タレントとCM 【タイガーの事例から】 | あなたの知らないひとのあたまのなか。

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有名人のスキャンダルではよく聞く話なので、ついつい


聞き流しそうになったが、ぐっと踏みとどまって。


企業が、自社のイメージを正しく生活者に伝えるためにタレントを使うことは


ありふれている。しかし、タレントがひとつでもスキャンダルを起こせば、


その企業はいとも簡単に切り捨てる。タレントに対する悪いイメージが自社に


飛び火するのを防ぐためだ。


企業は金を払ってタレントを使い、自社のイメージアップをはかり、


一方のタレントは、金を受け取り自身のイメージを切り売りする。


CMにおいてタレントと企業は結局金の繋がりでしかない。


よって、視聴者の間には”感動”が生まれない。


一方で、たとえばドラマは人を感動させる。


同じテレビの中に映し出された同じタレントが、CM時とは違い、


人を感動させる。


ここでも金の契約はある。あるが、俳優によっては、ドラマの役になりきるために


自分で勉強したり、台本を読んで感動し、自分もこのドラマの成功に大きく貢献したい


と強く思うことがあるという。


その他にも、ドラマ作品でついたタレントのイメージは根強く残るが、


CMではそうでもない。「あのCMに田村正和出てたね~」とはなっても、


「田村正和ってあのCMに出てるね」とは、一般的にはならない(と思う)


最近は、CMにもストーリー性があるものが多い。物語調になっているものもある。


CMがドラマに比べてハンディキャップがあるとすれば、それは「時間」かもしれない。


ドラマが大体1時間だとすると、CMは1本15秒あるいは30秒。


それでも(ものによるが)ドラマよりも本数は多い(つまりフリークエンシーが高い)。


ので、むしろ人はCMに出ているタレントの姿の方がよく見ているとも言える。


そんな中でもタレントなりCMが人を感動させられないのは、恐らく企業がただ単に


タレントを”利用”しているだけだからだと思う。


スキャンダルを起こしたタレントでも使い続けろ!などと無責任なことは言わない。


早急に変えないと自社のイメージに傷がつくなら、変えるべきだろう。


しかし、タレントのイメージだけで生活者の心を動かすのも限界が来るだろう。


その時に、CMの中でどれだけタレントのアクトがドラマのように人を感動させられるか、


これが大切な気がする。そして、それはタレント側からしても、CMを通して自身の


個性や演技力などを視聴者にアピールできる機会にもなり得るのだ。


15秒や30秒という短い時間の中で、視聴者に感動と本当に伝えたいイメージを


届けたいのであれば、タレントと企業のお金以上の結びつきが肝要なのではないかと、


タイガーのニュースを見て、なんとなくそう感じた。