トータルフットボールの進化
(連係とハードワーク)

2014ブラジルWCUP決勝戦は、ドイツがアルゼンチンを延長戦で1対0で制し優勝した。
どちらが勝ってもおかしくない、攻守に白熱したとても印象深いゲームだった。
ただ残念なのは、ドイツはベストメンバー、アルゼンチンはチームのダイナモ的存在ディマリアが負傷で離脱していたこと。
本当にベストな布陣でガチンコ勝負ならば、勝者は逆になっていたかも知れない・・・

ドイツ・・・時々最終ラインに少し脆さが観えるが、前から数的プレスのハードワークでボール奪取が早い。素早いカウンター、素早いショートパスで攻撃のバリエーションが豊富で、素早いチームの連係で攻め上がる様は相手を慌てさせた。
実に攻守にバランスの良い、今大会屈しのチームだった。

アルゼンチン・・最終ラインの統率力は素晴らしい、マスケラーノの潰しは強烈でチームの危機を何度も救っていた。
攻守に渡り、今大会で最も献身的にハードワークしチームに闘う勇気をもたらしたのは間違いなく彼である。
メッシを自由にして、ここ一番で働かせる為に周りの選手のハードワークも目を見張るものがある。
ただ、そのメッシの働きだが・・
守備をほとんどしない、大半の場面歩いていてなかなかボールに触れない。
もしメッシが前から積極的に守備をしてハードワークをしたら・・このチームはどんなに力を出したか計り知れない。

今回ドイツの選手は純血が少ないのも特徴。
血筋をたどると・・多国籍軍になるくらい他民族の集まりである。
そしてもう一つ強さの秘密・・・
多くの選手がバイエルンでチームメイトとしてゲームをしていること。
バイエルンは現在世界ナンバー1のクラブチームだ。
前回、南アフリカWCUP優勝国スペインも、当時世界ナンバー1のチーム、バルサのメンバーが主力だった。

ここから観えることは、その国の強いクラブチームがそのまま国の代表になり、クラブでやっている戦術をほぼそのまま実践していると言うことだ。
だから、連係に無理がなく、やりたいサッカーが自然と出来る訳だ。=強いと言うこと。

日本代表に置き換えるとどうだろうか・・・
Jリーグや、代表のあり方に何か一つヒントが与えられた気がするが・・・
近年、海外組で形成される日本代表は所属チームもバラバラだから、普段のプレースタイルは当然違う。
だから、大会前の短い期間にチームの連係や結束力を上げて行く事が重要になる。
今回、日本代表が積極的なプレー、連係が出来ず予選敗退した理由の一つがこれだと思う。
あのブラジルも、ほとんどの選手が欧州のチームでプレーしており、代表チームとしての完成度を高めるまでに時間が足りなかったようだ。

現代サッカーは、個の技術やスピード、強さは当然、闘う強い意志と、より速い連係で攻守にハードワーク出来るチームが勝者となる条件で有る。

ミケルスが蒔いたトータルフットボールの種は、オランダで試されてクライフを育てスペインに渡った。その後グアルディオラに引き受けつがれバルサで進化し、ドイツの地バイエルンでまだまだ進化中。
4年後のWCUPでは、どんなに進化したサッカーが勝利を手中にするか楽しみである。
もうすでに、スタートは切られた・・・。

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