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夢は叶う?

皐月の山に目に優しい緑の木々が生い茂り、急斜面の茶畑に一年の思いが芽吹いている。

南アルプスの最南端に位置する、標高6百米のここ北園の山深い茶畑で今年も茶摘みのシーズン到来。

茶畑の周辺は、わらびの群生地、筍も顔を出して絶景の見晴らし。
澄んだ空気、美味しい天然水・・こんな情景は都会じゃ味わえない。

たまに来て自然の雄大さに感動する都会人、反面、日々ここで暮らすのは年老いた老人が主である。

坂を登るだけで息が上がる急斜面の茶畑の茶摘みは大変な作業である。

そんな茶畑に、数年前から若い助っ人がいる。
学生の頃にドイツへ留学し、ブンデスリーグ下部のオープンリーグでプレーしたフットボーラー。
リーガーとしての夢は叶わず、帰国後ある企業で働き縁あって毎年茶摘みを援助している。

筋力、持久力、スピード、飲み?・・その働きぶりはサッカーで培ってきたものであろうか、流石である。
もう、リーガー無しではこの地の茶摘みは捗らない程の働き頭である。
何せ、老体者の倍以上の量をこなすから、とても頼りになる。
かくして、この季節に此処では無くてはならない戦力となっている。

夢は叶わなかったが、学生時代に文武を鍛えた財産が、第二の夢の実現に向けて社会で貢献できる人なりとなっているようだ。

人生色々、夢は必ず叶うと言うが、それは第一の夢の実現ばかりではない。
夢破れても、それでも次の機会を模索してやりたい事を見つけてそれを夢とする。
そんな希望をいつまでも持っていれば、人生はやりがい持って生きられる。
生きる楽しさって、そう言う希望を持つことだと思う。
夢破れて、夢叶うかな・・


余談・・

茶摘みが終わった後に、ちょっとだけボールを転がしてもらったら、それはそれは上手でした。

流石だな元オーバーリーガー(笑)