底を抜け(君の志は何か)

哲学に、「底を抜け」という言葉があります。
底を抜くと何でも入る器となり、言い換えれば器の枠を超えて無限大に何でも入る器となり、今まで見聞きしたこと全部が取り込めるようになります。

私達が子供を育てる時に、「夢や希望を持て」とよく口にしますが、夢や希望は必ず叶うかと問われると、相当な努力や、運がないと到底叶いません。
というか、子供の頃に描いた夢がそのまま叶うなんてことはほんの一握りの人に過ぎない。

夢に向かって弛まなく努力を継続した経験から、人生が別の道へ好転していた・・なんてことになっていることもあり、ある意味夢が叶ったのかも知れません。

もし、努力は面倒だ、汗を掻くのは嫌いだ、なんていつも楽な人生としたら、夢破れることもなく別の人生も拓けはしない。

あなたの、私の人生、子供の成長を願っているのなら、先ずは自ら努力の虫になり努力の虫にさせること。
言い換えれば、大人がその背中を見せて子供の背中を押してあげること。

夢は叶うかと問われると、ほとんど最初の夢は叶わないと先に述べたが、それは途中で挫折し努力を辞めてしまうことがきっかけだったりする。
落ちて行く挫折感が中途半端なやる気となり、浮上の切っ掛けが掴めない状態となることがほとんどなのです。

では、どうするのか・・

登り坂、下り坂、まさかと思いきや、どうせなら底まで落ちてみる。
一番底でじっと辛抱して、そこから少しずつまた努力を始め、じわじわと這い上がる。
そんな準備も良いではないのかな。
ようは、中途半端に途中で止めるなということ。
スパッと潔く底まで落ちたのちに上を見て考える、
底から這い上がる為の努力を・・「ここから何をどうするのか」と。
底辺から見た景色から、何を感じ何を学ぶかということ、その苦労から何を掴むのかが大切なのです。

人生上手くいかないことだらけ、だからこそ悩んで悩み抜いて自分を磨き何かを掴んで欲しい。
少しくらい辛くても、あえて底を体験し超えて行く底からの努力が忍耐力や心を育む筈だから。

こうした経験から、どんなにお金を積んでも買えない心の成長を手に入れられるのだと思います。
一回りも二回りも大きな人間になる為に、これこそが、「底を抜く」ということなのです。

どん底に落ちたらピンチと捉えず、チャンス到来とポジティブに捉えよ。
前よりも、「もっと高く跳べる」から。^_^

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杉 百合之助(松陰の父)のことば

家君(かくん)欣然(きんぜん)として曰く(いわく)
 一時の屈(くつ)は万世(ばんせい)の伸(しん)なり、いずくんぞ傷まん(いたまん)

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要約
「挫折に屈するな、底が低ければ低い程、高く跳べる伸び代がある」と言うメッセージ。

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吉田松陰のことば

一つ善いことをすれば、その善は自分のものとなる。一つ有益なものを得れば、それは自分のものとなる。一日努力すれば、一日の効果が得られる。一年努力すれば、一年の効果がある。
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君の修養かくあるべし。