕事は避け、こまめに休憩する。


④ リハビリの進め方


1. 初期(受傷後~4週間)

基本は安静。無理な動きは厳禁。

医師の許可が出たら、ベッド上で足を動かす軽い運動を開始する。


2. 中期(4週間~8週間)

立って歩くことを徐々に増やす。

ストレッチや軽い筋トレ(医師や理学療法士の指導のもと)。


3. 後期(8週間~3か月)

日常生活に戻る準備。腰を支える筋肉(腹筋・背筋)を鍛える軽い運動を取り入れる。

再発防止のために姿勢を意識(猫背を避け、正しい立ち方・座り方を身につける)。


⑤ 再発予防と長期的な注意点

無理な動作を避ける(急な前屈み、重い荷物を持つ動作)。

適度な運動を続ける(医師の許可が出たらウォーキングやストレッチを継続)。

骨粗鬆症のチェック(特に高齢者の場合、骨密度の低下が再発リスクを高める)。


まとめ


腰椎2番の圧迫骨折は、無理せず安静を保ちつつ、適切なケアを行うことが重要です。特に寝る姿勢・動き方・痛み管理・栄養・リハビリの順序を守ることで、回復をスムーズに進めることができます。


少しでも異常を感じたら、すぐに医師に相談しましょう。