ノルウェイの森 上 (講談社文庫) 講談社() ¥ 540 | |
独特の世界観(2009-07-21) 10年ほど前に読みました。 私の率直な感想からいえば、この作品はもう二度と読まないと思います。 正直なところ、あまり得るものが無かった。 考えさせられるようなことも無かった。 他の方が「深みがない」と表現されているのと近いかも知れません。 しかし、だからと言って駄作と言うつもりもありません。 この作品がこれだけ支持されているということは、小説に深みなど求めていない読者もたくさんいるということ。 つまらないと感じる私から見た村上作品の良さとは、その読みやすさと独特の世界観ではないでしょうか。 非日常的な世界でありながら、ひとたび読み始めれば、あたかも登場人物と同じ時を過ごしているかのようにその世界に浸ることができる。 ノルウェイの森のメロディも、読者の世界観を作り上げる一助となっているでしょう。 登場人物はみな異様なほどに特徴的で、ストーリーの展開も分かりやすく、読者を飽きさせない工夫がある。 読み終えた後に心に残る寂しさや喪失感も村上作品独特のものがあります。 ということで、少しでも気になる方はとにかく手に取って読んでみることをお勧めします。 好きな方はそのまま一気に読み切ってしまうでしょうから。 | |
ふざけているのか…(2009-07-21) 初めてこんなに強く、読んだ時間と本の代金さえも返して欲しいと思った。 くだらなさ過ぎて、それが切ない ☆0個 | |
いくつもの出会い/別れ(2009-07-13) 今回、初めて村上春樹さんの作品を読ませて頂きました。 まず、感想としては「面白かった」です。 上巻は大体、過去の回想シーンがメインとなる訳ですが、主人公とヒロインの出会い、親友との別れや先輩との出会い、小林緑との出会いなど。 訳ありな人達との出会いを通じて、主人公がヒロインに対して、様々感情を巡らせます。 簡単に言ってしまえば、恋愛ものであり、少し異質な恋愛ものである感じがしますが、こういった言い回しや文章の伝え方は、難しすぎる事がなくて読みやすいと感じます。 また、私はビートルズの楽曲が大好きで、タイトルを言われて曲のイメージがすぐに理解できるということもありますが、情景とビートルズの曲がマッチしていると感じる部分が多かったため、非常にすっと世界に入っていけました。 ※余談ですが、ビートルズを聴きながら同小説を読むのがオススメです。シーンと合わせなくとも、素敵です。 村上春樹さんのほかの作品を読んでいないため、文体や言い回しなどの書きっぷりについて、深くコメントは出来ませんが、様々な人との出会い・別れや、平凡である主人公の偉大さ、周りからの憧れなど、読み進めていて、楽しい作品でしたので、☆5つです。 下巻も楽しみに読ませて頂きたいと思います。 | |
ノルウェイ(2009-07-01) この本に出会ったのは今から20年前、ちょうど高校生の頃だったけど、読んでいて衝撃をうけたのを覚えています。また最近読み返してみたが、色あせるどころか、さらなる鮮明さをもって再び心にうったえかけてくれました。ふと考えてみると、今の自分は小説の中の現在のワタナベ君と同い年なんだなぁと個人的な感傷も覚えたり。 僕の周りでは結構直子が嫌いっていう人、特に女の子が多いのですが、僕にとってはなんていうか、直子という存在は硝子の器のように儚いものの象徴のような気がして、読んでいるととても悲しい気持ちにさせらます。最近映画化の話が出ているが、個人的な感想としては直子はぼんやりとしていて現実味がない、儚い象徴なので映像ではっきりと写されるときっと違和感を感じてしまうと思う。 ゴダールか誰が言った言葉だったか忘れたが、映像は色あせるが文章は色あせないという言葉を聞いた事がある。 僕の中ではきっとこの本はこれから20年先、40年先と生き続けていくものになると思う。 | |
大学生を主人公にした場合の限界(2009-06-26) ハンブルグ空港に着陸するボーイング747に乗った主人公ワタナベが回想したのは、大学時代に見舞いに行った女友だち直子が療養生活を送る京都北山の草原の情景です。自殺した親友の恋人だった直子の心の病を通して、大学1年生ワタナベの人生が大きく揺さぶられていきます。読者は淡々とした描写の中に、登場人物たちの大きな心の変化を読み取るべきでしょう。 そして療養所で直子と同居するレイコさんが、二人のアドバイザーのような立場で人生を語ります。ワタナベが療養所を訪れた最初の夜に彼の床に現れたのは、直子ではなくて実はレイコではなかったのかという疑問は、下巻に持ち越されます。 全般に、大学生を主人公にしているため、私には描かれている世界が世界がやや狭く感じられます。純文学作品として評価の高い理由が今一つつかみきれないのは、私の読書経験の少なさゆえでしょうか。 |
- ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
- 海辺のカフカ (上) (新潮文庫)
- 海辺のカフカ (下) (新潮文庫)
- ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)
- ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)