過去の栄光Ⅳ~決戦の日、そして~
決戦当日ー
オレはこの日、12回目のバースディを迎えた。
(o^-')b Happy Birthdayって言ってる場合じゃねぇだろぉ!!!
しかしそんな事は、どうでもよかった。
今、行われようとしている戦いに集中していた。
オレたち弱小ちっび子少年野球団の試合前のミーティングで、
キャプテンKの欠場がF監督から伝えられた。
だが、野球小僧たちは誰一人下を向くヤツは居なかった。
( ̄ー ̄)ぜってぇ勝つ・勝つ勝つ!!
オレはそれを見て、今日はオレがこのチームを引っ張っていくこと
を心に誓った。
しかし、下馬評では相手チームが完全に有利と目されていた。
そして、プレーボール!!
オレたちのチームが先行で始まった、この試合は、
キャプテンKの欠場で若干のメンバーの入れ替えはあったが、
ほぼ今までと変わらないメンバー構成で臨んだ。
そして、トップバッターのオレは副キャプテンとしての責任、
トップバッターとしての責任を背負いバッターボックスに立っていた。
カウント 2ストライク・3ボールからファールで粘っていた。
相手チームの投手は右の横手投げで非常に手からの玉離れが
見にくいピッチャーだ。
あれはオレに投じたフルカウントからの13球目・・・
金属バットの快心の音とともにボールは右中間を抜けていく、
2塁打となった。
オレはベンチに向かって高校球児のようなガッツポーズを披露した。
p(^-^)qよっしゃぁ~
後続も良いリズムで繋ぎオレたち弱小ちっび子少年野球団は
1回に3点を先取した。
この後も試合の中盤から終盤に掛けて、
オレたち弱小ちっび子少年野球団の勢いは止まらず、
試合前の予想を見事に裏切って、
14対5というスコアで勝利し優勝旗を
手にしたのだ。
o(^▽^)oo(^▽^)oo(^▽^)o
優勝だぁ~、勝ったどぉぉ~
この日のオレの成績は自分でも信じ難いような
5打数5安打5打点
という成績でなっ、なっ、なんとMVPに輝いたのだぁ~。
キター Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
えむ・べぇ・ぷぇ だぜぇ~、かーちゃんみたかぁ~
オレたちはみんなで優勝した喜びを体いっぱいに表現した。
監督やコーチ陣、チームスタッフや親たちみんながこの優勝を
喜んでくれた。
そして残念ながら、決勝戦には出れなかったキャプテンKにも報告をした。
アイツは泣いていた。あの涙は嬉し涙なのか悔し涙なのか・・・。
当時は、喜んでくれて正直オレも嬉しかった。
しかし、今こうして18年前のことを思い出してみると、
もしかしたら後者なのかもしれない・・・。
(T▽T;)
この後、区大会を制したオレたち弱小ちっび子少年野球団は
東京ドームで開催される都大会に進んだのだが、
都大会となればやはりレベルはメチャクチャ高く、
最終回まで4対2とリードをしていたが、
結局、4対5のサヨナラ負けを喫した。
これでオレの小学校時代の野球人生に幕が下りた。
小学校の6年間はろくに勉強もせず本当に野球小僧だったこと
を思い出す。
今振り返ると、この6年間は「栄光」というものが
ドッサリ詰まっていた。
もしかしたら今後も、あの時のように周囲から注目されることは
ないのかもしれない。
ただ、オレはあの6年間で貴重な経験を沢山積んだ。
チームメートが居てくれたからこそ、監督、コーチ陣、チームスタッフ、
そして・・・・・子供の一生懸命なプレーに
いつも一喜一憂してくれた親たちがいてくれたからこそ、
オレたちは弱小チームから都大会出場という階段を登って
これたのだと思う。
そして、オレたちのチームの方針でもあった
「野球小僧という前に一人の人間」
ということを心に留めておいて欲しいという意から
「五訓の言葉」というものがあった。
1.「はい」という素直な心
2.「すいません」という反省の心
3.「わたしがします」という奉仕の心
4・「おかげさま」という謙虚な心
5.「ありがとう」という感謝の心
これらの言葉は今でも忘れてはいないつもりだ。
そして、これからも忘れられないだろう・・・。
見事、優勝を飾り嬉しさに浸っていたあの日の夜、
神様の悪戯なのか―
自宅の電話が急かすように突然鳴り響いた。
過去の栄光Ⅲ~決戦に掛ける思い~
決勝戦、前夜―
オレともう一人の副キャプテンT、
そして、鬼のF監督はじめコーチ陣、チームスタッフが
Yヘッドコーチ宅へ召集をかけられた。
それは言うまでもなく、翌日に迫った区大会決勝戦の
チーム方針・・・。
そしてもう一つは、明日の試合に私用で出場出来ない
エースでキャプテンのKのことだった。
議論は、そのKのことから始まった。
Kの私用とは何か??
その答えは塾だ。どうやら塾のテストがあるらしい。
オレたち他の野球小僧には全く知らされていなかった。
Kはそれなりに頭も良いし、家もお金持ちの家庭で育っていた。
だから、中学受験を考えていたのだ。
それを知った時、これはあくまでもオレ個人的な意見だか、
「それは仕方ないことだし、将来の人生にも関わるかも知れないことで
あるならば塾のテストを優先させるべきではないか?」
「そして、Kが出場出来ない試合がたまたまオレたち
弱小ちびっ子少年野球団にとってもう二度と経験出来ないかも
知れない区大会の決勝戦の試合だっただけでは?」
とオレは思った。
正直にオレはそのまま監督やコーチ、チームスタッフ
に自分の意見を告げた。
そして、オレに習うようにもう一人の副キャプテンのTも口を開いた。
「それに、Kが決勝戦に出れないのは事実かも知れないけど
オレたちがKの為にも頑張って優勝すれば
きっとKだって喜んでくれる。だから残されたメンバー
でやるしかないじゃん!!」と。
監督やコーチ、チームスタッフはオレたち二人の思いを胸いっぱいに
受け止めてくれた。
。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
お前らなかせるねぇ~
そして、戦術や試合運びなどを念入りに打合せをした後、
オレたち二人に監督は「明日は頼んだぞっ!」と
ニッコリ笑った。
初めてだった、監督があんなに温かい笑顔で
微笑んでくれたのは。
(=⌒▽⌒=)明日は頼んだぞ、優勝しような。
オレはそれだけで十分だった。確かにみんなの期待がプレッシャーになるかもしれない。
でも、ミスを恐れず思いっきり小学校での最後の試合を楽しもうと心に決めたのだ。
そして、このチームでの最後の試合を勝利=優勝で
飾るためにも。
この仲間たちとの最高の思い出を残すためにも。
もう誰にも弱小チームと呼ばせないためにも。
そして決勝戦、当日―
を迎えた。
過去の栄光Ⅱ
オレたちは最上級生の6年生になった。
そしてオレは副キャプテンに任命された。
この年弱小ちびっ子少年野球団は
周囲の予想に反する成績を上げた。
鬼のF監督が就任して1年半、厳しい練習に耐えようやく
花開いたのだ(‐^▽^‐)
基本的に毎年、春と秋の2回リーグ戦が行われる。
ここで年間順位、2位以内に入ると区大会に出場することが
出来るのだ。
野球小僧たちの力は春の大会から発揮された。
創設以来、もちろん初となる準優勝!!!
o(^▽^)oよっしゃ~、やったゼぇ
という、成績を上げた。
そして秋の大会では、な、な、なんと、
初優勝ぉぉぉ!!!
ヾ(@°▽°@)ノ
ゆ、ゆうしょうだぁ~(涙)
を飾ったのだ。
オレたち野球小僧はもちろん、両親やチームスタッフ、コーチ陣、
そしてあの鬼監督までみんなで
歓喜の輪で涙・涙・涙だった。
これでチームも年間2位以内が確定し見事、区大会出場を手にした。
区大会に入ってもオレたち弱小ちびっ子少年野球団の
快進撃が続いた。
1・2回戦は共にコールド勝ち!!!
(^O^)/この調子でいったれぇ~
3回戦はシーソーゲームの展開になったが、
終盤突き放し勝利を手にした。
準々決勝は、投手戦の緊迫したゲーム展開だったが、
初回に上げた2点を守りきり準決勝進出を決めた。
ここまで来ると、やはり両親たちは少し浮かれ気分なのか
優勝という言葉を口にしはじめた。
(  ̄っ ̄)ヲイヲイ、オレら必死なんだかんょお~
しかし、オレたち野球小僧は冷静だった。
今までの経験で「勝つ」ということの難しさを嫌というほど分かっていた。
準決勝の相手は区大会常連チームであり、弱小ちびっ子少年野球団も
よく知っているチームとの対戦となった。
何年間前、このチームに練習試合であったが0対21
(。>0<。)マジ、ありえねぇ~、弱すぎだすっ!!
という大敗北を喫したこともある。
そして、迎えた準決勝戦-
弱小ちびっ子少年野球団は初回から相手チームを攻め
一挙5点をもぎ取った。
これで完全に試合の流れを掴んだ。
その後、相手チームに3点を取られるが我がチームも
中盤に追加点奪い結果的に8対3で勝利し、
決勝進出を決めたのだぁぁぁ!!!
が、
喜びも束の間、弱小ちびっ子少年野球団の
キャプテンでエースの野球小僧が決勝戦を私用のため、
出場出来なくなってしまうのだ。
