王国の崩壊

ブラジルが国が涙した日、スコア7対1でドイツに歴史的な大敗を喫した、ラテンサッカーが崩壊した日になってしまった。
64年前のウルグアイに敗れたマラカナンの悲劇の呪いは現実になった・・・。
2002年日韓WCUP、ドイツとの決戦では主役ロナウド、ロベカル、リバウド、ロナウジーニョなど個のテクの連係の突破力と結束力で2対0で勝利しているが・・そこから先はチームとして上手くゲームが運べていない感じだ。
1974年WCUP西ドイツ大会でホスト国の西ドイツは黄金のトロフィーを獲得した。
決勝戦で対戦したのは、ミケルス監督の元クライフが活躍したオランダであった。
全員守備、全員攻撃のトータルフットボールは、西ドイツに敗れはしたが世界のサッカーに革命を起こした。
そのオランダと2次リーグで対戦したブラジルは0対2で結果も内容も完敗した。
大胆なオフサイドトラップ、ボール狩りと呼ばれた複数での囲い込み、そして素早いポジションチェンジ、それまでにない人とボールが縦横無尽に動くオランダのサッカーにブラジルは手も足も出なかった。
そのオランダには、「フライングダッチマン」、空飛ぶオランダ人ことヨハン・クライフという疾風の如く加速し群がる敵の隙間を風のように駆け抜ける、ボールを操る魔術師がいた。
前回南アフリカWCUPでは、そのクライフの血を引き続き、攻撃が最大の防御のショートパスをつなぐ更に進化したサッカーのスペインが勝利を手に入れた。
ちなみに、ドイツはそのスペインからサッカーを真摯に学び、サッカーのスタイルを変えてきた。

サッカーは日々進化している。

より早く、より強く、より激しく、より厳しく、より連係し、より防御し、よりゴールを取る為に個の力とハードワークは欠かせない。
世界のサッカーはそういう進化を続けている。サッカー王国と言われるラテンの国ブラジルは、当代きっての個の力の選手が必ず現れ活躍しチームを勝利へ導いてきた歴史がある。
チームの主役たる心臓だ・・・

その主役が不在で、進化した世界の名だたるチームと戦うのは、王国といえども難しかった。
それ程世界のサッカーは進化していて、もはや個人一人ではどうにもならないと言うこと。
優れた個が連係し、労苦を惜しまず攻守にハードワークし、チームが一つになり戦う事、そこからすると、サッカー王国ブラジルの神話は、数年前に崩壊していたのかも知れない・・・

王国の復権・・・

国中が泣いた自国開催のWCUP・・
ボールをもて遊ぶ程上手い選手はゴロゴロいるがそれだけじゃ勝てないことも学習したはずだ。
個の力の突破でファールを誘うダイブに活路を見出すプレーは選択せず、華麗なステップで相手を置き去りにするプレーを観せる事に力を注ぐべし。
たとえ倒れても直ぐに立ち上がり、相手を引きずってでもボールは放さず前へ・・・そんなタフネスで魅せてくれる王国を観たい。
次のロシアWCUPでは、どこまでチームが変われるか期待したい。

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