シャム猫の起源は、タイ(旧称シャム)に遡ります。シャム猫はタイの王族や貴族の間で特に珍重されていた猫で、その美しい外見と優雅な動きから「王族の猫」として知られていました。彼らはタイの寺院や王室で神聖視され、保護されていたため、外部に持ち出されることは稀でした。
西洋にシャム猫が紹介されたのは19世紀後半のことです。1880年代、シャム王国から英国やアメリカに贈られ、すぐに愛猫家の間で人気を博しました。特に1890年代のロンドンのキャットショーで紹介されたことで、シャム猫はさらに有名になりました。
シャム猫の特徴としては、青い目、短毛で絹のような滑らかな被毛、細身の体型、そして耳、尾、足、顔などに現れる「ポイント」と呼ばれる濃い色の毛が挙げられます。このポイントは、遺伝的に温度依存で、体の冷たい部分に濃い色が現れるという特徴的な遺伝子の影響を受けています。
また、シャム猫は非常に社交的で、感情表現が豊かで鳴き声も独特です。飼い主との強い絆を築き、活発で遊び好きな性格も彼らの魅力の一つです。
まとめると、シャム猫はタイを起源とし、特に王室で重んじられた歴史的な背景を持つ猫で、現在はその優雅さと社交的な性格から世界中で人気の猫種となっています。