4月1日俺は巡ヶ丘高校に教師として勤務するために高校にきていた。

担当する教科は体育らしい。

さらに担当となるクラスは3クラス程度なのでそこまで忙しい訳ではなさそうだ。

というか、ほぼ戦場にいた俺が教師なんて似ても似つかぬと言う感じた。

「ははっ、俺が教師とかなんか笑えるな……」

そんなどうでもいい独り言を呟きながら、職員会議に出るために職員室のドアを開ける。

今回の職員会議で俺ともう1人新しい教師の紹介等もするらしい。

俺はもう1人についてはもうしっているんだが……

だって家が隣だし……向こうは俺のこと知らないんだけど……

まぁ、そんなことはどうでもいい

コンコンッ

職員室のドアをノックして中へ入った。

そこへは俺が思い描いていた人物が鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてこちらを見ていた。
巡ヶ丘高校に赴任するにあたって俺に新しい仮の住まいをあてがわれた。

巡ヶ丘市内のそこそこいい感じのマンションだ。

いままで特殊部隊の寮に住んでいたのでご近所付き合いとかよくわからないが。

とりあえずお隣さんとかには挨拶しともかないとな。

今日は日曜だしだいたいの人は家にいるだろうから挨拶にいくにはちょうどいい。

俺の部屋は角部屋の隣だから両隣と上下に挨拶に行けばいいかな…

上下は挨拶をすませ左隣は留守だったので角部屋の人に先に挨拶に行くことにする。

ピーンポーン

チャイムを押すとインターホンから声が聞こえた。

「はい」

「あ、すいません。隣に越して来た松田といいます。ご挨拶に伺ったのですが……」

「あ、ちょっと待ってください」

そういってインターホンがきれた。

その後、玄関のドアが空いてでて来たのは髪の長い女の人だった。

頭のてっぺんあたりからぴょんと跳ねているくせ毛が特徴的だ。

美人というかかわいい系の人だ。

「お、おまたせしました」

「いえいえ、忙しくなかったですか?」

「あ、大丈夫です」

「そうですか。それはよかった。俺は松田翔といいます。昨日越して来ました」

「私は佐倉慈と言います。4月から巡ヶ丘高校の国語教師として勤務することになってます」

「へぇ、先生になられるんですね」

「はい、そうなんです。ちゃんとやっていけるか不安で……」

このご時世で個人情報をペラペラと喋って大丈夫なのかこの人。

悪い人じゃなさそうだけど……

俺の見た目は結構あれなんだけど普通にしてくれてるし……

あれ、というと坊主……ほぼスキンヘッドみたいなもんだが、それに目つきもそこそこ悪いので回りからは敬遠されがちだ。

というか巡ヶ丘高校って赴任先じゃねぇか!

とりあえず言わないでおこう。

「あ、これつまらないものですがどうぞ」

挨拶ように買ってきた箱菓子を差し出した。

「御丁寧にどうも。あ、これってショッピングモールの有名なお店のお菓子ですよね?こんな高そうなのもらってもいいんですか?」

「あのお店有名だったんですね…俺あんまりそういうの知らないんで。まぁお近づきのしるしと言うことで貰ってください」

「ありがとうございます」

「いえいえ、これからお隣と言うことでよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

「では、これで失礼します」

そう言って挨拶もすませたので自室に帰った。
「おい、松田」

「なんでしょう、隊長」

「上官がお前をお呼びだ。会議室で待っているといっていた」

「上官が?俺になんのようですか?」

「さぁな、俺は全く聞かされてない。まぁ、行けばわかる話だ。とにかく伝えたぞ」

「わかりました」

俺は隊長に向かって敬礼をする。

隊長も敬礼をして、去っていった。

俺の名前は松田翔。

ランダル・コーポレーションが抱えている特殊部隊に所属している。

基本的にはこのランダル・コーポレーションの警備等に当たっている。

この特殊部隊は企業テロに対応する名目で組織されていて、大半が傭兵で部隊編成されている。

特殊部隊は戦場等に派遣されたりもする。

俺も何度か戦場にいったことがある。

とある戦場にて一人で出撃し相手の頭を暗殺し戦争を終わらせたこともありそれなりに修羅場をくぐってきた。

「まぁ、行けばわかるか……」

とりあえず上官がお呼びと言うことで待っていると聞かされた会議室へと行くことにする。

コンコン

会議室のドアをノックする。

「入りたまえ」

入るよう指示があったので会議室にはいる。

「失礼します」

ドアを開けるとそこにいたのは特殊部隊を束ねる指揮官がいた。

「うむ、よく来てくれた」

「いえ、それでお話というのは?」

まさか、今日限りでクビとかじゃないだろうな?

明日からくっていけねぇぞ。

「あぁ、今日来てもらったのは君に任務を与えようと思ってな」

「任務ですか?また何処かの戦場ですか?」

「あーいや、そうじゃない。今回の任務は巡ヶ丘高校の教師として赴任して学校の警備等に当たってもらいたいのだよ」

「え?学校に教師として行くんですか?」

「あぁ、そうだ。教師として潜入し警備に当たって欲しい」

「はぁ、ですが何故学校に?」

「それは君はしらなくてもいいことだよ。君は警備をしてくれさえいればいい」

「……わかりました」

「うむ。では任せた。来月の一日からいってくれたまえ。手続き等はいらない。話は以上だ。他に質問はあるかね?」

「いえ、ありません」

「まぁ、そう言うことだ。頼んだよ」

「はい。それでは失礼します」

敬礼をして退出する。

何故だか理由を教えてくれなかったが、来月から巡ヶ丘学院高等学校の教師として潜入し警備に当たることになった。