ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

講談社()
¥ 540
[2]独特の世界観(2009-07-21)
10年ほど前に読みました。
私の率直な感想からいえば、この作品はもう二度と読まないと思います。
正直なところ、あまり得るものが無かった。
考えさせられるようなことも無かった。
他の方が「深みがない」と表現されているのと近いかも知れません。

しかし、だからと言って駄作と言うつもりもありません。
この作品がこれだけ支持されているということは、小説に深みなど求めていない読者もたくさんいるということ。

つまらないと感じる私から見た村上作品の良さとは、その読みやすさと独特の世界観ではないでしょうか。
非日常的な世界でありながら、ひとたび読み始めれば、あたかも登場人物と同じ時を過ごしているかのようにその世界に浸ることができる。
ノルウェイの森のメロディも、読者の世界観を作り上げる一助となっているでしょう。
登場人物はみな異様なほどに特徴的で、ストーリーの展開も分かりやすく、読者を飽きさせない工夫がある。
読み終えた後に心に残る寂しさや喪失感も村上作品独特のものがあります。

ということで、少しでも気になる方はとにかく手に取って読んでみることをお勧めします。
好きな方はそのまま一気に読み切ってしまうでしょうから。
[1]ふざけているのか…(2009-07-21)
初めてこんなに強く、読んだ時間と本の代金さえも返して欲しいと思った。
くだらなさ過ぎて、それが切ない

☆0個
[5]いくつもの出会い/別れ(2009-07-13)
今回、初めて村上春樹さんの作品を読ませて頂きました。

まず、感想としては「面白かった」です。

上巻は大体、過去の回想シーンがメインとなる訳ですが、主人公とヒロインの出会い、親友との別れや先輩との出会い、小林緑との出会いなど。
訳ありな人達との出会いを通じて、主人公がヒロインに対して、様々感情を巡らせます。

簡単に言ってしまえば、恋愛ものであり、少し異質な恋愛ものである感じがしますが、こういった言い回しや文章の伝え方は、難しすぎる事がなくて読みやすいと感じます。

また、私はビートルズの楽曲が大好きで、タイトルを言われて曲のイメージがすぐに理解できるということもありますが、情景とビートルズの曲がマッチしていると感じる部分が多かったため、非常にすっと世界に入っていけました。
※余談ですが、ビートルズを聴きながら同小説を読むのがオススメです。シーンと合わせなくとも、素敵です。

村上春樹さんのほかの作品を読んでいないため、文体や言い回しなどの書きっぷりについて、深くコメントは出来ませんが、様々な人との出会い・別れや、平凡である主人公の偉大さ、周りからの憧れなど、読み進めていて、楽しい作品でしたので、☆5つです。

下巻も楽しみに読ませて頂きたいと思います。
[5]ノルウェイ(2009-07-01)
この本に出会ったのは今から20年前、ちょうど高校生の頃だったけど、読んでいて衝撃をうけたのを覚えています。また最近読み返してみたが、色あせるどころか、さらなる鮮明さをもって再び心にうったえかけてくれました。ふと考えてみると、今の自分は小説の中の現在のワタナベ君と同い年なんだなぁと個人的な感傷も覚えたり。
僕の周りでは結構直子が嫌いっていう人、特に女の子が多いのですが、僕にとってはなんていうか、直子という存在は硝子の器のように儚いものの象徴のような気がして、読んでいるととても悲しい気持ちにさせらます。最近映画化の話が出ているが、個人的な感想としては直子はぼんやりとしていて現実味がない、儚い象徴なので映像ではっきりと写されるときっと違和感を感じてしまうと思う。
ゴダールか誰が言った言葉だったか忘れたが、映像は色あせるが文章は色あせないという言葉を聞いた事がある。
僕の中ではきっとこの本はこれから20年先、40年先と生き続けていくものになると思う。
[4]大学生を主人公にした場合の限界(2009-06-26)
 ハンブルグ空港に着陸するボーイング747に乗った主人公ワタナベが回想したのは、大学時代に見舞いに行った女友だち直子が療養生活を送る京都北山の草原の情景です。自殺した親友の恋人だった直子の心の病を通して、大学1年生ワタナベの人生が大きく揺さぶられていきます。読者は淡々とした描写の中に、登場人物たちの大きな心の変化を読み取るべきでしょう。
 そして療養所で直子と同居するレイコさんが、二人のアドバイザーのような立場で人生を語ります。ワタナベが療養所を訪れた最初の夜に彼の床に現れたのは、直子ではなくて実はレイコではなかったのかという疑問は、下巻に持ち越されます。

 全般に、大学生を主人公にしているため、私には描かれている世界が世界がやや狭く感じられます。純文学作品として評価の高い理由が今一つつかみきれないのは、私の読書経験の少なさゆえでしょうか。
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この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

理論社()
¥ 1,365
[5]カネについて考えることすごく大事なことだ!(2009-07-21)
 カネについて考えることすごく大事なことだ、と私はつねづね思っている。

 しかしそういうことを口に出すと、すべてをカネ、カネで考えるイヤなヤツだという誤解を与えてしまうこともあって残念だ。
 そんな誤解に苦しむ人にも、カネの大事さを身にしみて知り尽くしている漫画家サイバラのこの本を読むことをすすめたい。また読んでからぜひいろんな人にも推薦してほしい。
 カネになる漫画を書くことで、貧乏の「負のループ」から抜け出すことに成功したサイバラは、私なんかよりもはるかにうまく、具体的に説明してくれるはずだから。

 本田健の「小金持ち」とは趣が大きく異なる語り口だが、いわんとすることは同じである。
 カネを稼ぐということは、男女を問わず、人間として自立することだ。
 カネに使われないようカネを使うこと、つまりキチンとした金銭感覚をもつことは、人生そのものなのだ、と。

 サイバラはこの本の最後のほうで、マイクロクレジットによって貧困層の自立を支援している、バングラデシュのグラミン銀行の話を書いている。サイバラがねーというかんじもしたが、いやいやよくぞ触れてくれた、と思いたい。
 ところで、在日バングラデシュ人の起業家ユヌス・ラハマンも 『おカネを取るヒト 取られるヒト』(H&I、2005)という本で、カネの重要性と人間の生き方について書いている。
 これらすべてに共通するのは、人間としての「自立」そして「自律」である。

 「ロスジェネの叫び」が最近かまびすしいが、人間として生きる以上、「食わせろ」と声を大にする前に、道を開いて自分で食っていかねばならないのではないか?
 世界の最貧国出身のバングラデシュ人にできて、なんで日本人にできないというのだ!

 サイバラの漫画は絵がキタナイし、フキダシに手書きで文字がギッシリ書き込まれているから読みにくくてキライだ、という人には、「この本は漫画じゃなくて、活字がキチンと整列した単行本ですよー」と伝えておこう。

 とくに若い人たちに薦めたい本だ。若い人たちからこれ以上泣き言は聞きたくないから。


[5]中学生から就活中の大学生、そして仕事に悩める社会人にお勧め(2009-07-18)

 私の好きな西原理恵子の本だという一点だけで手にしたところ、年端のいかない誰かに語りかける文章を目にして、一体全体誰に向かって筆がとられた書なのかといぶかしんだものです。
 実はこの本は「中学生以上すべてのひとの よりみちパン!セ」という叢書の一冊。「寄り道は、ハッピーに生きるための近道」という謳い文句にあるように、「学校でも家でも学べない、キミが知りたい、リアルでたいせつな知恵が満載!!」という叢書だそうです。

 実に平易な文章で綴られていますが、内容が幼いということは決してありません。大人だってお金のことはわかったようでわからない代物です。多くの大人が、あれほどまでにお金で人生を狂わせる事件が跡を絶たないのですから。

 そしてこの本の枢要な点は、「人生で何をしたらよいのかわからなかったら、どうやったら金を稼げるのかという視点にたって自分の人生を見つめ直して見ること」。お金のことを語るのはハシタナイこととされる社会だけど、「お金にならなくてもいいじゃないか」と言っている間は「夢物語」で終わってしまうことも少なくない。いっそのこと、どうやったら稼げるのか、そのために必要な努力や工夫は何なのかと考えると、やりたいことがどんどん現実味をおびえて見えてくる。そのことを西原は自らの苦労話とともに鮮やかに語ってみせます。

 そして「自分が稼いだこの「カネ」は、誰かに喜んでもらえたことの報酬なんだ。そう実感することができたら、それはきっと一生の仕事にだって、できると思う。」(199頁)
 私も時に自分の仕事に疑問符を感じることがありますが、この西原の言葉に背中を押され、まんざら私の仕事も悪くないなという気持ちになりました。

 なお、この本が気に入ったという読者には、下記の書もお奨めしておきます。
 「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (幻冬舎新書)」
[5]力づけらた(2009-07-07)
先日、NHKラジオ深夜便で西原さんが生放送でゲスト出演していた。西原さんの発言が放送コードにひっかかるようで頻繁にアナウンサーに訂正されていた。西原さんの奔放な感じとアナのぴりぴりした神経質さの対比がなかなか面白かった。私は西原さんの絵は好きではないがこの時の「人の金をあてにしてほどリスキーなことはない」という発言が印象に残っていた。それがなければこの本を手に取ることはなかっただろう。

読んでみて非常によかったと思う。とても力強くまともな考え方のできる人だと思う。
巻末で谷川俊太郎さんからの4つの質問で「何がいちばんいやですか」という部分で「にくむこと」と答えていたが、確かにこの本を読んでいるとどんなに厳しくひどい目にあってもこの人の基本に人間愛があるようにも思える。とにかく一歩踏み出せと、背中を押されたような気になった。
[3]サイバラ流カネ視点で見た人生論(2009-06-26)
生きて行くと、いたるところでカネが関係してくる。カネを稼がないと生きて行けない。生きることは稼ぐ(=働く)こと。これがこの本の主題である。この主題を中心に、著者の体験を散りばめながら、貧困の連鎖から抜け出す方法にまで話が及ぶ。
述べられている内容は他の人生論とそう変わらないと思うのだが、いつもながら著者のソーゼツな体験と一緒に語られると、ついつい引き込まれてしまう。
ただ残念なことに、前半3分の1の子供時代から美大時代の話は既刊のマンガと同じ内容なので、その分星を減らしました。
[3]食べていくお金が無くて幸せな人はいる?(2009-06-16)
お金が無くて幸せな人を私は知りません。
少なくても上手にやりくりして、
活き活きとしている人は知ってますが・・。

私はどん底と言うほどの状況は、
経験したことがないのですが経験しなくて済む為にも一読してもいいかな。
その事も踏まえて考えると、
やっぱり大切。


著者の「まあじゃんほうろうき」を愛読書にしていましたが、
※現在は手に入らない???
その頃の状況も少し触れられています。

著書の歴史を知れる面白い本でした。
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- 毎週かあさん―サイバラくろにくる2004‐2008 (ビッグコミックススペシャル)
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官僚たちの夏 (新潮文庫)

新潮社()
¥ 580
[3]名著だが(2009-07-19)
紛れもなく名著である。組織、人材、戦略、いろいろな面でのダイナミックな動きを描き、多くのサラリーマンや官僚だちが、本書に勇気付けられて社会に飛び出していったことだろう。また、今読んでも十分学ぶ点は多い。しかし、なぜ今この本なのだろう?逆に言うと、この本を超える存在が少ないということだろうか。。。
[5]高度成長期の暑かった時代(2009-06-25)
面白かった。官僚らしくない、日本の将来を案ずる熱い主人公を中心に、通産相からみた行政と政治の実態を学べる良書。

政治家におもねる、いわゆる官僚のイメージとは遠い主人公は人望があり、有能な後輩達と一丸となって行政の改革を目指す。天下国家のために行政を考える主人公は、無定量・無制限に仕事に向かう後輩を愛する。

時代は高度成長期の昭和。通産相が熱かった時代の、現代の歴史小説である。ストーリー展開に引き込まれながらも、省庁の機構の知識も自然と得られる。次官、局長などが自然と分かる。

天下国家を考えるなど普段は関係ないが、なるほどと考えさせられることが多い。たとえ日本の秀才を集めたエリート集団にとっても、天下国家を動かすのは簡単なことではない。だから、偉大な政治家や革命家は、常人のスケールで図れるものではないのだ、と改めて感じた。

このとき城山氏が予測した方向と、今の日本は、どのくらい合っているのだろう。今の時点から見ても、決して古びてはいないのに驚く。
[3]今は無きダンディズム(2009-06-08)
金、名誉ではなく、天下国家のために自己を滅し仕事することに生きがいと天命を感じ
官僚という仕事に全人生をつぎ込んだ男たちが、悲哀とともに描かれている。
今の時代には、もはやお目にかかれないダンディズムである。
頑張ったのに報われない、特攻隊のように次々と自沈していくラストに
読後感が今ひとつ。読者に一縷の希望を与えるラストであって欲しかった。
[5]一つの時代の終わり(2009-05-03)
うちの大学の某有名教授が講義で紹介していたので読んでみた。

舞台は高度経済成長期の通産省。一人の個性的な通産官僚にスポットライトを当て、日本を背負っているという自負心のもと、それこそ身を粉にして天下のために働いていた男たちの熱い闘いと挫折を描いている。

この時代は戦後から15年ほどが経ち、日本が急激な経済発展を遂げ、貧しい敗戦国から一気に世界と肩を並べる経済大国へと変貌する時期である。その中で通産省は成長を続ける日本市場を狙う外資から、まだまだ貧弱な国内産業を庇護しそれと戦えるまで育成せねばならないという使命感に燃えていた。

この小説を読んでいると、今の経産省権限に特に明るいわけではないが、これほどまでに強力な指導権限が通産省に与えられていたことには驚かされる。許認可権や政府系金融を駆使し、官僚主導で日本の産業を理想の形につくりかえていこうとしたのである。そのためには彼らは『無定量・無際限』に働くことを厭わなかった。

しかし、皮肉なことに彼らが強力に育て上げてしまった日本経済は逆に彼らを必要としなくなってしまった。主人公が掲げる理想の集大成である振興法は廃案となり、彼らががむしゃらに駆け抜けた夏は過ぎ去ってしまう。

彼らの時代の官僚主導経済は過去のものになってしまって久しいが、ここ最近は事情も違うようだ。うちの教授がこの本を紹介したのもそれが理由だ。ここ最近の日本経済の打たれ弱さは、輸出に頼り切る産業構造を改革しなかったことに主因があると言われている。そこで、新たな成長産業を官の指導と保護によって育成する時代に差し掛かるかもしれないということだ。代替エネルギーなのかバイオ産業なのか何なのかはわからないが。

歴史は繰り返すといったところか。
しかし今の時代、彼らのように日本かくあるべしという理想のもとに身を賭して働く者が何人いるだろうか。

官僚志望の人もそうでない人も読んでおいて損はない。こんな働き方もあるということ。
[5]経済大国日本の基礎(2009-03-18)
本書はまだまだ戦後の混乱期の未熟な日本を近年の経済大国日本に導いた通産省の官僚のドキュメントです。良くも悪くも日本独特の護送戦方式の原型を造ったのはこの通産官僚たちの努力の賜で、逆にそれが近年欧米から叩かれ、金融ビッグバンへとつながる原因となったのですが…。当時の日本には「日本の為に」という意気に感じる人物が数多くいたことがうかがえます。そんな人々によってつくられた経済大国日本ですが、最近の官僚や政治家を見ていると今後の日本がすごく心配になってきます。
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決めないことに決めた つれづれノート(16) (角川文庫)

角川書店(角川グループパブリッシング)()
¥ 740
[4]前巻よりもおもしろかったです!(2009-07-11)
 読み応えありました。本自体のぶ厚さも、その一因ですが、内容が濃く
おもしろかったです。15巻からあまり間を置かずの、この16巻。銀色さんの
筆が乗っていたのでしょうか?とても楽しく読み終えました。特に、
さくちゃんの学校の件に関する親としての行動の早さ・潔さに心の
中で拍手を送りました。
 
 かーかさん、すっかり女子高生で、でもその言動にやはり惹かれます。
 作者が、兄・せっせさんに文句を言う箇所を読んで、かーかさんは、
やっぱり銀色さんによく似てるんじゃないか、と改めて思いました。
 今回も、フッと、笑いどころアリです。占いによる性格は、ぴったり
あてはまっていたように思います。それから、あのNHKの人の似顔絵・・・。
笑いました。
 最近の大きな出来事の感想も、次の巻で読めるのを楽しみにしています。



[4]この厚さ読みごたえあり(2009-07-06)
第3の人生が始まったばかりだというのに、また変化が・・・.
煮詰まっていたかんちゃんとの関係に変化の兆しなのかな?
自分のための人生がトンネルの先に見えて来て、従来の銀色さんに戻った感じが・・・嬉しい.
夜ひとりの時間に何日もかけて読み進んで幸せな時間でした.一気に読むのには向かないかも.
[3]ぎっしりすぎたかな(2009-07-03)
改行の少ない文字のぎっしりつまった感じで読んでて疲れました、今までの手書きのイラストのたくさんはいったふんわりした読みやすさがないのでおもしろい日のエピソードも頭にはいってこなかった。

個人的に最期のほうサクボウがかわいそうで泣きそうだった。どうして一緒にいてあげないのだろう。。。。
[5]東京に引っ越してその後(2009-06-28)
宮崎にあんな立派なお家を建てたのに、
思い立って東京へ。

ど、どうなるんだ~と読み進めました。
やっと高校生になったカーカは?
宮崎に帰りたがっていたサクちゃんは?

子どもに対するスタンスが、
この方の場合「あ、そっかそういう考えもありかも」
と思い直させてくれます。
勉強をしないカーカに、あくまでも「自分の人生」と
いいきる夏生さん。

そして、その後?カーカはサクちゃんは?

人生ってこういう歩き方もあってもいいんだなと
楽しくなります。
[4]変わる(2009-06-27)
つれづれノートが復活してくれて、
なんかほんとうにうれしいです。

1巻は、大学生協で買いました。
今も本棚の中で、
生協のブックカバーをつけて並んでいます。
本当に長い付き合いだなあ…
でも、銀色さんも、銀色さんのまわりのひとびとも、
もちろん私自身もどんどん変わっています。

変わるけど、変わらないもの…
なんか絆のようなものがあるのかなあ…

帯のことばのように、ゆっくり読んでいます。
前巻から少ししかたってないとおもうけど、
カーカとの関係がすごく変わっていてびっくりしました。

何年もずっと大変だったのに…。

家族との関係って変わるんだなあ…と思いました。

ゆっくり読んでみようと思います。
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風の歌を聴け (講談社文庫)

講談社()
¥ 400
[1]完璧にうんざりな文章(2009-07-21)
村上春樹は、この処女作で100パーセントうんざりさせる文章を存在させた。結局のところ、登場人物は語り手である主人公をはじめ、みんなおもしろいぐらいにうんざりしている。まるで牧場にある木のベンチのように。何にうんざりしてるって?自分以外のすべてのものにだよ。それでビールを飲んで、煙草を吸って、セックスをして、車を乗り回してるんだ。わかるだろ?それに、『アメリカン・グラフィティ』をはっきりパクっているところがなんともいえず良い。それだけだ。村上春樹とは、そ・う・い・う・ものだ。
[4]透明(2009-07-10)
所属する読書会が今度、村上春樹論をやるというのでそれをきっかけにして、デビュー作を
手に取った。

僕自身、村上春樹作品は初めてではないから、デビュー作から「こんな感じだったんだ~」
ということがわかり、感慨深い。この「こんな感じ」の「こんな」というのは、いったい
何なのか?おそらく多くの読者が共有しているのだけれど、そのほとんどの人がそれを明示
できないでいるのではないだろうか。ここで無謀にも、その「こんな感じ」を僕なりに言わ
せてもらえばそれは、村上作品が「要約できないところ」にあると思う。

「『風の歌を聴け』ってどんな小説?」と友達に問われ、読み終えたあなたはうまく相手に
要約して説明してあげられるだろうか。ここに村上作品の「こんな感じ」があるのだと、僕
は思う。で、さらに突きつめればそれは、作中でとりたてて大きなことが起きていないこと
に起因する。そう、村上春樹の小説ではいつも「「起こっていない」が起きている」のだ。
取り立てて何か具体的で、大きなことは起きないけれど、何かが躍動していた。そのこと
だけが、読者の読後感として歴然と残る。まさに風のように。

一夏のたった18日の経験が、透明な風のように通り抜ける。そんなデビュー作。
[5]1Q7Q年リリースのデビュー作ということで(2009-06-27)
 同じ作者による話題の最新作が2009年の5月にリリースされていることと、この同じ作者のデビュー作がちょうど30年前の1979年の同じ5月に発表されていることとの間には何か偶然以外の何かがあるのかとの軽い気分の勘違いに似た思い入れにとらわれて、この処女作を再読してみる。二度読む価値のない本は一度たりとも読む値打ちがないとは誰が言ったのだろうか(今、私も言ったが・・・・・)マックス・ヴェーバーが言ったのだ。でもこの本を読むのは二度目である。

 「1Q84」ではヤナーチェックの"シンフォニエッタ"とソニー&シェールの"The Beat Goes On"が刺身のつまのように現れてくるが、本書ではThe Beach Boys(海岸少年)の"California Giels"が爽やかに軽やかに、はたまた面白おかしくビールのおつまみのように聞こえてくる。またこのデビュー作に既に村上お得意のパラレル・ワールドの片鱗が見え隠れしないでもないといったら言い過ぎだらうか。
 そうそう、この本ではあの鼠先輩がカウンターデビューしている。歌ってないけど、ポテトの皮を剥くってスタイルで・・・・・。
[5]若者像を変えた作品。(2009-06-14)
印象的なフレーズと小道具(レコードやミュージシャン)、映画のカットのような挿入で読み手の想像力を刺激してくる作品です。この小説が、20代の若者の姿を変えたと思っています。それまで、青春小説というのは、若者の間で起きる事件、恋愛、大人になる前の青臭さ、若者の無軌道ぶりといった若さ、甘酸っぱさ、瑞々しさ、残酷さなどに起因する姿を描いたと思うのですが、多くの人にとって、青春時代というのは漠然とした時間の中に埋もれています。モンモンとしている時間といえるかもしれません。村上春樹さんは、それをこの作品で表現したと思います。サリンジャーのようなアメリカの作家がこういう世界を描いていましたが、日本では村上春樹さんが20代の若者を包んでいる空気を描くことに成功したと思います。この作品の生まれた頃が、日本がアメリカ並みの豊かさを備え、生きるために行動するよりも、若者は自分の世界を作り出すために時間を費やすというような、歴史が残さない時代の境目であったのだと思います。村上作品を支持したのは、そういう新しい時代に踏み込んだ若者達であったのではないでしょうか。翻訳本のような文体、何も起こらない世界を読ませるための、レトリックと文章作りの技巧が図抜けていると感じています。文章の巧みさがあるゆえに出来上がった小説だと思っています。
[5]やれやれな雰囲気(2009-05-26)
どんな小説にも印象的なフレーズは登場するが、それらは大体、主人公の考えや行動によって重みと真実味を持つ。この小説では印象的なフレーズが数多く散りばめられているが、ただ「散りばめられている」だけであって残念ながら何の説得力も持たない。例えば「天才とは1%のひらめきと、99%の努力である」というのはエジソンの名言であるが、これはエジソンの人生を知り、初めてその意味を考えられる訳である。そういう意味で、「最初のページだけでこの小説は終わる」とまで言っている人たちのことが僕には理解できない。

結局のところ、この小説を気に入るかどうかは、「やれやれ」という雰囲気(村上春樹が21歳だった時代の、つまり「誰もがクールに生きたかった時代の雰囲気)に共感できるかどうかだと思う。

と、批判的なレビューになってしまいましたが、僕としてはこの小説は非常に気に入っています。星5つ。
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今日の風、なに色?―全盲で生まれたわが子が「天才少年ピアニスト」と呼ばれるまで

アスコム()
¥ 1,575
[4]生まれるべくして生まれた天才ピアニスト(2009-07-17)
伸行のことを「全盲のピアニスト」と呼ばないでください。そう、母親の辻井いつ子さんは、世間に向かって訴えます。この本は、それを感じさせてくれる本です。伸行君は全盲であるがゆえに注目されているのではないのです。音楽の才能をもって生まれてきた天才ピアニストであるがゆえに注目されているのです。伸行君の努力の量は半端ではありません。それも、音楽が好きだからこそなせる事なのでしょう。また、伸行君の才能を伸ばすためには、何でも試みようとする母いつ子さんの行動力にも感心させられます。向上心を持って行動を起こそうとすれば、そこには人との出会いが生まれます。伸行君は、そんな中ですばらしい指導者に多く出会います。また、向上心を持った仲間にも多く出会います。向上心を失いがちな、今日を生きる私たちに希望を与えてくれる良書だと思います。
[4]「個性を育てるとは」の1つの解答をみた気がしました。(2009-06-22)
盲目のピアニスト、辻井伸行さんがヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで、日本人初の優勝。その快挙がマスコミで報道され、初めて彼を知りました。ニュースやワードショーで彼が取り上げられ、その生い立ちをもっと詳しく知りたい! そんな興味から本著を手にしました。

この本は読みやすく、知りたかった伸行さんの詳しい生い立ちが知れて、まず納得。

次に、私は2児の母ですが、障害児を授かったいつ子さんの心の遍歴が、赤裸々なほどに正直に語られていて、同じ子を持つ母として、非常に共感を覚えました。絶望感すら感じていたいつ子さんが、伸行さんに音楽の才能を見出した時、初めて希望の光を感じたというのも、分かるような気がします。そして伸行さんの成長とともに、「世間一般」「常識」「固定観念」のような囚われから解放されて、伸行くんのありのままを受け入れ、ありのままをより輝かせることを考えられるようになる。そこに到達していく姿に感銘を覚えました。


私はつい子どもたちに、世間一般が求める(または自分が正しいと思っている)「常識」や「型」を、”しつけ”という名の元に、彼らに押し付けようとしてしまいます。 ある程度はそれも必要かも知れませんが、彼らが元々持つ「感性」「才能」「輝き」のようなものを、私は、常識やしつけで潰していた部分はなかっただろうか。彼らの個性という輝きを、見つけたり感じたりする余裕は私にあっただろうか。そんなことを考えさせられてしまいました。

「子供の個性を育てるとは」。 その1つの解答が、育児書の理屈で学ぶよりも分かりやすく、この本に現れているように感じます。
[5]昔、読んだ本(2009-06-09)
同じ本を読みました。内容は素晴らしかった。この本はリニューアルでしょうか。どちらにしても、アナウンサーとお医者さんの子供、盲目という苦悩から今に至るのですから、素晴らしい。
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- 川のささやき~辻井伸行サントリーホールLIVE! [DVD]
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- 感動のヴァン・クライバーン・コンクール・ライブ

宇宙への秘密の鍵

岩崎書店()
¥ 1,995
[5]大人にも子どもにもおすすめです(2009-02-21)
やはり、むかし、興味があってかじったものの挫折した
「ホーキング」の名前に魅かれて、
小学校高学年向けの面白い本を探していたこともあり、買い求めました。

設定は極端だけど、それぞれのキャラが「立って」いて面白く、
物語にスピード感があり、わくわく読めます。
決してヒーローぽくない主人公の少年が、だんだん活躍していって、
ホーキング親子が伝えたいことは、
この本の最後のほうで、彼の口からしっかり語られる・・(ここは良かった!)

根っから物理のニガテなわたしは、
盛りだくさんのカラー写真や、
イラスト付き手書き文字付きコラムなどのおかげで宇宙の最新知識を
苦労せず理解できて満足できました!

日ごろほとんど本を読まない夫にもみせてちょっと粗すじを話したら、読もうかなあ・・と!
実際、小学生が読んでどのくらい面白いのかは、きいてみたいところです。

ブラックホールの謎などがのっているのですから、ワクワクしますよね。
この本を読んだ後、宇宙のことをいろいろ知りたくなり、
大人向け子供向け両方!かじり読みしています。

日本語版の(?)挿絵も、ファンジックですばらしく、
それでいて物語を損ねることもなくイメージを湧かせてくれるので、好きです。

変わり者の科学者の娘・元気もののアニーちゃんは、
著者ルーシーさんがご自分の子どもの頃を投影している、とか。
また、実際ホーキング博士は、ユーモアたっぷりの遊び心のある方だということですね。

訳も大好きな「シャーロットのおくりもの」の訳者だということで
親しみが持てました。


続きが楽しみです。

[5]なんと素敵!!(2008-05-02)
根っからの文系で、数字にめっぽう弱い私だけれど、アインシュタインの相対性理論や、宇宙の始まり、終わり、仕組みには何故かすごく興味があって、無限大で夢のあるそれらの世界にずっと憧れていた。自分が想像もできないような、生活圏を遥かに越える距離、寿命を遥かに超える長い時間について考えるのはとても刺激的で、わくわくするものだ。でも、物理学の専門書はページを2、3ページ開くだけでもういいです、という状態になる・・・。

けれどこの本は、私のような超初心者にも、易しく分かりやすいストーリーとともに、そして、魅力的な登場人物とともに、宇宙のふしぎを伝えてくれた。
また、各所に、目をキラキラさせてしまうような不思議な宇宙写真や、宇宙の小ネタが挟まれている。文字だけではただ頭のなかの知識の栄養にしかならないけれど、写真や絵がふんだんにあることでよい意味で気分転換も出来、目の保養にもなる。

同時に、現代の子どもたちのより多くにこの本を読んでもらいたいと強く思った。
その理由は、宇宙やそれを解明する科学を易しく伝えていることだけではない。
作者は、主人公である純朴な少年ジョージを通して、科学を悪いことに使ってはいけないこと、私たちのこの美しい地球を守るために、環境保護活動と科学の発展を同時に進めていく必要があることを、伝えてくれているのだ。
その真摯な言葉が、とても簡潔で、短いのに、とても心に響く。

私たちの美しい地球。そのとんでもないかけがえのなさを、子どもたちはこの本を読み気付くだろう。固定観念の定まってきてしまった大人の私でさえ強く感動した。21世紀に読まれるべき名著です。
[5]大人も子どもも楽しめる宇宙冒険物語 ホーキング博士の宇宙への秘密の鍵とは?(2008-03-22)
 本書は、量子力学と相対性理論というふたつの大きな発見を踏まえて、その両方から導かれる宇宙の姿を初めて描いた天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士とその娘で小説家のルーシーが世界中の子ども達のために書いた宇宙冒険物語。いまや世界約40ヶ国で出版され、世界のベストセラーとなっています。

 主人公の少年ジョージは、ペットのブタを追って隣の家に飛び込み、科学者のエリックと娘アニーに出会ったことから、スーパーコンピュータ<コスモス>によって、宇宙の旅へと導かれます。ジョージは、<コスモス>を通して、星の誕生と死や彗星を知り、宇宙に引き込まれていきますが、そこに不可解な行動を取るリーパー先生や暴力的で陰湿ないじめを繰り返す同級生の影が・・・。
 
 19のコラムと32ページの美しいカラー写真が本書の特徴と言えるでしょう。太陽系やブラックホール、物質や質量など、ストーリーを読み進める上で必要な宇宙や物理学の知識が別コラムにて挿入されていて、小学生でも理解できるような配慮が施されています。さらに、イラストの他、探査機によって撮影された天体写真やコンピューター処理画像が掲載されているため、宇宙を舞台に展開される冒険物語がよりリアルにイメージできます。

 著者であるホーキング博士は、ケンブリッジ在学中に難病のALS(筋萎縮症性側索硬化症)であることが判明し、1985年に肺炎を患った後は完全介護が必要となりましたが、テクノロジーの助けを借りて研究活動中の「車椅子の物理学者」。

  博士の研究テーマである「どのようにして宇宙がゼロから自然発生的に作り出されたのか」ということや「どのように情報がブラックホールから出て行くのか」ということが本書の物語を通して展開され、興味をそそられます。また、主人公の少年ジョージの科学発表コンクールの原稿の中に盛り込まれている地球環境問題から宇宙を捉える視点も見逃せません。

 大人も子どもも憧れる宇宙への旅。ホーキング博士の宇宙の秘密への鍵とは・・・。宇宙の起源、太陽系、ブラックホールなどの最先端の知識を得て、宇宙を冒険できる物語。大人も子どもも楽しめます。全3巻の刊行が予定されていますので、2巻目が楽しみなシリーズです。

[5]【子供から大人まで】楽しめる宇宙の神秘!(2008-03-19)
この物語には夢があります。
しかも、ホーキング博士の科学的根拠に基づいた話なので、非常に勉強になります。

内容的には小学生の高学年程度から理解できるのではないかと思います。

大人が読んでも、小中学生の頃に学んだ忘れかけている天文学の知識を思い出すことができます。
非常に参考になるのではないかと思います。
したがって、子供から大人までが楽しめる良書だと思います。

その様に考えれば、書籍として若干高めの値段設定も非常に納得です。

また、途中に宇宙の様々な星のカラー写真や、天文学の解説も多くあるので、失っていた子供の頃の星に関する感動が蘇って来ます。

一ページあたりの字数は少ないので、さらっと読み終えてしまいます。


[5]脇役のキャラクター設定が魅力的(2008-03-01)
誰もが憧れる宇宙の旅。本書では、「コスモス」という名のスーパーコンピュータの持つワープ機能が、それを実現してくれる。
主人公ジョージと隣の家の科学者エリック、その娘アニーの宇宙の旅を通して、宇宙の姿を視覚的に捉えられるストーリーになっている。また、ブラックホールなどやや抽象的で理解しづらい概念も、無理なくイメージできる。

何より、脇役のキャラクター設定がとても魅力的だ。テクノロジーを徹底的に嫌う両親。ペットはブタ。お隣に住む風変わりな少女アニーと科学者父エリック。スーパーコンピュータのコスモス。執拗に狙ってくるいじめっこたち。不気味なリーパー先生。彼らが、最初から最後まで勢いよくストーリーを引っ張っていってくれる。

ホーキング博士とその娘の共著ということで、より科学的な事実に即した内容を予想していた。しかし、ストーリーもキャラクターも創造的で、予想をいい意味で裏切ってくれた。
唯一、「さすが科学者だな」と思わされたのは、一文一文がとても短く簡潔である点(理科系の研究者は短文を好む傾向が強い)。この明快な文章のスタイルは、本書の魅力をより高めている要因のひとつでもある。

挿入されているカラー写真も美しく、非常に満足できる一冊だ。ファンタジー好き、宇宙好き、科学好きに限らず、多くの人に一読をすすめたい。
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- ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)
- マンガ ホーキング入門―天才物理学者の人生とその宇宙論 (ブルーバックス)
- ホーキング、宇宙のすべてを語る
- ホーキング宇宙の始まりと終わり―私たちの未来

天使と悪魔 (中) (角川文庫)

角川書店()
¥ 620
[3]今度こそ事前に読んでが映画公開ぎりぎりでした。(2009-06-20)
『ダ・ヴィンチ・コード』は映像を先に見てしまった為「何で?」が連発で見た後に「????」のドタバタ劇にしか思えなかった。3回目に見たときにやっぱり駄目だ!って思い三日で読破それからまた見に行ってやっと全編が納得となりました。今回は事前に読んでからと思い購入。しかし映像への興味よりバチカンの摩訶不思議と中性子理論の原子物理学など興味深いことが多すぎて納得は難しそう。もう少し映像を見るのを先に延ばして納得の完全読破を目指して5回目に突入してます。ネットで調べながらの読書は久々です。これもまた楽しい読み方とエンジョイしてます。・・・・・どうも映像を見るのはDVD販売後になりそうです。
[5]展開がスピードアップする(2009-05-29)
読み進むうちに夢中になり、頭の中のイメージがどんどんスピードアップしていきます。
まるで自分がその場面の中に居るような感覚。
主人公が、その他の人物が実際に自分の側に居るような・・・
そんな小説って滅多にない。
引き込まれます!!
読んでから映画を観るか、観てから読むか
どっちでも面白いと思います。
[3]面白いけど、ちょっと引っ掛かる‥(2009-05-20)
この「天使と悪魔」そして「ダ・ヴィンチ・コード」の二作品を読んで感じたことは、この作者が一級のエンターテイメントを提供することの出来る、優れた小説家だということ。と同時に、キリスト教に対して相当な嫌悪感若しくは拒絶感を抱いているな、ということだ。
作中の人物に語らせている言葉の端々に、この著者の思想を垣間見た気がした。すなわち、神というのは一種のエネルギーであり、人智を超えた何かというものは存在しない。やがて全てを科学で証明出来る‥。果たしてそうだろうか?
それはともかく、自説は自説として何かセンセーショナルな話題を提供するにせよ、他人が大事に思っているものを「そんなもの!」と鼻でせせら笑うような態度は、いただけない。二作品を通して、キリスト教に対する嘲り、故意の愚弄・中傷を感じずにはいられない。それを作中に上手く隠してはいるが、読者を自説に洗脳しようとしている意図は明らかだ。
宗教が日常生活に何の影響も及ぼさない日本人にとっては、例えばどこかの高名な僧侶がどうしたこうしたという話を持ち出してもピンと来ないだろう。
でも“聖座”と言われ、信者から「パパ様」と敬愛の念を込めて呼ばれるローマ教皇。その人を相手にこのような小説を書くことは、例えていうなら日本なら、天皇家を舞台にした小説をぶち上げるようなものだ。天皇の過去のスキャンダルやら暗殺、そして虚実取り混ぜて最もらしく思わせるようなとんでもないウソを巧みに織り込んだ、自説の“神道論、天皇論”を語る―しかもこき下ろす形で。そんな伝統を守っている日本人はまるでバカだと言わんばかりに。その上、国宝が数多く納められている正倉院などの宝物殿を舞台に、中の品物がメチャメチャになったり貴重な品が灰燼に帰したりする様を描く―。
こんな小説をもし外国人が発表したとしたら(興味本位で売れるかもしれないが)、当の日本人としてはどう思うだろうか?よくぞ書いてくれた!などと手放しで喜ぶだろうか?いや、 大多数の日本人はあまり快く思わないのではないか。面白ければ何を書いてもいいというわけではない。
ヴァチカンに対しては正にそういうことを、この著者のダン・ブラウン氏は平気でやってのけているのである。
私は別にカトリック信者ではない。が、外国の王族であろうとダライ・ラマ法王であろうと、そしてローマ教皇であろうと、しかるべき筋にはそれ相応の敬意を払うべきだと思う。この著者には、そうした姿勢は微塵も感じられない。
この作者のシリーズは確かに面白いがある種の不快感が常に伴うのは、こうした理由からだ。
[5]面白くて一気読み! 宗教って怖いですねぇ…。日本人には理解できない歴史背景あり。(2009-05-16)
上・中・下と3巻もあるので通勤や夜のお伴に良いかと思って買いましたが、読み始めると面白くて週末に一気読み。月曜日朝の通勤に役立たなくなりました。(笑) まぁ、高く上がったヘリコプターから主人公が川に落下して助かった後にすぐさま活動再開するところなど御愛嬌ですが、宗教と科学という題材を織り交ぜたエンターテイメントとしては最高に面白いです。これが著者のデビュー作ということですが、才能なんでしょうね。この後にダヴィンチコードを世に出したことも考えると、この作家を発掘した方が凄い眼力の持ち主ですね。
 
しかし、この「天使と悪魔」と「ダヴィンチコード」を読むと、中世宗教世界の陰湿な歴史や裏社会に思いを馳せることになって、ひたすらゾッとしますね。今でこそ世界的に定着した平和の象徴みたいなキリスト教だって、普及初期当時は得体の知れない不気味な宗教団体だったんでしょうし(だからこそ多くの信者が僻地に逃れて、死海文書とかが発見されているんでしょう。)、この小説の本筋ではないけれど、背景に宗教信者とその反目勢力(=科学勢力)の歴史的背景が語られていて、その当時の凄まじさを窺い知ることができます。
 
キリスト教勢力に隠れて集まる隠れ家? 科学の発見を語る→神への冒涜→軟禁されたりリンチされたり裁判にかけられる? 体に焼印押される? 恐ろし過ぎますね。日本人には理解できないぐらいの宗教社会。「政教分離」って言葉が歴史の教科書にありますけど、それぐらい宗教が社会に入り込んでいて、その深刻ぶりがこの小説からも窺い知ることになります。実際、ニューヨークの教会なんかで十字架にあるイエスキリストの彫刻の前で一般女性の方が涙を流している様子を見ると、日本人には理解しきれないものを感じますね。日本なんて、仏教と神道が共存していて、今の日本人なんて、正月は神宮にお参り、葬式では「なんみょーほーれんげーきょー」ってやっている訳ですもんねぇ(笑)。
 
ただ、フィクションであることを自分に言い聞かせないと行けませんね(笑)。でも、キリスト教社会の欧米でも売れていて映画化までされたことを考えると、やっぱりこの小説が示唆する背景もあながち嘘だけじゃない訳ですよ。怖いなあ。こういう空想をするだけでも、この小説の新しい題材の面白さが抜群ということでしょうね。
[4]遅れて読んだ第一弾(2009-05-07)
私的には『ダ・ヴィンチ・コード』はやや失笑気味でしたが、この第1弾も、遅れて
映画化するようで、『ダ・ヴィンチ・コード』に続き事前に読んでみました。
本作はガリレオ関連(いわば、ガリレオ・コード)。
最初は『ダ・ヴィンチ・コード』のように未知の世界にグイグイ引き込まれました!
ですが、途中の謎解きではダ・ヴィンチ同様に、展開の飛躍が目についてしまって
だんだん話に乗れなくなってきました。
なので、二転三転する結末にも、やや傍観者のような目線で読んでしまいました。

ただし、「科学と宗教」というテーマは考えるところが多いです。
ここはこの作品の大きな骨格として好きなところでした。

情景や設定のさらっとした説明もダン・ブラウン氏ならではの上手さがありました。

この作品の評価は何を期待して読むのかで分かれると思います。
私的にはリアルにうまく騙してくれるミステリーを期待して読んだので最後だけは★3つ。
第3弾は今から期待しています。

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- 天使と悪魔 (下) (角川文庫)
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- ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)
- ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)
- ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ハリー・ポッターと秘密の部屋 携帯版

静山社()
¥ 998
[5]7年間の敬遠を得て、ついに第2巻!(2008-09-11)
 T・M・リドルこそ、ハリーの両親を殺した闇の魔法使い、ヴォルデモートの正体だった………なんて前置きですいませんが、ネタばれではありません。そこに秘められた、いかにもおぞましい真実が、この第2巻におけるゴール地点でもあります。
 そしてその「秘密の部屋」での大蛇・バシリスクとのバトルはかなりの見ごたえ!映画版ではバシリスクのデザインが、もしかすると「ジュラシックパーク」ファンには喜ばれるのではないかと思いますが(恐竜ネタかい)。
 ハリー・ポッターとロナルド・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーといった仲良し三人組(主人公はこのお馴染みの3人、ということ?)は引き続いて定番となっているから、なんだかほっとする一瞬です。

 ともあれ、第1巻から続いてきたメルヘンファンタジーはこの第2巻まで。第3巻からはダイナミックになっていきますよ。ヴォルデモートとの戦い、ラスト直前のアルバス・ダンブルドア校長からの、ハリーへの言葉を通して、主人公3人の見事な成長と大冒険は続くのです。
[5]2作目も面白い(2008-08-03)
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」。
屋敷しもべ妖精ドビー、空飛ぶフォード、ギルデロイ・ロックハート、秘密の部屋など、
新キャラクターや、新アイテム、新設定が目白押しです。
ダイアゴン横丁での買い物など、ロンの家族のウィーズリー家との係わりあいもほんわかとさせてくれます。

どうやって秘密の部屋を見つけるのか、秘密の部屋に何があるのか。
楽しい謎解き要素がつまっています。
作者の想像力に感心しました。
[4]2作目のジンクスを破った(2007-09-23)
ナルニア国物語など2作目は大概駄作になる事が多い。
しかしこの第2作は前作を超えている。
この時点では作者には大変期待をしていたのだが、第5作で予想が見事に裏切られた。
秘密の部屋がトイレのパイプを使って行くという発想自体が
ヨーロッパ人が好む地下水道の世界観である。
分霊箱である日記が本作では鍵となってヴォルデモードの登場を示している。
ホグワーツの生徒が連続して石化されていく状況、
ジニー・ウィーズリーが秘密の部屋へ連れ去られる時の情景などからは、
英国のサスペリアなどの映画やドラマ等の雰囲気が
文中から醸し出されている異色な発想に満ちた力作である。
[4]続編への登竜門(2007-06-17)
JKローリングが6巻発売前に「重要な巻となる」といった作品です。
1巻では魔法学校やハリーの身の回りのことなど、風景的な描写が多かったのに対し、2巻ではキャラクター達の動きが見られます。最初から、物語が動いているので1巻より読みやすいかもしれません。
[2]日本語の訳文がひどい(2007-01-13)
1作目から気になっていましたが、翻訳の日本語があまりにもよくないです。
日本語にもテンポやリズムがあって、翻訳の専門家は大抵その辺を意識しながら
訳しているのに、この作品にはそれが感じられない。読みにくいのです。
途中なんどもつっかえ、なんども寝てしまいました。

ストーリーも、ちょっと質の低いサスペンスのようで、これをファンタジー文学として
見るのは気が引けます。もっと面白いファンタジーがいっぱいあるんですけどね…。
前半のドタバタ劇はまあまあ楽しめました。

ちなみに、ドビーは原書で「ハウスエルフ」です。ちょっと印象が変わりますね。
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