父と母の役割
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「親を超える子」の親になろう
真面目で素晴らしい選手の親には、やはり立派な方が多いものです。逆に、「オファーを受けたから来たんだ」とか、「あの有名チームを断ってきた」とか、我が子の手柄話や親戚の自慢を声高に言っている親を見たら「その子の未来は厳しい」と言えます。良きにつけ悪しきにつけ親の影響は大きいものです。
このような、自分のことしか見ない人は勘違いをします。回りの人に興味がないので、人から学ぶことも変わることもできません。意識も知識も人格さえも硬直しているので、同じあやまちを繰り返すだけです。
私は以前に、選手の親に向けてこう書きました。
【子育て五ヶ条】
一、子どもに期待をかけるな
一、怒る時は厳しく
一、子どもの意志を尊重せよ
一、なぜかを考えさせよ
一、社会に出たら突き放せ
まずは子どもに期待をかけないことです。期待のほとんどは親の勝手な思いです。次に、叱る時は全人格をかけて叱るべきです。便所掃除の何たるかを知らぬ親が便所掃除を強要し、すぐ妥協するおやじが根性を説き、見栄っ張りな人間が世の習いを諭す。これでは逆効果です。
子どもの意志を尊重するにしても、自ら考える子どもにしようにも、親自身が挑戦と無縁な俗物であれば、無理なことです。
「なぜか」と考える機会を与えてください。苦労していても知らんぷりをするのです。自ら考えることもせず、中抜きして答えを押し付けてはいけません。それは子どもの伸びしろを消す行為です。
最後に親元からつき放しましょう。「子育ての勝利」の仕上げは子どもが自分で勝負することです。厳しい環境で多くの師や友と出会い、学び、遠くに巣立つことです。突き放すこと、それがあなたの「宝」に対する愛です。
弁当箱と母親のテクニック
母親は多くを語らず、じっと見守り、そっと促すべきです。そこには、賢母の「知性」と「テクニック」が必要になります。
例えば「弁当箱」でわが子に伝えるべきことがあります。食べ物や必要なものは、「欲しい時にいつでも出てくるもの」ではないことを教えなければなりません。自分で自分の弁当箱を洗うことや、わがまま言って残せば次の食事はないということもです。やるべき勉強や練習・努力をサボタージュしたら、翌日の自分の席やともに歩む仲間もいなくなることを知らなければなりません。そして、早く起きて弁当をつくってくれる母がいることや、苦しい時に身をもって教えてくれる多くの師がいることに気付かなければなりません。
だから「弁当箱」はとても大切なものです。たかが弁当箱ですが、されど弁当箱でもあります。毎日弁当のごはんは一粒残さず食し、弁当箱を当たり前のように自分で洗って次の日に用意しておく。それが自分の夢に協力してくれる人に対しての当然の感謝であり礼儀です。
この時期に、子どもたちにあたりまえの感謝する心を身につけさせることは必須なのです。歯を食いしばって、自分の弱さや甘さを打ち破ろうとしている時こそ、自立した人間の感性を装着させるべきなのです。弁当箱を通した母の知性とテクニックが、この後の子どもを大きくさせていくのです。